NO.571「想い出の共有」 2021年12月21日(火)

 昨日の朝、庭の鉢受皿に溜まっていた水が氷になっ
ていた。北海道・東北は大雪。明日は冬至、本格的な
冬の始まりである。夕方の散歩の時間が早くなった。
最近は太陽が西の空にまだ残っている4時前に家を出る。

我が家から10分ぐらいで散歩コースになっている恩田
川に到着する。昨日は上流に向かって歩いた。寒いせ
いか人影はまばらだ。昼間、突然やってきた老婦人は
この道を通って隣駅の玉川学園まで歩いて帰ると言っ

ていた。「1時間で着きますから」「えっ!」今頃、家
でお茶を飲んでいるかな?Uターンして空を見上げた。
西の空に金星がクッキリ輝いている、そしてやや離れ
た左上に赤っぽい星が鮮やかに見える。木星である。

すでに太陽は沈み、薄明るい空にこの星が輝き始める
のである。散歩の愉しい瞬間だ。
 話題を先ほどの老婦人に戻そう。ワイフが庭の花の
世話をしていると我が家の前を通り過ぎて戻ってきた

夫人がもじもじしながら「あのー」と言って話しかけ
てきた。その方は玉川学園から電車に乗り町田まで
やってきて歩いて芹が谷公園まで来たという。そして
昔のことを思い出し我が家の前で立ち止まったのだ。

ワイフはしばらく話をしているうちに彼女の顔を思い
出したのである。一緒に散歩するご主人を3年前に亡く
し今は、そのご主人を心に抱きながら毎日、散歩を続
けているという。家の中に案内してカモミールを飲み

ながら、しばらくの間カフェテラスエリカをやってい
た時の話が次々に出てきた。彼女が帰られた後、ワイ
フがファイルを取り出して調べてみた。12年前にさか
のぼる。ご主人と「エリカの歌声喫茶」に彼女は何回

か来ていた。歌声に参加する方はほとんど近所の方で
ある。彼らは玉川学園なので私は毎回、電話で案内し
ていた。当時でもかなり年配だったので、次第に連絡
を控えるようにしていた。彼女は80歳は過ぎている。

お茶の先生をしていたが、コロナで休眠中となった。
それでも健康に気を付けご主人と続けていた散歩は欠
かせないという。私たちは一期一会の想い出を彼女と
共有し、パワーを頂いた。

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