45.印象に残る旅行   ロシアの旅(クラブツーリズム) 2012.8
   
      先日、ロシア9日間の旅に参加した。出かける前にパソコンでモスクワとサンクトペテルブルク
   の長期天気予報を見たら、ほとんど雨で気温も低い数字が出ていた。ところが旅の9日間中、雨
   の日は一日だけで、その雨の日はほとんどエルミタージュ美術館の中にいたので、天気には恵
   まれた。ペテルブルクは一年の六分の一は雨の日、と現地のガイドさんが言っていたのでラッキ

   ーだった。ペテルブルグは一言でいうと絢爛豪華、金ピカピカに光り輝くスケールの大きい宮殿、
   寺院、庭園が程よく立ち並ぶ、観光地としてバランスのとれたところだ。詳しいことはテレビや観
   光雑誌に事細かに出ているので、そちらに譲った方が間違いがない。もともと私の旅の関心事は
   世界遺産を駆け巡り、カメラでパチパチ撮りまくることではない。今回は団体旅行だったから勝手

   に動き回ることはできなかったけれども、それでも結構、思い出に残る出来事があった。旅の最
   終の前日、ベテランの女性ツアーコンダクターがバスの中で、トラベルはトラブルと重なることも
   ある、そんなことも一種の旅の楽しみ方ではないだろうか?と語っていた。同感だ、と感心して聞
   いていた。やがて夕食の時間が近づいてきた。バスが其の日の食事会場になっていたレストラン

   の前に止まった時、突然、夕立が襲ってきた。みんな逃げ込むように、半地下のレストランに降り
   て行った。旅行中の最後の夕食、つまり、最後の晩餐である。一つのコーナーの7つのテーブル
   にそれぞれ座り、ビールやワインで乾杯し、野菜サラダを食べ始めた。それは食べ終わる頃だっ
   た。突然、隣のテーブルの真上にある天井から勢いよく水が噴き出してきた。食事会場は騒然と

   なった。とっさに動き回り、バケツを片手にウェイトレスにロシア語で指示を飛ばしていたのはわれ
   われの旅を担当している女性のツアーコンダクターだった。てきぱきと日本人全員を別のコーナー
   に誘導し、店の支配人にサラダをもう一度出し直させ、メインディッシュを遅れないように手配した。
   その素早い行動に感心してしまった。旅から戻って写真などを整理していると、このシーンが一番

   記憶の中に鮮明に残っている。あくる日、バスの中で彼女はこう締めくくった。「みなさん、昨日は
   本当に申し訳ありませんでした。私も長い間コンダクターをやってきましたが、昨夜のような出来事
   は初めてです。レストランの支配人は何か日本の皆さんに差し上げたい、と言いましたが、日本の
   皆さんは優しいですから、気持ちだけ伝えます、と言いましたら、それでは困ります。・・・・・・」

   彼女は支配人から渡された板チョコレートを配り始めた。私はその場でチョコレートの封を切って口
   に放り込んだ。その味はことのほか甘かった。  ツアーコンダクターのお名前は原田優美子さん


        
旅の前半はサンクトペテルブルク、同じホテルに連続4泊はゆっくりできて良かった。真ん中で
    古都、スズダリがアクセントになり、最後にモスクワと、日程的に大変良かった。思いもかけず
    ルノアール、ドガ、マネ、モネ、ピカソ、モジリアニ
ブルーゲル、アンリ・ルソー、レオナルド・
    ダ・ヴィンチなどの絵
画を間近に見ることが出来た。 とにかく楽しかった。写真26枚 ↓

          

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