2002.01.29

トマトジュース

トマトジュース

冷たい容器に入った
トマトジュース
のどを通り過ぎると言う事だけで
忘れたものを
一遍の詩として
思い出す

いや思い出すのではない
忘れてしまったものが
あるのでないのだから

さっぱりしたものを
ほしがる
今の疲れの中で
飲んだと言う事だけで
言いえてしまうものを
私が
<もの>として思いたっかったからこそ
ふと芽生えたものなのだろう

飲み干したと言う事で
グラスの底に残るように
確かに疲れたものを
ときぼぐすのだし
それに不服があるのではない

ただ
テーブルの上にこぼれた
トマトジュースのドロッとした感性に
似たものを
私の手の平近くで見ようとしたのだと