melonさんのドキュメンタリー

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<太い腕すばらしい>

 

  腕の発達した子は、実はあまり見た事が無いのです。是非一度、見てみたい

です。 私の知り合いでは、全体的に太いのではなく、力こぶの筋肉の部分だけが

異常に発達してくっきり盛り上がる子が一人だけ居ました。

その子が思い切り力を込めると、小さいボールのような丸々とした、とんがった、

筋肉が盛り上がり、皮膚の皮がつっぱって、こぶのてっぺんから、縦に、しわが3本

入る くらいでした。本人は、筋肉が急に発達しすぎて、皮膚の成長が追いつかなくて、

皮がつっぱっているのが良く分かるそうです。妙な快感だと告白していました。


<K子との出会い>

 

  K子と出会ったのは、学生の頃にステーキ屋でバイトをしている時でした。

ステーキ屋では、厚い重い鉄板を使います。皿を片づける時には、

何枚か重ねて一度に運びますが、男性でも2枚が普通、3枚が限度です。

私も握力には自信がありますが、重い皿を運ぶのは、握力だけではなく、

リストの力も必要となりますので、3枚くらい程度で運んでいました。

 

そこの店に、小柄な、かわいらしい顔つきの、きゃしゃな女性が働いていて、

やけに沢山持っているなと気が付いて、良く見ると、4枚同時に重ねて、

それでも腕が震えたりとか、肘の力を使ったりではなく、手首の力だけで、

楽楽と運んでいるではありませんか。

小柄な細い体格から見て、どこにそんなに力が有るんだろうとずっと気に

なっていました。 その店は私服で働きますが、夏も近づいた時に、Tシャツで

彼女が働いた日がありました。 いつも必ず長袖だったので、その日が初めて

彼女の腕をまともに見た日でした。 私は目を疑いました。腕全体が、見事な

筋肉の芸術品の様なシルエットでした。 手首と肘がすごく細く締っていて、

それでいて、全体的には女性らしさが有る、 なめらかな肌の、実に奇麗な

腕でした。 仕事をしながら横目で見ていると、その日は特に忙しく、 一度に

5枚の鉄板を片手で持とうとしていました。 これは、絶対に途中で落とすと思い、

思わず助けに行こうとしました。 しかし、多少顔を歪めながらも、ぐいっと片手

だけで、鉄板の黒い固まりが持ち上がりました。 肘の下の筋肉の盛り上がりに、

思わず息を呑みました。太い血管が、うねっているではありませんか。

鉄板5枚の固まりを小柄な女性が、ぐいっと持ち上げているのに気が付いた、

その席の客は、異様な光景に話を中断し、その腕に目を丸くしていました。

この瞬間から、私は筋肉の発達した女性の腕の美しさに目覚めてしまいました。

これがK子との最初の出会いでした。

 

  調理場で、さすがの彼女も投げ出すように鉄板を置いた後、 私の傍に来て

彼女が小さな声でつぶやいた。 「ああ、しんどかった。前は3枚が限度やった

けど、5枚もできたで。」 そう言って、Tシャツの袖を肩の上までめくり、左手で

右手を揉み始めた。 また言葉を失った。 丸く大きな右肩の筋肉は、軽く力が

入るだけで、縦に細かい筋が入るくらい、締っていた。 腕全体の力を抜いて、

だらんと下げたまま、軽く振ると、力こぶのところの、むっちしとした筋肉の固まり

(上腕2頭筋と、3頭筋も!)が、ぶりんぶりんと、腕の動きと反対方向に揺れる

のがわかった。 しかも、2頭筋の上には、太い血管が一本走っているのが

わかった。私は、彼女が、力を入れて腕を曲げてみせてくれないかと一瞬

期待したが、次のオーダーの声にわれに戻った。


<K子との出会いの続き>

 

