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日本の名門ビッグバンド「原信夫と#&♭」のレギュラーギタリスト、岩見淳三さんと北海道出身の女性ヴォーカリスト「YAYOI」さんのデュオが実現できました。伊藤学さんの楽しいライヴレポートです。(^_^)



【1】セッティングでびっくり

< PM6:00予定通りお二人登場 >
結構機材あり・・。持ってきたのがギター2本、ギターアンプ、コンパクトな8チャンネルくらいのミキサー1。これまたコンパクトなPAスピーカ2個、ヴォーカルマイク1、ガット用集音マイク1、ギターアンプ集音用マイク1、とスタンド類。ようするに全部自前の機材でやれる状況でした。(事前に聞いてた話しとちょっと違う・・)


岩見(岩)さん:「BOSEのいいスピーカがお店にあるんだからこれ使えば?」
YAYOI(YA)さん:「位置がいや。耳の高さにスピーカ置きたい」
(岩)「それじゃまずギターの位置をきめる」

いつものGonkitiの立ち位置あたりでギターをポロポロ。

(岩)「お店の形からして候補のひとつだね」
と言いつつ別な場所を物色。ほぼ店の中央あたりでポロポロ。
(岩)「ちょっと違うな」

カウンター側に50cmほど下がってポロポロ。すると私の耳でもはっきりわかるように突然クリアな音に・・。木村くんも違いがわかったらしく、顔をあわせていると、、、

(岩)「ここだね」
(YA)「そうね」

で決まり。次回にでもその場所は説明しますが、確かにどうしてここでやることを考えたことがなかったのかなと思うくらい理想の場所です。次はPAスピーカ。

(YA)「スピーカより気持ち前に出て歌うからモニターはいらないけど、とにかくちょうど耳の高さにPAスピーカを置きたい」

注文はそれだけでしたが1台ならまだしも2台(二人を挟むように)となると結構大変で、最後は発泡スチロールのブロックまで持ってきてなんとかクリア。


【2】波を打ったように静かな中、スタート!
中でYAYOIさんとMCの打合せ。

(学)「最初倶楽部としての挨拶を私しますので、後はマイクお渡しします」
(YA)「はい。注意事項は?」
(学)「特にありません」(学はYAYOIさんの言ったことの意味を理解していなかった)
(YA)・・ちょっと間を置いて「3点ほどアナウンスお願いできます?」
(学)「はい」
(YA)「1点目・・ギターとヴォーカル2人だけの小さな音の音楽なので、おしゃべりなし、でお願いしたい。2点目・・携帯電話はマナーモードか電源OFF。3点目、スタート時間は告げるので予め準備をして、スタート以降は、お酒・つまみのために席を立つのはやめて頂きたい。・・・いやな告知ですがお願いできます?」
(学)「はい」

8:30・・定刻。挨拶と3点の告知。・・二人はまだ腰を上げない。(あとで聞くと、(岩)「期待で静かになる一瞬があるので、その時にすっと入っていきたい。あとで「いやーいいステージでした」と言ってもらうために逆算していくと、事前の注意事項伝達とスタートのタイミングがとても大事、ということがわかってきたので申し訳なかったけれどわがままさせてもらった、とのこと。とても納得。
受付の亜樹ちゃんに、


(学)「ここはもういいから、いい席取って見てな」
(亜)「はい!」行ったと思うと一番前の特等席をしっかりキープ。

ここでぎりぎりまで花火を見ていた人4〜5人入ってくる。(この日は花火大会の日でした・・・)

