2017年9月21日 NO.515 「台風一過、高尾山に行こう」      
 大型の台風18号は進路を北側に向かって通り過ぎて行った。東京は
夜中に雨が降り、翌朝は一面の青空。前日は、早めに買い物を済ませ
昼から一日中、家にこもっていたので「箱根にでも出かけない?」とワイ
フが誘ってきた。「うーん、また、箱根?」 5月に彫刻の森に泊りがけで

行ってきて間がなかった。「久しぶりに高尾山はどうだろう」ワイフが即
座にOKを出す。当日の天気予報によると、東京の最高気温は34度と
予想している。内心ビビっていたが、ワイフの即答にうろたえるわけにい
かない。高校で教師をしていた大学時代の友人が、最近、高尾山に週

に1回は行っている、と我が家に来て話していたのを思い出した。最近
外国人の人気スポットにもなっている。5年前に行った時は腰痛の出る
前で、上るというよりは歩いているうちに、頂上に出てしまったような気
がする。10時過ぎに我が家を出た。10時32分横浜線の快速に乗った

八王子で中央線に乗り換え、二つ目の高尾で京王線に乗り換え、高尾
山口駅に11時過ぎには到着していた。駅から歩いて、およそ1時間で
ケ−ブルカーの終点までたどり着き、そこで見晴らしの良い「11丁目茶
屋」という食事処に入った。店内は丁度お昼時で混み合っていたが、眺

めの良い場所をワイフが目ざとく見つけ、狭い場所に強引?に座った。
さすが頼りになる、わがワイフである。すると隣で食事をしていた若者が
サッと自分の椅子を動かして、広い空間を作ってくれた。その場所から
はるか遠くに高層ビルが見える。「あれは新宿のビルですかね?」「そ

うだと思います。」 先ほどの青年から丁寧な答えが返ってきた。二人
連れの若者は朝の5時過ぎに起きて、秋葉原と、赤坂からやってきた。
すでに頂上まで行って青空に映える富士山を見ながら、ゆっくりあたり
を歩き回ったという。話しているうちにすっかり打ち解けて会話が弾む。

私は自分の年齢を忘れていた。隣に座っていた青年が山形の長井高
校出身であることがわかると、ワイフが身を乗り出してきた。高尾山は
訪れる人の様子が箱根とは違う。小さな子供を連れた若い家族、夫婦
連れも年配者だけでなく中年のカップルも、一人で登山を楽し人も若い

女性・男性、年配の男性・女性、中には車いすを押して上る若い男性
など、街で見かける風景がそのまま高尾山では、いたるところで見られ
る。この雰囲気は私のお気に入りの空気だ。二人の若い男性と別れて
私たちはゆっくり頂上めがけて歩き始めた。

残念ながら頂上から富士山の姿を見ることは出来なかった。午後の2
時、既に湧き上がってくる雲にすっぽり覆われていた。「今日は高尾山
から富士山が見えるぞ!」 意気込んで出かけたのだが、富士山以上
の感動を貰ったような気がする。今度は5時に起きて来よう。あの若者
たちのように・・・・・