  そのバイトを終えたくらいの時に、仲間で海に行きました。

ビーチでサンオイルを塗っている時に、ふと、K子がすごく丁寧に、体に何回も

オイルを塗り込んでいることに気が付きました。 (その時の記憶には、腹筋

とか大腿筋の印象が無いので、それらはその後になって、作り上げたものと

言うことが分かりました。) 特に、手首から肩に掛けて、実に入念に、塗り込んで

います。 それでなくてもオイルを塗り込む様子は官能的に見えたりしますが、

筋肉質のぶりんぶりんの腕を、自分の手のひらで、しごくように何回も何回も

撫で回す様子は、思わず目を引かれました。

「鉄板のお陰でずいぶん発達したわ」

と、握りこぶしを作った腕の手首を、くいっ、と曲げたり伸ばしたりして、見せて

くれました。 反対の手の指先に力を入れて、しごくように塗ると、無駄な脂肪の

無い筋肉の感触が肌のオイルの光り具合から分かります。

  やがて肘と肩の間を、入念に塗り始めました。肘を伸ばしたり、曲げたりして

塗り込んでいます。私以外にも、周囲に居た男性の視線を感じます。

K子の二の腕は、伸ばした状態でも、反対の手の平で、上から下にしごくように

なでると、ゴムボールを上から押し込んだような凹み方、たっぷりとした肉が、

肘の少し上辺りに寄せられています。意外と筋量がありました。

肘を曲げた時には、丸々とボールのように筋肉が盛り上がりますが、軽く曲げて

いるだけで、力は入っていない。オイルをたっぷり付けた反対の手の指で、しごく

ようになぞると、何とも言えない弾力で指先を跳ね返している様子が肌の光りの

反射で良く分かる。 力を込めてくれないかと期待すると、肘を伸ばす。

伸ばしても、腕の上にはたっぷりと筋量がある。こんな腕は初めて見た。又肘を

曲げる。今度は、こちらを、子悪魔のような表情で、ちらっと見て、にやっとした後、

ゆっくりと力を込め始める。しごいていた指の先が、ゆっくりと跳ね返されて、肌が

みるみる、ぱんぱんに張ってくる様子が光り具合で分かる。もう一息力を込めると、

瘤が確かに一瞬、2つにぱっくりと割れたように見えた。私の周囲の視線が、

彼女のボディに注がれて、変な雰囲気になった。

 

  その時、遠くから、「早く塗って、こっちに来いよ。」と仲間の声が聞こえ、我に

戻った。海水パンツ一枚の私は、その場からしばらく立つことが出来なかった。

「何してるのよ、早く。」。。

君のせいだぞ、とは言えないところが、辛かった


<腕輪>

 

K子が上腕の腕周りに特にこだわっていたときの話を思い出しましたので、

お話しすることにしました。

 

