ホフディラン アルバムレビュー(第10回)

『WASHINGTON, C.D. その4』2011.1.16

CDは地球に優しいくないのか?


 アルバムタイトルが『ワシントンCD』なだけに、最初の曲は『Compact Disc』である。実にホフディランらしいユーモアである。ちなみに、同時期に発売されたアナログ版『United Songs of Analogue』(略すと、USAとなる!)の最初の曲は、『レコード針からコンニチワ』である。ついでながら、「Analogue」は、英国の英語である。米国式の英語だと、「Analog」と綴るべきだろう。USAについては、記すべきことが多すぎるので、議論は後日に譲る。

 では、本題。
 Compact Disc(以下、CD)について。
 CDは、言うまでもなく、直径12cmもしくは8cmの円盤状の記録媒体である。ワシントンCDの当時、アルバムは12cm、シングルは8cmという固定観念があったが、近年は、ほとんどが12cmである。ホフも、『極楽はどこだ』から本格的に12cmシングルとなった(*1)。当時はマキシと呼んでいたように思う。

 CDの主な材質は、ポリカーボネート樹脂だ。Wikipediaなどによると、リサイクルしにくい素材らしい。ソニーなどは、CDを再生利用しているようだが、総量が書かれていないし、現に再利用が定着しているとは言いがたい。すなわち、
「Compact Discは再利用できないらしい」
というのは、概ね正しいと言えるだろう。

 CDは、燃えるごみか、燃えないごみか。結論は、自治体の焼却炉の性能によって分かれる。高温に耐えられる焼却炉の場合、プラスチックを燃やしても大丈夫らしい。この数年で、CDを燃やせる自治体も増えた。すなわち、
「Compact Discは燃やしたりできないらしい」
 というのは、今であれば正しくない。だが、本作がリリースされたのは1997年である。当時は、焼却炉の基準が今よりも緩く、プラスチックは当然燃えないごみとされていた。時代の変化を感じさせるフレーズである。

 時代は、変わりつつある。かつて、ヒット曲が軒並みミリオンセラーとなった時代もあったが、今やCDが売れるのは嵐と某握手会のオマケだけだ。多くはネットや携帯で配信される時代である。その意味では、ワシントンCDという作品そのものが、時代を感じさせるようになってきた。ホフディランファンも歳をとるはずである。

*1 『学園白書』は、当時では珍しく「マキシ」であった。




WASHINGTON, C.D.




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