雑記帳 2005年 6月第1週

2005/06/01 Wed.

  • 7:20
    • 一回だけ看護婦に起こされて、胸に入ってる管の様子を見られた気がするのだが、まともに起床したのはこの時間。
      いかん、腰にダメージが蓄積しすぎてロクに動けない。助けて下さい。肺より先に腰を助けて下さい。
  • 7:30
    • 朝食。冗談ではないほど腰が痛くて、椅子にすら座りたくないが我慢。
      ちなみに、6月1日といえば「電波の日」です。電波三法が施行され、電波が一般に開放された日です。
  • 10:50
    • 一昨日と同じ時間にまたレントゲンに呼ばれる。24歳という若い身体にして放射線を浴びまくるのってどうよ。
      とにかく、ドレーンを変えたにもかかわらず治ってないってのは勘弁な。ってか、身体よりも有休の残りが心配。
  • 12:00
    • 昼食は焼きそばだったのだが、感想は焼きうどんの時と同じとだけ言っておこう。
  • 14:40
    • 血圧、酸素量を測る。見たことない看護婦が来て、血圧を測ろうとする度にエラーが出て測れてないでやんの。
      原因はわかっているのだが口にするのがアホらしいので、左腕じゃなくて右腕でやったらどうだと提言。
      そうしたら一発で成功。こんなんが看護婦やってて平気なのか。患者と話す時にどもりまくる看護婦ってどうよ。
  • 18:00
    • ロベルト・シューマンはフランツ・シューベルトのピアノソナタを「天国的に冗長」だと評したことがあるらしい。
      要するに、文字通り「天国的に冗長」な午後を何とか乗り越えて、ようやく夕食にありついたってワケです。
      TVのCMで見たが、電車男の映画版は6月4日に上映開始らしい。ネタとしては見ておくべきなんだろうな。
      しかし、6月1日の時点で治り具合もよくわからん以上、こりゃ初日に見に行くのは不可能っぽいな。
  • 20:00
    • 担当の医師が来る。レントゲンの結果、改善の見込みは無いとの事。こりゃ6月4日に電車男は見に行けませんか。
      肺の上部の空気が溜まってる部分に管を入れただけでは、どうにも思うように空気が抜けてくれないらしい。
      ってなワケで、高さ60cm、幅と奥行きが25cm程度の吸引機というモノを導入。何やらややこしい話になってきた。
      肺から出ている管を一段階太いモノと繋いで、それを吸引機に繋ぐ。設定吸引圧ってのを04cmH2Oってのに設定。
      多分、肺から空気を抜く際の圧力みたいなモノだろうか。とにかく、この機械を繋ぎっぱなしにする必要がある。
      機械である以上は電源が必要。すなわち、移動時には電源を外して、空気が逆流せんように管を押さえなきゃいかん。
      さらに具合の悪いことに、管を押さえる専用の器具は自分が触っちゃダメらしく、看護婦にやってもらう必要がある。
      すなわち、ベッドから離れる際にはナースコールしろってか。不便なことこの上ないな。これで本当に治るのか?
  • 21:40
    • 早速トイレに行きたくなる。機械を止めて管を押さえるためにナースコール。何だか微妙に悪い気がするな。
      看護婦に動ける状態にしてもらい、さっさと用を足して部屋に戻り、またナースコール。これは罪悪感があるぞ。
  • 22:00
    • 眠くないけど、部屋に居てもやること無いし、歩き回るにしてもナースコールする必要があるし。
      あれこれメンドいので、さっさと寝てしまう。何だって俺はこんな目に遭わなきゃいかんのだろうかね。

2005/06/02 Thu.