  かなり太った女性が、カラフルな腕輪をしてきました。

赤、紫、黄、青、白、幾重もの貝に穴を開けて、紐を通してむすんであります。

口の悪い男性が、「おまえの腕、太いから、切れちゃうだろう。」

彼女は慣れたもので、

「この紐、結構収縮するから、ほら、二の腕の一番太いところまで上げても

延びるのよ。」

  円錐を逆さにしたような、肘も含めて上に行けば安直に太くなるだけの脂肪

ぶくぶくの腕の、上の方に向かって彼女はその腕輪を滑らせていきました。

ある程度伸びが止まると、それ以上は延びないのですが、 「店のおじさんが、

その紐は強い特殊なゴムを使っているから、腕に多少食い込ませても決して

切れたりはしないから、大丈夫だよ、安心しな。」と言って、紐に両手の指を

引っかけて、左右にぐいって引っ張って、彼女を安心させたそうです。本当は

彼女も、「私の腕は太いから。。。。」と、内心心配していたわけです。そして、

買う前に自分でも腕輪に左右の指を通して、強く左右に広げてみても、びくとも

しないので、それで買ったようです。

 「ウワああ、綺麗!」同席の女の子達は、代わる代わる手にとって、自分の腕に

はめてみます。 かなり腕周りの細い子でも、手首のところでゴムは収縮し、ぴったりと

はまり、ぶらぶらするようなことはありませんでした。 一通りみんなが試着したあと、

K子が手に取りました。

 「K子は腕細い方だから、サイズ的にも丁度良いね。」

私はそんなことないよ、と、言おうとしてやめました。K子に失礼かと思ったからです。

「ゴムが食い込んで、痒くなることもないしね」

K子は、その腕輪を前腕の真ん中から少し上の、一番太いところに持っていって、

手のひらをぎゅっと握りました。 前腕の無数の群筋が、細かいスジを浮かべながら、

盛り上がりました。 一同はK子の一見細い腕に細かい筋肉が浮かび上がる様子を

見て、ええっと驚きの表情を浮かべました。そして、ゴムがパンパンに張って、肌に

食い込み、血管が怒張して浮き上がってきたところで、手のひらを広げました。

「本気で筋肉出したら、切れるかも知れないよ」

ぼそっとつぶやくと、持ち主の太った子は、

「それ、切れないよ。私力一杯引っ張ってみたもの。」

  K子はそれに答えずに、ゆっくりと、腕輪を今鍛え上げて完成の域にある、

黄金の二の腕に、半袖をまくしあげて、転がして行きました。腕をだらんとしている

ので、それほど筋肉の盛り上がりはなく、多少ですが、ゴムは余裕があり、少し

隙間が有ります。 一同は何が始まるのかと、K子の腕に注目を始めました。

  K子は、軽く肘を曲げて、90度くらいのところで一旦止めて、様子を見ています。

もうこの段階で、大きな力瘤が、薄い皮膚の下で、ぐりぐりとしている様子がよく

分かりました。今度は、肘を伸ばして、上腕三頭筋を盛り上げ始めました。

腕の上側、後ろ側に、もっこりと山が2つ盛り上がりました。男性の力瘤のある

人と同じくらいの丸い筋肉の固まりが、薄い皮膚からぐりんと盛り上がってきた

ので、一同は自分の目を疑いました。

 「ええ、K子ちゃん、力瘤出るんだ。すごいね。」

K子はそれに答えず、

「三頭筋じゃ、ちょっと無理みたいね。」

ぼそぼそっとつぶやくと、今度は少し深めに、肘を曲げました。力は、殆ど込めて

いませんから、力瘤は盛り上がるのですが、柔らかい状態で、腕輪の紐は深く

食い込んでいます。 K子は、ごく軽く、ぴく、ぴくと力瘤を動かしてみます。肘の方に

だらんと垂れていた柔らかい肉の塊が、跳ね上がるように肩の方向に、

ぐりん、ぐりん、と、2回踊っています。

 「ええ?この子の腕、一体何?男の子みたいじゃない。でも男の子の腕にもこの

腕輪はめてみたけど平気だったよ。」

太った子がつぶやきました。

 私はK子の腕にはもう見慣れているので、それには驚きませんでしたが、彼女

なら、この腕輪を上腕の筋肉で引きちぎるかも知れないと思い始めてきました。

  私はK子に、タオルでパンプアップする事を勧めてみました。

 洗面からタオルを借りてきて、私がぶる下がるようにしてタオルを支え、K子が

右手だけで肘を少し曲げながら、ゆっくりと私を持ち上げます。 私は両手で力一杯

タオルの端を掴んでぶら下がるように下で押さえているのですが、K子は片手

だけで私の手からタオルを引き抜くことも出来そうなパワーで、ゆっくりと肘を上下

させています。

「何、しているの?」

「筋肉充血させて太くしているの。」

K子が冷静に答えます。

「それで、筋肉って、太くなるの?」

「普段から鍛えていれば、一時的に結構太くなるよ。見ててみて。2分くらいでも

十分だと思う。」

周囲が奇異の目で見つめる中、次第にK子の上腕が赤くなってきて、血管が

浮き出てくるのが私の目には分かる。 2分後には、左手に比較して、素人にも

