スマイルと新社会人

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スマイルの歌詞は、ベイビーが彼女に宛てた歌というのが大勢の見方だが、
当研究所では、別の解釈をしてみたいと思う。

ホフディラン、とりわけベイビーは、その甘い歌詞と声から、若年向けの
タイアップが多数あるのだが、この「スマイル」もアニメこち亀の初代
エンディングテーマとして、ホフディランの名前を世に広めるのに役立った。
<参考資料:こち亀エンディング(You Tube)
スマイル

しかし、その歌詞を読み返すと、すぐに単なる甘い歌詞ではなく、
ベイビー独特の毒に満ちていることに気づく。

では、この「スマイル」はどうだろうか。
結びの「子供じゃないならね」や、「人間なんかそれほどキレイじゃないから」など、
やはり、一筋縄ではいかない歌詞が続く。

今回、当研究所では、この歌詞を「新社会人」に宛てているという仮説を提唱する。
そうすることによって、ほとんどの歌詞の意味が通り、最後の「子供じゃないならね」という
歌詞が、鋭い切れ味を見せるようになると考える。
それでは、各段ごとの解釈をしていきたい。

第1段:
なんでもない顔してでかけりゃいいのさ
社会人が最も憂鬱になるのは出社するときであり、笑顔が失われやすいときに
出かける背中を後押ししようとする歌の基本姿勢がこめられている。

第2段:
キミは悪くないよ
社会には、理不尽なことも多々あり、自分に非がなくとも謗りを受けることがある。
そして、そのようなことは往々にしてあることだから、気にしてはいけないと慰めている。
(と同時に、しばしば新社会人である「キミ」には非が多少なりともあり、
周りのせいにする甘えを揶揄している。)
※第5段の「心配はいらないよ」と対応する位置にあることから、批判的意味は
ないという考え方もある。

第3段:
深刻ぶった女はキレイじゃないから
男性の場合は、置換して考えたいところだが、深刻ぶっていることは、
まったく美しいことではないし、周りにも本人にも悪影響を及ぼすことを
客観的に見、早く知ってほしいという思いで、叱責していて、子供じゃないならね、と
早く大人としての自覚を促している。

第4段:
こんな時は努力が必要さ
努力、そう、誰も最初から自然とスマイルしていたわけではない。
努力して大きくなったのだと、やはり自覚を促す。

第5段:
心配はいらないよ
今までの段で散々大人の世界の厳しさを説いてきて、聴き手が疲弊したところで
その不安を理解する、ベイビーの親心である。

第6段:
完璧なんかでいられるわけがないだろう
倒置法が多用されるスマイルにあって、結びに当たる3、6、8段の意味は
結論に近いと思われる。この文もその一つで、どんな人でも失敗をする。
ましてや若いキミだから。肩の力を抜かせてくれる一文。

第8段:
人間なんかそれほどキレイじゃないから
散々「キミ」を叱咤しているベイビーだが、最後に与える文で、世の中の真理を
鋭く指摘する部分となった。結局は矛盾だらけの世の中。それを目の当たりにしたときこそ、
「すぐスマイルするべき」なのだ。子供じゃないなら。


歌詞研究所
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