デジタルプリント版画とは・・・ (2010/8 一部変更)


 版画は「版を作り、絵具等を刷り重ねて」作りますが、使う材料や技法により、木版、銅版、リトグラフ、シルクスクリーンなど、いろいろな種類があります。

 ここで紹介するのは、「デジタルプリント」と呼ばれる新しい版画技法の一つで、版から刷りまでを一貫してデジタル技術を使って制作する技法です。

 すなわち、写真や、手描きの絵などをスキャナーで読み込んだりして、デジタル処理をしながらパソコンの中に「版」を作ります。
これらの版を重ねた画像をモニター画面で見ながら調整し、インクジェットプリンターで印刷して作品を作ります。

 このやり方は、版の位置合わせが正確であること、結果を見ながら個別の版の調整が出来ることなど・・・数々の特長がありますが、まだまだ発展途上であり、大きな可能性のある技法だと思っています。

 近年デジタルプリントの単調さを避け深みのある質感出すため、デジタルプリントと、木版画や木版リトグラフを導入する手法の導入を試み、それぞれの特長を生かすことで、デジタルの精緻な描写力の中に、木版などの温かみを融合させた「ミックストメディア作品」を作ってきました。

 最近ではこれを更に進め、木版などを摺った後にスキャンしてレイヤーに取り込むことで、木版部分にもデジタル処理を施すことが出来るようになり、全デジタルデータからなる「木版テイストのデジタルプリント作品」に進化させてきました。

 表現の幅が更に広がったと考えており、積極的に進めるつもりです。

 手探りで進めて来て10年余になりましたが、デジタル技術を活用して版画等のアート作品を作る取組みは、実に多種多様であり、独自で進めて来た上記の方法も一例に過ぎません。
 昨年からは、幸運にも「日本デジタルアート協会」の設立に参画できましたので、同好の士と共にアート作品の創造を目指して努めて行きたいと考えております。




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