毛細血管が浮いていて、色が赤くなっているのが分かる。

 「絞って脂肪が無くなると、誰でもこうなるよ。」

 もう一度腕輪を手首から通して、力瘤の一番高く盛り上がる辺りのところにはめる。

先程は、少し余裕があったが、今はパンプアップして、だいぶ太くなって

(多分2センチくらい)、肘をだらんと伸ばしていても、ぴったりと腕輪は腕に

食い込んでいるように思えた。

  K子はゆっくりと肘を曲げ始める。今度は本気で、手のひらも握りしめ、表情も

険しく、歯を食いしばり、力を込めている様子が分かる。殺気さえただよう。本気だ。

  先程は見えなかった腕全体のカットがくっきりと浮かび上がる。ぴかぴか、

すべすべの肌が、筋肉の膨らみで引っ張られて、鈍く光り出した。腕輪は、ゆっくりと

腕に食い込み始める。

 ここで一端腕を止めて、「本当に切ってもいい?」 太った子は答えて、

「切れないよ。店の人も切れないっていってたもの」答えになっていない。

 90度まで肘を曲げたところで、力瘤はぱっくりと2つに割れる。 さらに肘を

曲げると、腕の外側の力瘤はてっぺんの部分が尖り始めて、腕輪がそこから、

ぐりんとずれる。左手でK子はそれを一番尖っている部分に移動する。

  太った女の子も、周囲の子も、固唾を呑んで、見守る。誰も何も言わない。

息の音差へ聞こえない。時間が止まったようだ。

 腕を一番曲げたところで動きが止まった。腕輪は見るからに悲鳴を上げている

ように、ぱんぱんに引っ張られて、力瘤に食い込んでいる。しかし筋肉は鋼鉄の

ように堅いので、皮膚に突き刺さるように貝が刺さって、痛そうだ。肩の後ろ側の

筋肉が、ぴくぴくしている。背中の筋肉も時折ピクピク動いている。

 K子が最後のヒト絞り、と言うがごとく、手首を、小指が力瘤の上になるように、

外側にねじる。その瞬間、腕の上に広がっていた2つの筋肉のこぶが、小さく

固まって、さらに上方向に高くとがった。血管が紐の食い込みでちぎれそうだ。

 そのとき、紐が切れる音がする。腕輪に通された紐の細い数本が、ぴち、と、

小さい音で切れた。 一同、声も出ない。

「二頭筋じゃないと、ちょっと無理みたいね。」

 K子はそう言って、腕輪を外した。

 腕輪の持ち主の子は、何も言わずに、黙っていた。怒り出すかと思って、私は

大変心配した。腕輪の紐は、全てちぎれて切れたわけではなく、無理に引き延ば

されて、すこし糸がほずれているという感じだった。

  別の女の子が、少し細い金属製の輪の腕輪をしていた。K子は次にその腕輪を

取って、自分の腕に又はめた。

「金属は、さすがに切れないよ」

K子は笑って、ふざけるように肘を曲げて、力瘤を浮かべ始めた。

つづく。


<腕のトレーニング>

 

その日、彼女は続けて、腕のトレーニングをしていました.

まだ、汗が乾かないうちに、先ほど脱いだポロシャツを再び着ました。

「何で着るの?」

その背中を見つづけていたかった私は、変な質問をしてしまいましたが、

答えを聞いて納得。

「だって、自分の腕が発達して袖口がパンパンになるのって、結構快感なんだ。」

確かに、普通の女の人用の服では、肩の辺りも余裕が無いし、

半袖の袖口も、普段の状態で、ぴったりという感じで、余裕は無い寸法でした。

決して、細めの袖口というわけでは在りませんが。まあ、女性用ですから。

 

  ジャングルジムのような鉄棒の最上段に上がって、両手のひじを伸ばして、

突っ張った状態で両手だけで体を持ち上げる。

そのままゆっくり、ひじを曲げて体を下げてくる。

肘が曲がりきる直前に、今度はゆっくり、肘を伸ばして体を持ち上げる。

これって、普通の人は余り出来ませんよね。

やってみると分かりますが、結構しんどいです。手のひらも痛くなります。

脚で反動をつけるとか、勢いを付けて一気に上下させると、結構楽なのですが、

「結局は自分のためにならないから」

といって、敢えてゆっくりと肘の曲げ伸ばしをする。

これがまた、すい、すい、と体が上下する。

静かな夜の公園で、K子の吐く息の音と、

小柄な体がぶる下がっているにもかかわらず、

このエネルギーに絶えられない鉄棒がきしむ音がする。

8回目位から、さすがに、スピードが落ちてくる。

10回目に成ると、肘を伸ばしきった状態で、10秒くらい休むが、

それでも、上腕三頭筋はパンパンになっていて、ここまでくると、回復するわけが

無い。見ている私はもう我慢できなくて、

「おしまい、終わりにしようよ、それだけやれば、もう、十分だよ!」

でも彼女は完全に無視している。

上半身全体がもうこの頃には、がくがくしているが、それでもゆっくりと体が下がる。

もう幾らなんでも、普通の人間なら、絶対上がらないだろう。

そう思って見ていると、苦痛から絞り出すような唸り声と共に、

もう腕だけではなく、上半身の筋肉を総動員で、肘がぴんと伸びた!

