NO.598「あら!甥っ子さん」 2024年1月5日(金)
2024年、元旦に、能登地震、翌日に羽田で航空
機の衝突事故が発生した。悲しいニュースにお正月気
分も何処かに行ってしまった。復旧作業が全力をあげ
て行われている。一日も早い復興を祈るばかりである。
近くの神社に初詣に行き被災者の健康をそして自分の
健康を祈願しやるせない気持ちで家に戻った。
家に閉じこもっていては身体によくない。さあ、今年
もしっかり散歩しなければ。夕方、まだ太陽が出てい
る時間に家を出た。いつもの恩田川に向かった。途中
顔見知りの友人に次々と会う。新年の挨拶を交わし、
お互いに肩を抱き合う。そう、イタリア人のようにね。
遠くから手を振って近づいて来る夫人がいた。S女史
である。彼女は私と同年齢で街の芸術家。今日は息子
さんと一緒だ。ここで嬉しいお話をしたい。
それはクリスマイブのあくる日のことでる。やはり夕
方の散歩の時だった。Sさんが杖をつきながら一人で
歩いていた。お互いに近い距離に来ると彼女はワイフ
に向かって「あら!今日は甥っ子さんと一緒」と話し
かけてきた。甥っ子?……誰の事だろう?「あら!ご
主人!」彼女は気軽に冗談をいう人ではない。ワイフ
が若い?男性と歩いている姿を見てそう思ったのであ
る。私は帽子とマスクを外して彼女に「私です。」と
ニッコリ会釈して丁寧にご挨拶した。彼女と別れた後
何とも言えない気分で歩いていた。脚の痛さもすっか
り忘れていた。
家に戻った私はワインを飲みながら青年のような嬉し
い気分で酔いしれていた。