  • 6:20
    • 起床。起きたものの、部屋の外に移動するのすらメンドいことを思い出し、とりあえず二度寝する。
  • 7:30
    • うたた寝してたトコを起こされて朝食。ってか、部屋に朝食が運ばれてきてるし。重病人扱いですかい。
  • 12:00
    • やること無いのはわかりきってるので、さらに寝て過ごして昼食。
      さすがに朝食まで病室で食ったら性根腐ってきそうなので、食堂に移動して食べることにする。
  • 12:30
    • 果報は寝て待てと言うが、どうせ明日のレントゲン結果が果報ではないのが想像つく。
      ってか、もう寝られません。13時間も寝てりゃ、睡魔のカケラもありません。さて、何をするか……。
  • 13:20
    • 入院してから初めてのベッドのシーツ交換。5分ほど部屋の外に出される。
      村上春樹の「ねじまき鳥クロニクル」の全巻の入手に成功したので、これで時間をつぶせそうだ。
  • 17:00
    • 「ねじまき鳥クロニクル」の第一部を読み終えた。今夜で第二部を読み終えるとなると、明日の夜がヒマそうだ。
      本読んでる最中に昨日の素人看護婦が来た。光浦靖子みたいなヤツでウザい。しかもトロい。
      一回トイレに立つ時にナースコールしたら、よりによってコイツが来やがった。いや、お前呼んでないし。
      こんなヤツに俺の肺の命運を左右する機械を触ってほしくないんだが。何かあったら訴えるぞ光浦靖子めが。
  • 18:00
    • 夕食。今日の夕食みたいにうどんとかが一番満腹感がある。
      量で見ればいつものと変わらんのかもしれんけど、そこは気分の問題ってヤツです。
  • 19:30
    • 洗髪やら洗顔やら身体を拭いたりやら、あれこれしてたらこの時間。
      さて、今日はアホみたく寝ていたことだし、そう簡単には寝られないだろう。
  • 22:20
    • 「ねじまき鳥クロニクル」の第二部を読み終えた。明日の夜は「天国的に冗長」な時間になるな。
      それはともかくとして、「ねじまき鳥クロニクル」は面白い。ある面においては「海辺のカフカ」を容易に上回る。
      ものすごい気に入った文があったので、その部分をちょっと抜粋しておこう。

ウェイトレスはものすごく無愛想で、機嫌が悪かった。僕は無愛想で機嫌が悪いウェイトレスにはかなり
精通しているつもりだったが、それほどまでに無愛想で、機嫌が悪いウェイトレスを見たのは初めてだった。

  • 22:20(続)
    • 新潮文庫版の第二部の272ページより。何が気に入ったのかと訊かれても困るけど、とにかく気に入った。
      「ねじまき鳥クロニクル」は「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」「ノルウェイの森」と並ぶくらい気に入った。
      共通点は多分ある。凝ったストーリーで展開せずに、むしろ各場面の細かい描写がされている作品って気がする。
      別にストーリーが大したこと無いと言っているワケではないので。ストーリー自体もいい作品だと思ってますよ。
      ヘタなこと言うと、どっかの誰かに「『風の歌を聴け』のストーリーを明確に解説してくれ」とか言われて困りますから。
      物語を語る作品ではなく、そこに含まれる場面を脳裏にイメージさせられるような作品が好きなのかもしれない。
      そうだとしたら、自分の宮部みゆき氏の作品が好きだと言うのも理解できる。情景描写は抜群な方ですしね。
  • 23:30
    • さて、寝るか。ストックしておいた食料を食って、多少は腹も満たされたことだし。
      13時間も寝ている状態で睡眠にありつけるかどうかは、甚だ疑問ではあるが。

2005/06/03 Fri.