すごい根性だ。逆三角形の上半身全体で、大きく息をしている。

そして、この頃になると、袖口がパンプアップされて、もうパンパンになっている。

肩の丸い筋肉と、上腕三頭筋の、二つの巨大な山が小さい細い体に浮き

上がっている。その谷間に、しわだらけになって、ポロシャツの袖口が、まるまる様

に、食い込んでいる。これはすさまじい光景だ。

 

ぴょんと下に身軽そうに飛び降り、腕全体のストレッチをする。

ステーキ屋で見せてくれた、ぶりんぶりんの上腕の筋肉の揺れは、

健在というか、より一層、ビルドアップされていた。

汗で光って、それでなくても綺麗な肌が、躍動するのが良く分かった。

私は、三頭筋部分を揉んであげて、彼女の努力をたたえる。すさまじい弾力だ。

ためしに、握り締めてみても、ふと軽く三頭筋に力が入ると、

私の指先はいとも簡単に、押し広げ、跳ね返されてしまう。

こんなに指先に力を入れて握り締めているのに、

彼女は痛いとも言わず、上腕全体をぶりんぶりんさせて、ストレッチしている。

 

ここまでさせるものは、一体何なのだろう。そして、胸を張って、

上半身と上腕のシルエットを見せる彼女の笑顔は、何なのだろう。

先ほどの恐ろしいまでの低い力の篭ったうなり声を絞り出していたとは、

とても想像も付かないくらいの、明るい笑い声を上げて、

上腕をぴくぴくさせて、遊んでいる。


K子の腕立て

 某番組で、ひじをわき腹にぴったり付けて、ずるをして回数を

稼いだ女の子が目立ったが、彼女は、ひじを体から離して、純粋に

上腕三頭筋の力で、腕立てをした。

 最初、私が背中に乗ったときには、ひじを伸ばそうとしても、びくとも

しなかった。

 うつぶせになって、私を背中に乗せたまま、暫く、ぴくりとも動かなかった。

人が見たら、私がいじめているとしか、思えなかっただろう。私は自分の両足

に力をいれて、つぶさないように、気をつけていたのだが、普通見たら、

小柄な女の子の背中に乗れば胸がつぶれて肋骨でも折ってもおかしくない。

 どうしたの? やっぱり無理だよ、やめようよ、と、声をかけようとしたとき、

信じられないことに、小柄な体が、ぐぐぐぐ、と、小刻みに震えながら、持ち

上がっていくではないか。私を乗せたまま。細い腕が、ぶるぶるしている。

催眠術に掛かって体が硬くなった上に人が乗るシーンがあるが、彼女は

覚醒状態で意志の力でそれを成し遂げる。すごかったよ。気迫迫るものが

ある。鬼のような形相で、それでも数回正しい腕立てをする。もう、体中が

鉄の塊のようだ。息も荒いし、泣きそうな細い声を少し出している。いじめて

いるみたいな。

 私は自分の足を完全に浮かせて、全体重を一瞬彼女の細い背中に乗せる。

彼女が小さいから、自分がひっくり返らないようにするのが意外と大変だった。

 その瞬間、彼女の背中は折れそうに思ったが、すぐ立て直して、体はゆっくり

だが、上がっていく。

 上半身裸だったら、すごい筋肉の盛り上がりだったろうと今から思うと後悔。

でも、寒い季節だったから。


<K子の力こぶ>

 

