2013年10月03日  NO.459 「もみじまんじゅう」      
 10月を迎え、朝晩はやっと涼しくなってきた。夕方の5時を過ぎるとあっという間に
日が落ちて、あたりは瞬く間に暗くなる。夏の暑さにあんなに苦しんでいたのに、昼間
の時間が短くなると、妙に夏の明るさが恋しくなるものだ。人の気持ちなんて勝手な
ものだ。どこの畑もそうだったかもしれないが、今年はゴーヤがたくさん獲れた。まだ

最後のゴーヤが4つ実をつけている。最近、ワイフがそのゴーヤを入れてバナナ、リ
ンゴ、セロりなどを取り混ぜてジュースを作ってくれる。おかげで体の調子がすこぶる
良い。嬉しいね。
 先日、Erika で「秋の朗読のつどい」が開催された。大分、前から準備を進めてき

たが、たまたま数人の常連さんが同じ日にお孫さんの運動会や、個人的な用事と重
なり、参加ができないことがわかり、出席者の人数はどうなんだろうか?と気になって
いた。事前に声をかけた方々が顔を見せてくれて、ふたを開けてみたら定員いっぱい
の28人の方が聴きに来てくれた。

毎年、朗読の会に出演してくださる友人をはじめ、今回、ギターの演奏をしていただい
たご夫妻には感謝の念でいっぱいだ。
整然としたホールとは異なり、狭苦しい会場である、ここErikaの室内はいつも和やか
な空気が流れ、出演者とお客さんがいつの間にか一体となり、共に楽しんでいる姿を

見ていると、何とも言えない清々しい気分になる。休憩のコーヒータイムは迅速にや
らなければ、時間オーバーになってしまう。そんな時に何人かのお客さんが手伝って
くれる。本当に助かる。
無事、イベントが終わり出演者の皆さんとお茶をする。ほっとした気持ちでいろいろと

感想を語り合う。やがて片付けが終わり、どっこいしょとサンデッキの椅子に倒れこむ
ように座る。この時のワインの味がまた格別だ。一番喜んでいるのはこの私かもしれ
ない。参加された人の中にSさんがいた。80歳近い彼女は一人暮らしだ。娘さん夫婦
が車で10分で行ける町田市内に住んでいる。Sさんは出来る限り、娘さんたちの世話

にならないで暮らしていこうと思っている。たまたま公園で会ったときはデイサービス
の方と一緒だった。その時のSさんの姿はいかにも世話をしてもらっている、という感じ
がした。だが、今日の姿はどうだろう。連れの友人を案内するように生き生きした表情
でさっそうと現れた。公園で見かけたSさんとは全く別人の彼女がそこにいたのである。

「マスター、今日は楽しかった。この次の歌声、楽しみにしているよ。」 友人とかばい
あうようにして長い階段をゆっくりと確かめるようにして下りて行った。彼女は2日前に
病院の帰りだといってわざわざ我が家まで足を延ばしてくれた。下まで降りてゆくと小
さな紙袋を手渡してくれた。その日はあいにく、ワイフは山形大学の卒業生の会に出

かけ留守だった。私も自分の晩御飯の支度中だったので、下の門の所での立ち話だ
けで失礼してしまった。家に戻って小袋を開けてみると、広島の”もみじまんじゅう”が
3個入っていた。町田駅の小田急百貨店まで買いに行ってわざわざ我が家まで歩い
て持ってきてくれたのである。(3人でお茶をだったのかな・・)

Sさん!ありがとう!その夜、熱いお茶を入れて”もみじまんじゅう”を美味しくいただき
ました。        夜更けの室内は秋の香りが漂っていた。