2010年11月2日 NO.419 「思いがけないご褒美」
夜の10時半を回ったころ、電話が鳴った。「今、町田駅に着きました。」「そうか、散歩
がてら迎えに行こうか?」「迎えに来て!びっくりすることがあるから!」 弾んだワイフの
の声が受話器を通してビンビンと伝わってくる。何か面白いことでもあったかな?元同僚
だった女性の結婚式の二次会に招待されて、ワイフは夕方から出かけていた。
二次会は多分、若い人が多いから、早めに帰ってくるかもしれない、と言っていたけれど
も、せっかく久しぶりに彼女と会うのだから最後までいたら、と送りだした。この時間だか
ら最後までいたんだな、と思いながら町田駅まで急坂を上って歩きだした。荷物をいっぱ
い両手に持って例によってツカ、ツカ、ツカと音を立てて改札口から手を振りながら彼女
が姿を現した。「ああ、くたびれた。」と言いながら大きな紙袋を差し出した。階段を下りな
がら、2次会の様子を話し始めた。新婦の最近の様子、ご主人になった人の人物像、招
待客の顔ぶれ、2次会の内容・・順序立てて話が進む。一向に驚くような話が出て
こない。「所でサプライズな話って何?」 しびれを切らして彼女をのぞきこむ。やっとそ
れに合わせるようにワイフは話し始めた。2次会のフィナーレにビンゴゲームが始まった。
ビンゴのルールから始まり最初の人が・・2番目の人が・・と続く・・彼女は8番
目、その内容の解説が始まる。そして、ビンゴに当たった人の商品の解説が始まる。
もう大分歩いていた。家に着くまでにサプライズの内容がわかるのだろうか?せかすわ
けにもいかず、じっと耐えながら耳を傾ける。彼女もビンゴに当たり、くじを引いた。けれ
ども、牛肉一キロなどと書いてなく、ただ、「?」と紙に書かれたものだった。他の人は
さまざまなも物が当たっているのに・・・最後になって司会者が「?」の人はこの中
に入っている球を一つだけ取って下さいと言って紙袋を彼女の前に差し出した。たくさん
の中に赤い球が一つだけ入っている。それが当たりで、はずれを引いたら、何も貰えな
い。彼女は「えい!」 と言ってボールを高々と指し出した。そのボールの色は真っ赤だ
った。景品は海外旅行ご招待だった。それにしてもマイ・ワイフは大したもんだ。普通は
最初の電話で 「海外旅行が当たったわ!」 から始まるんじゃないかな。
延々と2次会の様子を語り、最後の最後に”海外旅行”である。きっとじっとこらえながら
ストーリーを組み立てたのだろう。それにしても何てラッキーなことだろう!神が与えて
くれたご褒美かな??????
先日、その旅行から帰って来た。この夏以降に我が家の防音工事(防衛庁負担)を控
えて、書類の作成、申請、許可、設計士や施工業者との打ち合わせ、その他、家の修
理など、雑用に追われる毎日だった。その工事の段取りに目鼻がついたところで、韓国
に出かけたのだった。今年はこの工事のため、海外旅行は考えていなかったが、天か
ら降って来たお土産に敬意を表して、何とか日程をやりくりして韓国旅行が実現した。
韓国旅行は良い気分転換になった。ホテルもロッテ・ワールドという日本に似た居心地
の良い素敵なホテルで申し分なかった。ソウルは活気があり、みんな元気だ。治安も
良く、サービスも整っていた。私のご近所に住む友人が何回も訪れているのも何だかわ
かるような気がする。ソウルの印象は出かける前と後では全く違う。多分、懸賞が当た
らなければ、韓国に出かけることはなかったかもしれない。
韓国は国内旅行の感覚で気軽に行けるところだ。安く行けるし、食べ物はうまい、そして
可愛い女性がたくさんいる。私のチェジュウがあちこちにいる。お土産を交換した、あの
娘さんに、また、会いに行きたいな。