  女性の中には、力瘤を見せることを恥ずかしがると言うよりも、人に見て

貰うことに快感を覚えたり、特に周囲が見ている、居ないに関わらず、一人の

時もみんなで居るときも、家にいるときも外出時も、力瘤成らず筋肉を

意識的に露出する事が、普通のように思っている女性は、幾らでも居ます。

 K子もその一人で、もし誰かが自分の体を見て、綺麗だなと思えばそれは

それでよいし、自分でも自分の体が好きだし、わざわざ布で隠すこともない

だろう、これで不快だと思う人が居れば別だけど、という考えらしいです。

 

 吊革に掴まる右手の、肩の盛り上がった筋肉の部分を、癖で、大抵左の手の

ひらで揉んだりしています。何でいつも、そうしているの?ときくと、肩の丸い筋肉

の固まりは、力を抜いていると、弾力があって揉んでいると気持ちがいいのよ、

だから気が付くとこうしている、という事でした。解説すると、揉んでいる左手も

気持ちよいし、揉まれている右手も気持ちが良いという事らしいです。

 

  K子の上半身は、特にモリモリしているわけでは、決してありません。肩の丸み

などは、確かに大きい方だし、腕の太さも標準よりはホンの少し太めです。

 しかし、肌が綺麗でつるつる、ぴかぴか、さらさらしているせいもあって、健康的な

美しさを放ちます。

 「オイルかなにか、塗っているの?」

「ううん、何もしていない。」

「きめが細かい肌しているね。きれいだよ。腕だけじゃなくて、太股や、

すねの部分まで均一にきめが細かいね。」

「昔はざらざらしていたけど、筋肉質になってきたら、気が付いたら、きめが細かく

なっていて、うれしいんだ。」

「艶があって、ぴかぴか光っているよね。オイル塗ったみたい。」

「ここぞ、っていうときは、オイル塗ることもあるけど、普段はなにもしないよ。

何も塗らない方がさらさらして肌さわり良いと思わない?ほら。」

 太股の真ん中辺りを指2,3本で滑らせてみる。

 凄い滑らかで、すべすべ。

 そして、指先を跳ね返す弾力。

 「筋肉の密度が高くなって来たかなぁ、と思うようになったら、いつの間にか、肌の

質迄がかわっちゃったのよ」

 彼女にとっては、筋肉は、「太くなった」だけではなくて、密度が問題になるのです。

 

 そして、本のような重いものを手に持って、少し力が入ると、うっすらと筋肉が

ひとつひとつ、うかびあがります。例えば、軽い本なら、くっきりと丸いちからこぶ

が浮かびます。

 これが、仮に、百科事典くらいの重さなら、ぐりっと、こぶが浮かぶでしょう。

 それに、ホンの少し力を加えると、腕全体に、カットが一瞬にして走り、力瘤も

ぱかっと、2つに割れます。肘を伸ばしきると、上腕三頭筋の部分が、小さく2カ所

の山のこぶになって、腕の外側に姿を浮かべます。

 時折、自分でたまたまそういう姿勢をとってしまったときには、意識的に、

確かめるように、肘を伸ばしきって、握りこぶしを作って、腕全体に力を込めて

みたりします。ホンの一瞬ですが。その、一瞬を見逃さなかった人は、いままで、

すべすべ、なだらかな腕が、一瞬にしてその姿を変えて、腕のあらゆるひとつ

ひとつの筋肉がくっきりと分かれて浮かび上がり、盛り上がり、そしてそのまま

30秒くらい、手首を内側に向けたり、外側にしたりして、力を込め続けていると、

いつの間にか、血管がたくさん浮かんできます。

  そして、反対側の手のひらで、肩から手首まで優しく何回も撫でるのです。

そして、何事もなかったかのように、又、読書を続けます。 彼女の筋肉の美しい

ところは、ホンの少し、腕を動かす度に、関係する小さな筋肉が、ぴくぴくと姿を

浮かべて、時にはカットが走り、別の動きにはいると、その筋肉はすべすべの

肌の下に姿を消し、次の筋肉がぴくぴくと浮かび上がり、時に少し力が大きく

入ったりすると、その自分の番が来た筋肉が、くっきりと深いカットをいきなり

数本浮かべるところでしょう。

 そして、力を抜いた瞬間に、何事もなかったように、女の子らしい丸いシルエット

が戻ります。その移り変わりの、素早いこと。

 これが極限まで鍛え抜いた、女性らしさを残した美しいボディなのだと

思いました。


<ウエスト(その1)>

 

