「最初の弟子たち(2)」
ヨハネの福音書1章43〜51節

◆アンデレやペテロと同じベツサイダ出身のピリポが、「わたしに従って来なさい。」とイエス様に招かれ、弟子になりました。続いて、ピリポの友人ナタナエルがイエス様のもとに連れてこられます。私たちも、最初の弟子たちのようにイエス様を家族や友人に紹介できるものとなりたい。

◆「来て、見なさい」
イエス様は、まず、ピリポを招かれました。ピリポは即座にイエス様に従い、また、友人のナタナエルにイエス様を紹介します。ナタナエルは、別の名前をバルトロマイというのであろうと多くの聖書研究者は指摘します。それは、イエス様の十二弟子の名前の中で、いつも、ピリポと並んでバルトロマイの名前が登場し、12弟子の名前の一覧表には、ナタナエルという名前が出てこないからです(Cf.マタイ10:3)。ピリポはナタナエルに、「私たちは、モーセが律法の中に書き、預言者たちも書いている方に会いました。」と語りますが、ナタナエルの反応は、「ナザレから何か良いものが出るだろうか。」と否定的です。ナタナエルは、ガリラヤのカナ出身(ヨハネ21:2)でしたので、寒村ナザレをよく知っていたからでしょう。そのナタナエルに対するピリポの殺し文句は、「来て、見なさい」というものでした。非常に優れた誘い方です。

◆すでに知っておられるイエス
ナタナエルがイエス様のもとに来ますと、イエス様は、「見なさい。まさにイスラエル人です。この人には偽りがありません。」と、すでにナタナエルのことをご存知でした。不思議に思うナタナエルに、イエス様は、「あなたがいちじくの木の下にいるのを見ました。」と語られます。ナタナエルはびっくりして、即座に「先生。あなたは神の子です。あなたはイスラエルの王です。」と信仰を告白します。ナタナエルの秘かな祈りをご存知であったイエス様は、すでにあなたの悩みを知り、あなたを招いていてくださるお方です。

◆それよりも大きなこと
旧約聖書のイサクの息子ヤコブは、双子の兄弟として生まれました。彼は、父イサクと兄エサウをだまして、長子の権利を奪い、兄エサウに殺されそうになり、逃げてハランに行く途中、べテルという場所で野宿し、不思議な夢を見ました。それは、天に届くはしごが地に立てられており、御使いたちがその上を昇り降りしているのです。しかも、神である主がその上に立ち、ヤコブに語ってくださいました。ヤコブは驚いて、「この場所はなんと恐れ多いところだろう。ここは神の家にほかならない。ここは天の門だ。(創世記28:17)」と語りました。イエス様こそ、天と地をつなぐ梯子で、ピリポもナタナエルも、このイエス様のお言葉どおり、次の章では、もっと驚くべきイエス様のお姿を体験するのです。