粕谷の年中行事

粕谷のしきたり

☆三つ目の牡丹餅   その家に、出産や嫁入りで人が増えたら3日目に牡丹餅を配る
☆親戚や村内でその歳に子が生まれたら男の子には破魔弓・女の子には羽子板を贈る
☆9日餅(くんちもち)は搗かない(12月29日には餅搗きをしない)
☆門松・注連縄は一夜飾りはいけない
☆縁談・結婚式の案内状等「三月越し(三ヶ月にまたがる)」はいけない

◎神社中祭礼は正月・五月・九月です。
これは「魏略 逸文 その俗正歳四節を知らず、ただ春耕秋収をはかり年紀となす」に
関係しているのではないかと思われます。春耕→五月・秋収→九月 春と秋にお祭りをする。
今は五月雹祭り・九月風祭をしています。正月→正月で時代が下がっていると思われます。

◎神無月(日本中の神様が出雲へ)
歴史家の古田武彦氏によると対馬の「あまてる」神社の神様はナンバー2なので一番最後に出雲へ行って
一番初めに帰って来るそうです。このナンバー2が出雲に國譲りを迫り
出雲王朝(出雲大社)→九州王朝(大宰府)→大和王朝(伊勢神宮)
という流れにになったと思われます。この出雲王朝時代の風習が現在も神無月と言う「荒神様の御立ち」で
粕谷では、行われています。

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1月1日      元旦・神社元旦祭
1月1日〜3日  男が朝食(雑煮)の準備をする。
1月7日      七草粥(せり・なずな・ごぎょう・はこべ・ほとけのざ・すずな・すずしろ)
1月11日     蔵開き(おしるこ----正月の鏡餅を崩して焼いて入れる)
1月14日     塞の神(外からの悪神・疫神を塞ぐ)(どんど焼----古いお札を燃やす。竿の先に餅を刺して焼く)
1月15日     薮入り(嫁や奉公人が新年の挨拶に実家へ帰る・暇が出る)
1月15日     小豆粥(餅を入れる)
1月15日     繭玉(木の枝に団子やみかんを刺し繭の豊産を祈る)
1月16日     閻魔さま(新年のお墓参りに行く)小豆飯を炊く・薮入り奉公人に暇が出る
1月18日     15日の小豆粥を残しておいてこの日に食べる・虫刺され防止
1月20日     恵比寿講(自宅に祀られている恵比寿様のお祭り)
2月節分     豆まき・柊の葉・鰯の頭を門口に飾る・年越し蕎麦を食べる
2月初午     自宅のお稲荷さんのお祭り
2月25日     梅若(梅の実の豊作祈願・農作業は休み)
3月3日      雛祭り
3月彼岸     お墓参り(入り・こわ飯(赤飯)-中日・牡丹餅‐明け・団子を仏壇に供える)
4月8日      花祭り・潅仏会(お寺で甘茶を貰う)
4月初寅     雹祭り神社ご祈祷
           雨乞い   雨が降らないと伊勢原の大山阿夫利神社(雨降山大山寺)へ行き、水を貰い
           粕谷の田川の大川で雨乞いをする。ふんどし一丁になり「さんげさんげ」と水をかけ合う
5月5日      端午の節句(菖蒲湯に入る)
6月1日      鮎漁(農作業は休み)
7月7日      七夕(終わった竹飾りは川に流す)
7月13日〜15日 お盆(自宅に精霊棚を作り先祖をお迎えする。送り火は15日深夜)
7月16日     薮入り・閻魔講・お墓参り(お盆中は先祖は家に来てるので、お墓参りはしない)
7月23日〜25日 3日正月(麦刈り・棒打ち・脱穀等終わらせ、農作業を休む・嫁に暇が出る)
8月8日      大山講(伊勢原大山阿夫利神社代参(2名)参拝)
8月28日     風祭神社ご祈祷(210日を控えて風の被害無きを祈る)
9月十五夜    お月見(子等が縁先のお供え物(蚕の桑摘みのかごをふせてその上においてある)を盗みに行く)
9月彼岸     お墓参り(春彼岸と同じ)
10月十三夜   お月見(十五夜の日に家にいなかったらこの日も外泊する・片月見--片付く身--死ぬ)
10月十三夜   月待ちお日待ち(月の出・日の出を待つ)
10月30日    荒神様の御立ち(日本中の荒神様(地元の神様)が出雲に集まるので縁結びをお願いする)
11月15日    753(しちごさん)氏神様にお参りして皆が待っている境内でみかんや餅を撒く
11月20日    恵比寿講
11月30日    荒神様のお帰り(荒神様が出雲からお帰りになる・お蕎麦)
12月4日     大師粥(小豆粥)
12月14日    大師粥(小豆粥)
12月15日    秋あがり(収穫が終わり、嫁がなまぐさ物を持って、里帰りをする)
12月24日    大師粥(小豆粥)
12月31日    大晦日・晦日祓い(神社から授与された幣で家中を祓う・穢れた幣は辻に置く・年越し蕎麦)

以上、戦前の行事ですが、農作業関連の行事以外の行事は、現在も一部の家では行われています。