NO.548 「ステイホーム  2020年4月14日(火) 
    
 今、青空に映える市民の森のを眺めながらこの日記を綴っている。時々
鶯の声が聞こえる。お金をかけずに(タダで)この自然の美しさを満喫して
いる。私は新緑のこの時期が一番好きだ。夕方、近くの恩田川を散歩に
出ると、桜とハナミズキとモクレンが同時に咲いていた。町田では珍しい

光景である。この贅沢な散歩の愉しみ・・・お金は全くかからない。
 学生時代、仲間と山歩きをしたり、一人で駒沢公園をぶらぶら歩いたり
していたが、散歩を愉しむという気持ちまでは至っていなかった。
夕食を終えて、ひと休みしていたら、コンコンとドアーをたたく音がした。

「散歩しませんか?」フランクさん夫妻が立っていた。慌てて上着をひっか
けて外に出た。私が仮住まいしていた南ドイツの街中を4人でゆっくり歩く。
散歩をしている人がお互いに顔を合わせると、帽子を取って「こんばんは」
とにっこり笑って会釈する。7時を回っても空はまだ明るい。家に戻ると白

ワインが待っているのだ。私の散歩を愉しむ習慣はここから始まったような
気がする。新婚時代は田園都市線の鷺沼というところ住んでいた。ワイフ
と私は共働きだったので、共通の休みは日曜日。その日になるとお握りと
缶ビールを持参して、自宅の周辺を歩き回った。立ち並ぶ豪邸を眺めて

は「あの家の窓の形は素晴らしい」「この家の壁の色はイマイチだね」とふ
たりでささやきながら歩く。そして、近くの公園でビールを飲みながらお握
りを頬張る。愉しいひと時が過ぎてゆく。この習慣は町田に住んでからも
ずーっと続いる。

新型コロナウイルスの感染拡大で日本全体が今まで経験したことのない
状況に置かれている。ステイホームに戸惑っている人もたくさんいるだろ
う。その対応策は、それぞれの家庭環境、立場などで異なるのは当然だ。
誰かに何かをしてもらおうと思う前に自分の頭でよーく考えて、自分に合

った対応策をひねり出すことが大事ではないだろうか。気分転換はお金
がなくても、簡単にできる。材料はあちこちにゴロゴロころがっている。
収束を迎える日は必ずやってくる。長い人生で考えれば半年や一年は
若い人にとってはわずかな時間だ。ステイホームを大いに愉しもう。




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