デジタルプリント版画とは・・・ (2010/12 一部変更)


 版画は「版を作り、絵具等を摺り重ねて」作りますが、使う材料や技法により、木版、銅版、リトグラフ、シルクスクリーンなど、いろいろな種類があります。

 ここで紹介する「デジタルプリント」は版画技法の一つで、版の制作にデジタル技術を使い、摺りはデジタルプリンターを使って出力する技法です。

 すなわち、写真や、手描きの絵などをスキャナーで読み込んだりして、デジタル処理をしながらパソコンの中に「版」を作ります。
これらの版を重ねた画像をモニター画面で見ながら調整し、インクジェットプリンターで印刷して作品を作ります。

 このやり方は、版の位置合わせが正確で、結果を確認しながら個別の版の調整が出来ることなど・・・数々の利便性がありますが、それ以上に工夫如何で個性的な表現が出来る可能性を持つ技法だと考えております。

 近年デジタルプリントのマチエールの単調さを避け深みのある質感出すため、デジタルプリントと、木版画や木版リトグラフを併用する手法を試み、それぞれの特長を生かすことで、デジタルの精緻な描写力の中に、木版などの温かみを融合させた「ミックストメディア作品」を作ってきました。

 最近ではこれを更に進め、一度木版などを摺った後にスキャンしてレイヤーとして取り込むことで、木版部分にもデジタル処理を施すことが可能で、全てデジタルデータからなる「独特のマチエールを持つ木版テイストのデジタルプリント作品」に進化させてきました。

 独自のマチエールを得たことで、個性的な表現の端緒を掴んだと考えており、更に積極的に進めてゆくつもりです。

 手探りで進めて来て12年になりましたが、デジタル技術を活用して版画等のアート作品を作る取組みは、実に多種多様であり、独自で進めて来た上記の方法も一例に過ぎません。
 2009年「日本デジタルアート協会」の設立に参画しましたが、同好の士と共にそれぞれ競い合って、個性的なアート作品の創造を目指して努力して行きたいと考えております。




  戻る