雑記帳(平成20年6月分)

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エネルギー問題  20/06/28(土)
 作家真山仁さんといえば、投資ファンドの非情さをえがいたNHKドラマ『ハゲタカ』の原作者だ。いま、この人が真正面からエネルギー問題を採りあげた朝日文庫『マグマ』をゆっくり読んでいる。この長編小説は2006年の作品である。

主人公の野上妙子は東京大学教養学部を卒業した美人で、外資系ハゲタカファンドに就職した。休暇のあと、地熱発電の会社再建のために社長として派遣される。妙子はエネルギー問題を何も知らないので初歩からまなんでいくのだった。本文161ページを転記する。

「考えられるとしたら石油の値段だろうね」/また、意外な話が出てきた。/「今、幾らか知っているかね」/「すみません、ここ数日、新聞読む暇もなくて」/「1バーレル60ドルを超えた」/去年は35ドル程だったはずだ。/「中国やインドの経済成長の影響だそうだね……」

2008年の現在をみごとに予測しているといいたいが、資源争奪戦がとっくに始まっているのは誰でも知っている。中国やインドだけでなく世界中がものすごい勢いでエネルギーを食いつくそうとしているのも、はっきりわかっている。だけど本気で考えたくない。

福田総理、エネルギー問題は早急に手をつけないと、我が国は大変なことになります。えっ、そうなの。知らなかったよ。そういう大事な問題は、次の内閣がしっかり解決するのが望ましいのかな。うーん、どうなんだろうね。ところで、もう昼飯は食ったかい?

 

裁判員制度の本  20/06/26(木)
 すっかり忘れていたが、先日「年金特別便」が届いた。

 来年から裁判員制度がはじまるというけど、なんだか話がややこしくてわかりにくい。興味のある人には島田荘司『21世紀本格宣言』講談社文庫をお薦めしたい。

この本の26ページから33ページ、400ページから414ページにかけて陪審制度と参審制度それに三審制度の比較、それぞれの長所短所が一般向けに書かれている。著者はアメリカ在住の推理作家だが、冤罪事件の被害者を救う活動もしているという。

陪審員は書面をみて判断するのじゃなくて、法廷での訊問のようすから事実関係を判断する。だから職業裁判官だけの場合にくらべ、自白調書偏重という弊害からまぬがれる。裁判員制度も似た効果が期待されるのだろうか。

裁判員制度の解説本は、ほかにいくらでもあることは無論知っている。ただ『21世紀本格宣言』は2000年から2001年にかけて書かれたものなので、批判のためとか逆に推進キャンペーンのように始めから結論を用意した文章ではないから、それだけ公平だといえる。

 

用語集のこと  20/06/23(月)
 和歌の用語集を少しいじった。歴史用語もそうだが、しろうとが作っている用語集は、信頼性で見劣りがするから、読む人はほとんどいないだろう。

このホームページでは自己満足あるいは備忘録として書いている。あまり詳しく説明してもしょうがない事項は簡単な文章ですませている。

歴史では、江戸時代をとおして米1石は金1両だと換算された。ところが金貨の質はだんだん悪くなった。

1両は現在の貨幣価値でいくらになるかという基本的な知識は、専門家でもあやふやだ。米価を基準にするとしても米価は政治が介入しすぎており、国際価格とかけ離れているから。

あじさいの花

 歴史ではもうひとつ大きな謎がある。ドラマ「暴れん坊将軍」で徳川吉宗は、なぜか姫路城内をうろついていた。江戸時代の征夷大将軍は、記憶に誤りがなければ江戸城に住んでいたはずだ。私はなにか思い違いをしているのだろうか。うーむ。

 さて、あじさいの花を描いた。明るい色彩にしたつもりだったが、思ったよりも暗くなった。慣れた人ならば、仕上がりまで考えたうえで筆をとる。でも私はやってみないと見当がつかない。

 

説明責任について  20/06/18(水)
 災害が起こると、マスコミはどこにでも取材に出かける。これが仕事といえばそうなんだが、救助活動のじゃまをして欲しくない。ましてや被害者にマイクを突きつけて「今の心境は?」と質問する非常識さは感心しない。人の迷惑を考えたいものだ。

 夕方になって、消防車がサイレンをけたたましく鳴らしながらやって来た。そしてすぐ近所に止まった。おっ、火事か! 道徳問題で憤慨している場合ではない。私はすぐに飛びだした。

ところが火事じゃない。消防士たちはのんきな顔で、はしごをゆっくり伸ばしている。ご近所さんも集まったので「なんだかよくわからないねえ」と話し合った。小学生も不満をもらしている。こんな時、消防署は野次馬のために状況をきちんと説明する義務がある。

 

地震の被災地  20/06/15(日)
 下の写真は昨日の岩手・宮城内陸地震で宮城県栗原市の被災地で、斜面が崩れている。遠方に荒砥沢ダムがあって、その手前の杉林は30メートルほど陥落して崖ができている。
宮城県栗原市の被災地 アスファルト舗装道路は原形をとどめないくらいに寸断されている。

 ほかの報道写真と見くらべると、この辺りを中心にした直径2キロほどのゆるやかな傾斜地がごっそりずれてしまった。

地震前までは崖地などなくて、あたり一帯はうっそうとした森林になっていたと思う。

地震の規模はマグニチュード7.2といわれてもピンとこないが、写真のように風景を一変させる巨大なエネルギーのことらしい。

 

相談所  20/06/14(土)
 今月8日、東京秋葉原で起こった無差別殺傷事件について、マスコミはさかんに報道している。犯罪にいたる経緯や犯人の性格分析、周囲の人の証言など思いつくかぎりを書いている。犯人は自動車工場への派遣社員だったので、雇用に不安を持っていたことも報じられている。