  今は他人の奥さんなのですが、昔からの付き合いで、抜群のボディの女性が

居ます。

 K子さんは、大学生時代に異常に太り、それを克服するのに、 ウエイトトレーニング

を始めました。 単なる食事制限の細い体が嫌いだったからです。 数ヶ月経って逢うと

印象がまるで変わっていてびっくり。 体重は全く変わらないというのに、引き締まって

ほっそりとした感じ。 でも、Gパンの脚は、はちきれそうに太い。 でも、ずんどうの

昔の太さでなくて、膝や足首の辺りが別人のように細い。 そして、上半身の肩の周りが

がっちりした感じ。 両手でウエストを抱いてみると、昔の半分くらいになったのではと

思えるほど、 そして、親指の先の感触が、こりこりしている。 「ウエスト、細くなった

ねえ」というと、「わかる?」と無邪気な表情で喜ぶ。 「もうすぐ、太腿と同じ太さ位

には締ると思うんだけど。」 もしかすると、腹筋が発達して細く締っているのか?

Tシャツの上から手の甲でなでてみると、昔と感覚が全然違う。 あれっつ? そんな

ばかな、あのぷよぷよなおなかが。。。 K子は、GパンとTシャツの隙間から自分の

手のひらを差し込んで、お腹をなで始めた。 「ちょっとだけ見せてよ」 Tシャツのすそを

上げて、「どおかしら?」と言っている。 女性は大抵腹式呼吸で話すから、腹に軽く

力が入る。 その瞬間言葉を失ってしまった。 くっきり正方形に割れた腹筋が浮き

出た。「ちょっと貸して。」 私の胸ポケットのボールペンを抜き、K子は自分の腹筋の

窪みに横に差し込んで力を入れる。 細い腹に腹筋が盛り上がる。 そこに挟まれた

ボールペンは、落ちてこない。 私は自分の指を横にしてペンの代わりに差し込んで

みた。 K子の腹筋が上下から咥える。 不思議な感覚に頭の中が真っ白になった。

良く触ってみると、瘤の固まりに、うっすらと細い筋が縦に入っていた。 この瞬間から、

私は女性の筋肉美に目覚めたのでした。


<ウエスト(その2)>

 

