第4回『多摩川レコード その3』2010.2.25
忌野清志郎からさんざん変えろといわれたという、そもそものバンド名自体がそうであるように、ホフディランには「なぜそうなのか?」と、疑問を呈したくなるが全く意味不明なものが多い。それは考えても結論が出るようなものでもない。
なぜ渡辺君は現実から何とか逃れたいという歌をたくさん作るのか。なぜユウヒはビールを飲んで、次の日にはベッドで辛そうにする歌をたくさん作るのか。考えても結論は出そうにない。面白いからいいんだけどね。
そんな中、ユウヒがビールを飲んでしかも次の日に辛くならない歌が2曲ある。ひとつは『ユウヒビール』のゴーストトラック「ユウヒビール」、もうひとつは本作『多摩川レコード』のゴーストトラック「サッポロちゃん」である。ところで、アルバムユウヒビールのゴーストトラックは、40分もあるんだからそもそも本編だろうと言う意見には私も概ね賛同するが、その議論は後日に譲ることにする。奇しくも、素直にビールを飲むと言う2曲はともにゴーストトラックであった。
このサッポロちゃんという曲は、スポンサーの都合でたまに一部歌詞が歌えないこともあるが、ホフの2人がライブで毎回のように歌っているのと同様、筆者もかなり好きな曲である。この曲の特徴はいくつかあるが、第一に、唯一ベイビーとユウヒが完全に対等で、対称なボーカルであることだ。一番は渡辺君、二番はユウヒ、三番は両者だ。第二に、数少ない共作で、唯一の小宮山作詞・渡辺作曲の組み合わせである。筆者は、ユウヒの独特のビールセンスと、ベイビーの当時のほのぼのした曲調の両者の特徴が良く出ていると思う。渡辺君もこの曲の出来は気に入っているらしく、ホフの活動が実質的に滞った99年にソロで「ヒツジ」として曲を完全再利用している。当時はユウヒが実質渡辺君を入れずにユウヒーズを展開していたこともあり、それに対してのソロの中でこの曲を見つけたときはぐっと来たものである。君に会いたくなるはずだよね、がせつないね。この議論も筆者にそのころまでレビューを続ける気力があったら書いておきたいものである。
そして、多摩川レコードのゴーストと言えば、忘れてはならないもう2曲がある。なぜ阪神タイガースの歌を2曲も作ったのか。なぜなんだろうなあ。
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