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25.蔵王には行けなかったけれど・・・・  2008.8 


     
  山形の友人から電話がかかってきた。「今年はいつ来るの?」「うーん、ちょと旅行は
     無理みたい。」 毎年、夏になると東北に出かける。旅行中に必ず立ち寄る蔵王のヴァ
     ルトベルク、私たち3人の避暑地である。5月の誕生日を迎えた頃から愛犬エリカの心
     臓に異常が現れた。14歳。若い獣医さんは厳しい表情で病気の説明をする。これでエ

     リカと一緒の旅行も終わりだ、と思うと、気持ちがだんだんと重くなる。ところが7月に入
     ると体調が日ごとに良くなり、信じられないほど元気な行動を取るようになった。「エリカ
     と涼しいところに出かけましょう。」とワイフが意気込む。車で3時間が限度だと考えて、
     学生時代から何度も行っている八ヶ岳に急遽出かけることにした。相模湖インターから


     高速に入ると同時に滝のような雨が降ってきた。前の車のテールランプの赤が僅かに見
     えるだけだ。緊張の連続だった。小荒間につく頃には雨も上がり、以前、寄った手打ち蕎
     麦の店で蕎麦を食べる頃には日も差し込んできた。夕食の洋食コースにワイフは大満足
     2日目は外食を予定していたものの、彼女はすぐに、予定を変更して、次の日の夕食の
     

     分を予約した。コテージは古かったが、ゆったりとしていて、エリカも大満足だった。東北
     旅行では、エリカはいつも車の中で寝ていた。小さい頃からそういうものだと思っていたか
     ら、どうと言うことなく、旅を続けてきたが、もう、それは出来ない。私たちの顔が見えると
     ころで安心したようにすやすやとエリカは眠っている。2日目、八ヶ岳で牧場をしている友
    

     人のところへ寄った。学生時代、,毎日のように絞りたての牛乳をご馳走になった。新婚間
     もない彼は逞しかった。今,70歳に彼はなる。「あと,3年で牧場をやめようと思っている」彼
     は寂しそうに笑った。周りはすっかり、リゾート化して、まったく様変わりてしまったが、彼
     のところだけは昔の風景そのままである。「いやー懐かしいね。また,寄ってください」 彼は

     日焼けした太い逞しい手を差し出した。ぶどうとモモをお土産にいただいた。 今回は短い
     旅立ったけれど、思い出に残る旅でもあった。蔵王はどうなっているのかな?・・・・
     元気なエリカの姿を見せたかったな。    
 楽しい思い出           






いつの間にか昔のエリカに戻っていた。食事が
終わるまで、ママのテーブルから一歩も離れない
「伏せ」 などと言う言葉はとっくに忘れている。
  (ワンワンパラダイスのレストラン)
 
さあーご褒美よ、あなたの好きなソフトクリーム
暑かったもん・・・・(フィオーレ小淵沢)
お父さんは蚊帳の外、苦笑いするしかない
じゃないか。(八ヶ岳アウトレット)
こんな記念写真を三人で撮る事が出来るなんて考え
てもいなかった。蔵王には行けなかったが、楽しいひ
と時を過ごすことが出来た。 (八ヶ岳アウトレット)

八ヶ岳・小荒間(三分一湧水)
八ヶ岳・小荒間(三分一湧水)
  
  
小淵沢・フィオーレ小淵沢(前方に南アルプスが見える)
フィオーレ小淵沢(ゆりの香りに、心も軽やか)