2006年4月02日 NO.309 「僕たち結婚します」
芹ケ谷公園の桜が満開になった。3月28日から山形の寒河江に住むワイフの
お袋さんが遊びに来ている。ちょうど桜がほころび始めていた。30日には小田原
で桜を見て、箱根でベゴニアと温泉を楽しんで来たようだ。うらやましいな、私は
今まさに真っ盛りの恩田川の桜も見ていない。
今日は嬉しいことがあった。お昼を過ぎて一段落しているときに、若い目のパッ
チリした女性が入ってきた。見覚えのある顔だ。彼女はにっこり笑って「こんにち
は」とあいさつをする。やがてその後ろから男性が、やはり、ニコニコしながら続い
てドアーを開けて姿を現した。そうだ、あの感じの良いカップルだ。お冷を持ってゆ
くと、カレーの注文の後、男性の方が「僕たち結婚することになりました。」 笑顔が
こぼれている。思い出したぞ。前回、彼らが来た時は4人連れだった。そのとき彼
は「今日は彼女の両親と一緒です。」 と言っていたっけ。サンデッキで食後のデザ
ートを運んでいってそのことを彼に言うと、彼は「そうなんです。」 と言って語り始
めた。結婚を意識し始めて、彼女の両親と会うことになった。案内するならErika
に
と決めていた彼は岡山から上京してきた彼女の両親を連れて食事にやってきたの
だ。奥のテーブルから楽しそうな笑い声が聞こえてきた。「お、うまくいっているな」
ご両親はすっかり安心しきった様子で帰られた。 そして、半年経った今日、彼ら
は久しぶりにやって来たのである。ここErika は大人のくつろぎの場がモットーで来
る方も年配者が多い。だが、時々、若い人が顔を見せることがある。そんな若い人
の中でリピーターとなって来る人は、私の期待している若者とイメージがぴったり合
うのである。今日見えたカップルもまさにその通りだった。「Erika
を気に入ってくれる
彼は間違いないよ。」 と私は彼女に言った。彼女はこっくり頷いた。彼らは7月に結
婚する。こうやって仲良く報告に来てくれる気持ちが嬉しい。私は彼らの名前すら知
らない。けれどもどこかで気持ちが通じている。何ともいえない爽快感が私の体の中
を駆け抜ける。 夜桜に酔い浸りながら娘エリカと森を通って家路についた。