概要
一般的に、GP-IBインタフェースを使用して計測器を制御する場合には、
[パソコン+GP-IBボード]をコントローラとしてシステムを構築しますが、
簡易GP-IBコントローラを使用する場合には、簡易GP-IBコントローラ自身
がコントローラとなります。
簡易GP-IBコントローラには、あらかじめコマンドファイル(制御したい内容
を記述したファイル)をパソコンからダウンロードしておいて使用します。
このコマンドファイルの内容はラベルとコマンドで構成されています。
コマンドはGP-IB機器とのデータのやり取りや環境設定を指示するもので、
ラベルはそれを実行するタイミング(スタート時、終了時、ボタン押下時、
タイムインターバル時)を示しています。
簡易GP-IBコントローラは、それぞれのタイミングに対応したラベル以下に
記述されたコマンドを上から順に実行していくだけなので、条件判断や
繰り返し処理など複雑なことはできませんが、少数のコマンドとラベルの
内容を把握するだけで、パソコンの制御プログラムを必要とせずにGP-IB機器
を制御することができます。
その他の特徴を以下にまとめます。
- 計測器から送られてくる計測データを400レコードまで蓄えることが
できる。16文字までの文字列データを1項目として、4項目で1レコード
を構成する。
- タイムインターバルを設定し、タイマーとして起動することによりデー
タロガーのように使用することができる。
- RS232Cでパソコンと接続すると、パソコンからGP-IB機器を制御す
ることが可能となる。この機能は本来、Windows付属のハイパーターミナルを
利用してコマンドの動作確認を行うために付加したものだったのですが、パソ
コンを使用した自動制御に応用することもできます。
- バイナリーデータの送受信には対応していない。
- サービスリクエストへの応答はできない。
- パラレルポールは実行できない。
- データバスのモニタ機能がついている。
簡単な制御を簡単な準備で実現することを目的に考えたため、また、ソフトウェア
の開発が多大になってしまうためC〜Eについては対応しませんでした。