  • 7:40
    • 起きたら食事の時間。何だかんだで結構寝られたな。
      さて、今日で有休の残りが尽きた。せっかく二年目の分は1日も使わずにおいたのに、あっという間に消えやがった。
      これで残りは今年度分の12日だけだ。ってか、休職の申請をしたほうがよさそうだな。まぁ、今日の結果次第。
  • 9:00
    • レントゲン。俺の身体はあと何回放射能を浴びれば退院できるんだ?
      ってか、肺の形が戻ったとしても、現時点で相当あるこの出血が止まらんとマズいんじゃないか?
      寝て起きたら管の中に結構な量の血が溜まってるし。2日間で20mlくらいは出血してる状態だぞ。
  • 10:55
    • 医師が来る。どうやら吸引機を使っている現在では、肺の形は正常になりかけているらしい。少しは前進?
      しかし、肺の穴がふさがったのかどうかは不明。機械を止めて肺の形が変わらなければ、穴はふさがったってことか。
      とりあえず昼くらいから一旦機械を止めて、明日まで様子を見るとの事。この1日で肺の形が変わらなければセーフ。
      逆に、また肺の形が変わるようならば、外科的な手術に頼らざるを得ない。ってことは、明日もレントゲンかよ。
      この入院だけで、既に一生分のレントゲンを撮影した気分だぞ。一体何回撮ったんだ?萎えすぎて数えてもない。
  • 12:00
    • 昼食はスパゲッティ。悲しいほどに足りない。あとで売店でも行くハメになるな。
  • 15:00
    • 地元のT山から電話が。見舞いに来てくれるらしい。バイト後って言ってるから20時くらいだろう。
  • 16:30
    • 空腹に耐えかねて、売店で菓子を買ってくる。T山が来た時も食えるからいいか。
  • 17:30
    • 親が来る。着替えやケンタッキーの差し入れと一緒に、村上春樹の「風の歌を聴け」「1973年のピンボール」を入手。
      電話で頼んでおいてよかった。これでまたしばらくは時間を潰せる。ってか、ケンタッキーが美味い!
  • 18:00
    • まずは電話。今のPJの上司さんに電話をして、休職の申請をすると伝える。んで、次は立川支社に電話をかける。
      一ヶ月以上の安静期間だとか、自宅療養とかがあれば休職の申請は通るらしい。とりあえずは医師の診断書が必要。
      次に医師の先生と話をする時にでも訊いてみよう。そんなこんなで電話をしたりしてから、ようやく夕食にありつく。
  • 18:45
    • 今のPJの営業のK野さんから電話。今後のことを伝えておく。どうやら月曜の朝に病院に来るらしい。マジっすか。
      休職中の給料の話についてとかも訊いておきたいんだけど、金絡みの話って上の人とはやりにくいな。
  • 20:30
    • 「ねじまき鳥クロニクル」第三部を読んでいるとT山が来た。おぉ、コイツが本当に来るとは思わなかったぞ。
      自販機で釣り銭が間違って出てくるくらいの確率では来てくれるだろうとは思ってたが。とりあえず激しくGJだ。
      差し入れってことでスタバの菓子(いい選択だ)と週刊アスキーを持ってきてくれた。お前、実はいいヤツだったのか。
      最近お前何やってんのとか、バンドの具合はどうだとかの話をしたりして、22時ちょいくらいに帰ってった。
  • 23:40
    • 「ねじまき鳥クロニクル」第三部を読破。ストーリーとしての感想は全然違うが、読破直後の心情はアレに似てるか。
      アレが思い出せずに検索。「国境の南、太陽の西」だ。これの感想と似ているか。率直に言うと「表現しにくい喪失感」。
      今夜はこの感想を抱いて寝るとするか。さて、明日の朝には俺の肺は果たしてどうなっていることやら。

2005/06/04 Sat.

  • 6:10
    • 検温やら血圧を計測するやらで起こされる。さっさと計測してもらって、さっさと寝直す。
  • 7:40
    • 昨日と同様に、起きたら食事の時間だった。目覚まし無いからしょうがないんです。
  • 10:45
    • 例の光浦靖子みたいな素人看護婦が来やがった。いや、来るなよ。血中酸素量の計測に何分かかってんだ。
      「何かありましたら呼んで下さい」だとさ。何かあるはずもないし、そもそも絶対に呼びません。
  • 11:30
    • 医師の先生が来る。とりあえず機械を使わない状態で肺の形が正常になったようなので管を抜くとのこと。
      この状態で月曜にまたレントゲン撮って、問題が無ければ退院できるかも。再発したらお察し下さい。
  • 11:40
    • 医師の先生が看護婦を一人連れてきた。ってかさ、何でそこで光浦靖子を連れてくるんですか?
      マジで不安になりつつも、そもそも看護婦ってのは患者の不安を取り除くためにいるのではと考え込んでしまう。
      管を上から押さえているガーゼをテープで止めてるんだけど、これを剥がすのがアホみたく痛い。粘着力強すぎ。
      麻酔と消毒をしてから管を抜いて、再び消毒と縫合をして終わり。管が入っている時よりも傷口の痛みが強い。
  • 12:10
    • 微妙に食欲がなくなっているのですが、我慢して昼食。傷が痛くて気分悪い。テープの部分もかぶれてるし。
  • 17:30
    • 職場の後輩のI崎君が来た。わざわざ程久保からご苦労様です。仕事の話とかPJに一人追加とかの話をする。
      大体30分ほど話をしてたかな。一ヵ月後には復帰できるだろうから、それまで俺の分も頑張ってちょ。
  • 18:00
    • I崎君が帰った後は巨人戦を見ながら夕食。喫茶店で軽く食ったから、あまり腹減ってないんだけどな。
  • 23:00
    • 野球見たりドラマ見たりニュース見たり、色々やって時間をつぶす。むしろ時間つぶしに必死です。
      あと数日でこの生活から開放されるはずだ。それを期待して寝ましょう。明日が暇だとわかりきってるのが残念。