ALS患者として

なぜこの世の中に生きているんだろう。

死のむこうに何があるんだろう。
けっして死ぬが怖いんじゃない。

何がむこうに逝かせて刳れないんだろう。
神か仏がまだ刳るなと言っているのか。

まだこの世でやらなければいけない、
仕事が俺に残っているのか。

生きている者必ず死ぬもの、
それを悟る難しさ。

自分は死という言葉に
無縁と思い込んでいる愚かさ。

この世に姓を受けてから
死と向かい合わせにいる現実を判らない愚かさ。

人間は偉大なり
でもその小ささが解らない空しさ。

家族の愛

 この頃、家族で出かけることが少なくなった。

私が、外出しない訳でもない。

そんなに私と歩きたくないのかと思ってしまう。

長女は、今13歳今季中学に入る多感な時期を迎え父親をどの様に見ているのか。

子供に対してどの様に接していいのか解らない。

頑固親父で云おうと思う心が、つい、甘い顔を見せてしまう俺がいる。『ナサケナイ』