しかし、震度6の岩手・宮城内陸地震が発生したので、マスコミは無差別殺傷事件どころではなくなり災害報道に追われている。いうまでもなく犯罪よりも災害のほうが重要だ。

 秋葉原の件で政治はいろんな対策を検討するだろうが、犯人のような異常な心理になった時に、相談できる機関をつくるのが大事だ。犯人は判断力をなくしたから凶行に走った。相談機関と似たものはすでにあるだろうが、少なくとも犯人は存在を知らなかった。

浅田次郎「つばさよつばさ」と鯨統一郎「ニライカナイの語り部」を読んだがつまらなかった。売れっ子作家でも常にホームランを打てるはずがない。この2冊は作者にとって空振り三振だろう。

 

赤丸  20/06/13(金)
 あいかわらず松尾芭蕉のページをいじっている。芭蕉といえば「奥の細道」であり、一般的な感覚では他はどうでもいい。「桃青三百韻」という本や「あら何共なきやのふは過て河豚汁」という俳句に関心をもつ人がいったい何人いるだろうか。

図書館で借りた推理小説を読み終えた。はじめに登場人物の一覧が載っているから、犯人を赤丸で囲んで返すことにした。そうすると、つぎに読む人は、犯人はだれなのかと悩まなくてすむ。私はとても親切な人間だと自負している。

 

政治の反応  20/06/10(火)
 毎日いろんな事件が起こって、身辺やマスコミではそれぞれに驚いたりあきれたりする。報道各社は、事件翌日には被害者の氏名年齢と経歴それに写真まで入手して、よせばいいのに遺族に話をさせる。

東京秋葉原で日曜日に起こった無差別殺傷事件は死者7人、重軽傷10人だった。すでに世界的なニュースになったようなので、ここでは事件のこまかい事は書かないが、政府の反応に興味をもった。

官房長官は記者会見で、銃刀法の規制を強化すべきだといった。警察の大親分、国家公安委員長は正反対に、銃刀法の運用は慎重にすべきだといってお茶を濁した。政治家は世間の反応を気にするから、どっちに転んでも批判されないように計算したのだろう。

 だけど、刃渡り15センチ以上の小刀はダメとかいった発想はあまりにも単純すぎる。刃物をふりまわすのは原因ではなくて結果だ。刃物が悪いのならば、刃物をあつかう職業は犯罪者の温床なんだろうか。

 さて、読書感想文では「漱石と倫敦ミイラ殺人事件」という推理小説の感想をアップしたので、ついでに漱石の小説を読もうかなと思った。しかし、有名すぎるほどの小説家だが漱石文学はどこまでも暗い。感動して気分が高揚する作品は見当たらない。

 

評価されない作家  20/06/07(土)
 今朝の産経新聞第1面では、テレビ朝日が朝日新聞の大株主になったことを採りあげている。朝日新聞は創業家が経営の実権をにぎっているのが問題らしいが、トップ記事になるような話題ではない。だけど産経にとって不倶戴天の敵、朝日がやることはすべて気に入らないのだ。

私にとってのトップ記事は、作家氷室冴子さんが肺ガンで亡くなったことだ。享年51。きちんと評価されないまま忘れられていくのだろう。その反面、芥川賞につながりそうな文芸作品は中味がなくて、ちっとも面白くないのに過大に評価される。これが世の習いか。 

氷室冴子さん 氷室さんのエッセイによると、脂がのりきっていた時期は、少女向け小説を書いているというだけの理由で軽くみられていたようだ。

人生に付け足しや準備の時期などない。どの年代だって重要でかけがえがない。少女は成人男子よりも人間として劣るだろうか。

欧米の作家が氷室さんを再評価してくれれば、日本の批評家もあわてて作品を読んで絶賛するだろう。

 このサイトでは3年ぶりに松尾芭蕉のページの画像を増やしたり、文章を見直したりしている。うつ病がしだいに過去形になるにつれて気力がよみがえっている。とはいえ、あせると後戻りするおそれが多分にあるから、慎重にかまえている。

 

トマト栽培  20/06/05(木)
 庭でミニトマトを栽培している。栽培といっても、特別に手間をかけているのではなくて、気まぐれに水を掛けているだけだ。たまには液体肥料をまぜて散水している。少しは実がついているようなので、これから真夏に向かって楽しみだ。

ミニトマトの栽培

 下に赤い花が咲いているが、これは、えーと、何の花だったか。トマトは黄色い花だが、小さすぎて画像には映っていない。右端の菊はもう5年前から枯れないので、常緑植物になってしまった。

 

不調  20/06/02(月)
 朝食後ほぼ1時間にわたって胸が痛くなり、じっとしていた。狭心症ではなくてパニック障害の症状のひとつだ。神経の働きがうまくいっていないのが原因であって、命にかかわる病気ではない。だから症状がおさまるとのんきにしている。この病気はそのうち治るだろう。

かぜや腹痛とちがって、慣れない病気では、もう駄目だとあきらめると治らない。気持ちが体調に影響をあたえ、おとろえてしまう。これとは逆に、75歳の三浦雄一郎さんがエベレスト山登頂に成功したのは気力があるからだ。

それにしても、かぜや腹痛はだれでも経験する病気なので、症状は身に覚えがあり、「大丈夫か」と心配することができる。ところがパニック障害はめったに見かけない病気なので、症状を訴えられてもなかなか理解できない。想像力がなければ他人に冷淡になれる。

 しかし他人さまから同情されたくない。家に閉じこもって気を引くなんてまっぴら御免だ。「君は仮病じゃないか」と疑われるほど元気に出歩いている。

 
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