(岩)「お客さんが、まだ落ち着かないからもうすこし待ちましょう」

8:45・・満を持してキューを出されたので
(学)「では岩見淳三さんYAYOIさんお願いします」でスタート。

1曲目「ユードゥビーソー〜」ビート無しのいわゆるバラッドで軽くスタート。受付にいたGonkiti-Iたまらず、


(学)「悪い、木村君、ここ替わってもらっていいかい」
(木)「はい。どうぞ」

1曲目終わって・・速やかにどこでもいいから座ろう、と客席の方に行くが、人はいないのに荷物があったりでパッと座れそうなところは・・・1ヶ所あった!亜樹ちゃんの向かいの本当の本当に1番の特等席。そこに座って目の前の岩見さんのギターを見てからというものは・・・ひたすら岩見さんの、特に左手、に釘付けでした。
曲目は思いつくままに、フライミートゥーザムーン・おいしい水・イパネマの娘・ララバイオブバードランド・りんご追分・マイワンアンドオンリーラブ・朝日のごとくさわやかに・レフトアローン・ラブフォーセール・etc・etc。


【3】女神達のようなオネーチャン軍団登場!!

お店のJUNさんは1部と2部の間に、電話をかけてたようで、「花火も終わって今、若い女の子何人かくるから・・」
そしたら来るは来るは、若い女の子だけで11人、最終トータルで51人!さすがに若い女の子には岩見さんもびっくりするやら、嬉しいやら・・・。ただそこはYAYOIさん、すかさず、

(YA)「2部からのお客さん、特に若い方が多いので、さっきの3点注意事項もう一度お願いできます?」ときた。「はい!」


【4】終わってからのレクチャー必見でした。福井さん・・残念!

実は福井さんの事はお二人共気にはしていたようで、福井さん達が帰って後、1〜2曲で最後の曲になったのですが、最後の曲はA列車に乗って帰った福井さんに捧げる「TakeTheATrain」でした。
さて、ライヴも無事終了しました。終わったらどうするの?というのは1部と2部の間に岩見さんがとても気にしていました。本番終了まではノンアルコール、だけどお酒はとっても好き、とのこと。セッションやろうよと声かけてくれましたが、もちろん誰も楽器は持ってきていないし・・。みんなと飲みながら雑談交じりでレクチャー、というのがとても好きらしく、そこで恐いもの知らずの突撃娘、亜樹ちゃんがバードランドで岩見さんにチャレンジ!

【レクチャー1】歌のキー

(岩)「キーは何でうたってるの?」
(亜)「キーは・・何でしょ?(久保さんを見る)」
(久)「キーは・・出だしDmですけど・・・」

(久保さんすでに出来上がってる)ポロポロやって出だしDmを確認、

(岩)「えっ?Dm?・・・まあいいや。ちょっとやってみよう。」・・いつものように熱唱。歌終わって第一声・・・。
(岩)「キーは1音下げようね、そして、今のが100%だとしたら、いつも60%くらいで歌うようにしよう。JAZZってね、ちょっと出し惜しみしながらやる音楽なのね。亜樹ちゃんの歌は100m全力疾走で、出だしからフォルテシモ。これが何曲も続くと亜樹ちゃんくたくた、お客さんも付き合ってくたくた。10秒間の御付合いならそれもいいけど20分、30分の御付合いとなるとそれなりの長距離の走り方(歌い方)でないとお客さんも付き合えない。」納得。
出だしCmで再チャレンジ。残って飲んでいたお客さん、本人含めて、全員納得。大変ですよ。亜樹ちゃんの歌、次からキー、1音下がりますよ。


【レクチャー2】エンディングをきれいにまとめよう

つぎ、ミスティにチャレンジ。途中、おっという顔をしたり、にやっとしたりで満足そう。最後エンディングでドミナントでブレークして・・明らかにふわっととしたランディングを誘うが・・亜樹ちゃんトニックでストンと終わる。

(岩)「飛行機って離陸は簡単だけど、着陸はむずかしいらしい。音楽(JAZZ)も同じで、4小節もあればたいがいの曲は始めることができる。で、お客さんを気持ちいい空の旅に連れて行ったはいいけれど、着陸が気持ち良くないと、気持ち良かった空の旅が台無しになってしまう。風向き次第でいろいろな着陸のさせ方を憶えないとね。」

と言いつつ最後の方は亜樹ちゃんに、というより久保さんと私にレクチャー。その時ふたつくらいランディングを教わったのに一晩たつと・・・憶えていない・・・。残念。

Report by 伊藤学
Photo by 木村弘樹&伊藤学
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