  そんなボールペン事件があってから、季節は夏になり、幸いにも丁度丈の短い

Tシャ ツが流行したので、彼女に逢うと、OLファッションの時以外は時折くっきりと

6つ に別れた腹筋を拝むことが出来て幸せでした。鍛え込んだ女の子のウエスト

ラインは、 こんなに美しいものである事を発見した。ウエストラインの細さは、横幅

だけでなく、 腹筋で押さえつけられた厚さ(薄さ)にポイントが有ります。横から見た

時のウエス ト部分の細さは、上半身の胸の厚みとあいまって、芸術的な美しさが

有りました。ウ エストを抱いて歩く時は、手を大きく回して、限界まで細く締った腹

の辺りに迄腕を 回して、手のひらをあてて、歩くたびにぴくぴくする腹筋の感触を

楽しむことが出来 ました。彼女は私の手のひらの上から自分の手を乗せて腹に

押しつけて、体を曲げた り伸ばしたり、腹筋に力を入れたり抜いたりして遊んで

いました。電車を待っている 時とかには、自分の人差し指で腹筋のこぶの間の

凹んだ線ををなぞるのが癖でした。電車に乗ると彼女は足を鍛えるために必ず

立ちます。かかとをいつも上げて、片足つ ま先立ちの状態でカーフを鍛えていま

した。そんな不安定な状態で電車が揺れると、吊革に捕まる上半身に力がこもって

体を支えます。席に座った私の目の前で、腹筋が 電車の揺れにあわせて生き物

のように盛り上がる。ふと気が付くと、右や左に座って いるおじさんも、目が点に

なってK子の腹を注視しています。そんななかで、親しげにK子と話をする時、非常

な優越感差へ覚えました。 盛夏を迎えても彼女は必ずGパンをはき、足を出しま

せん。太目のGパンの厚い生地 を引き裂かんばかりのK子の脚が私は気になって

仕方が無かった。

「夏なんだから、 たまには、スカートとか、短パンとか履きなよ」

「ウエストと同じ太さまでももを鍛えるのが今の目標だから、それまでおあずけ。

それまで私も我慢しているの。あと、3センチくらいの差だから、夏の間には達成

出来ると思うけど」

  やがて秋が来て、傍目にもいつものGパンが悲鳴を上げそうな位成長したとき、

よう やくK子はスカートを履くことを決心したようでした。今すぐ履きかえさせようと

し たが、

「タンニングした方が絶対奇麗だから、それまでおあずけ。」

「いつも夏の間Gパンはいていたから、真っ白でだめなのよ」

  私はいつまでもじらされて、ズボンの一部がはちきれそうになっていました。

日焼けサロンに毎日通って、そろそろ2週間 位経った頃、彼女の方から珍しく

私に逢いたいと言ってきました。


<ウエスト(その3)>

 

  確かにK子の腹筋を見た人は、言葉を失います。 しかし、私は彼女の腹筋

には見慣れてしまいましたし、実は脚の変貌と筋肉美に打ちのめされて未だに

復帰できていないので、それほど腹筋に関する逸話は無いのですが、思い出して

書きます。

  K子は昔、ずんどうでした。 胸は無いし、ウエストはぶよんぶよん。ウエイト

トレーニングの大きな目的は、多少でも、ウエストのくびれを作ることと、普通の

サイズのGパンを履くことだったように記憶しています。今から考えると、

大笑いです。

 良くTシャツの裾をしぼって、結んでお腹を出して歩いたりしますが、腹筋の

こぶがうっすらと見え出していた頃、K子も喜んでお腹を出すようにTシャツを

深くめくって、しぼって結び、着ていました。

 昔の彼女から見ると、力を込めて、腹を曲げると、うすく縦に一本だけスジが

入る当時の腹筋は、大満足だったのでしょう。

 しかし、トレーニングを積み重ねていくのが習慣になり、さらに鍛え込むと、

やがてある日気が付くと、一本のスジだけの平らなお腹に、こぶが数個浮かぶ

ようになりました。

 フィットネス選手やオリンピック級の選手の腹には、こぶが数個浮かんで

いますが、K子はそれにあこがれを抱くようになりました。そして、自分も

頑張れば、そういう腹になれると自信を持ったのです。

 それで、狂ったように腹筋に集中した結果くっきりと分かれた6個の腹筋を、

軽く力を入れただけでも割れるような、そういうお腹を自分の手にしたのです。

 女性は生まれつき一般には腹式呼吸ですから、Tシャツのすそから出した

腹筋のスジは、話をしたり、笑ったりすると、6個のこぶになって、ぴくぴくと、

盛り上がります。

 電車に乗って立っているときには、お腹に微妙に力を入れたり、くねらせたり

して、こぶを自由自在に出したり盛り上げたりして、そのこぶとこぶの間のスジに

指先を走らせたりして、遊んでいました。

 当然、電車に乗り合わせた、暇な乗客は、目玉がこぼれるのではないかと思う

くらい目をむいて、K子の腹の筋肉の微妙な動きを注視していました。

 ある時彼女は私の胸のボールペンを抜いて、自分の腹筋のこぶの間に挟みました。

 何をするのかと思ったら、くっきりと盛り上がってひとつひとつをぴくぴくと

動かすことすら可能な彼女の薄い皮膚の下の腹筋のこぶが、私のボールペンを

くわえてしまうのです。

 下には落ちないで、腹にくわえられたボールペン。K子が腹の力をゆっくり

緩めると、ボールペンは床の上に落ちました。

 こんな光景は、人生で一度も見たことはありません。

 セロテープか何かで、付いているのではないかと私は疑いました。

 疑われた彼女は、むっとした表情を浮かべて、私の手を取り、指先を横に

させて、彼女の腹に置きます。

 私の指が、彼女の堅い腹筋の上にぴったり沿わされ、その暖かく堅い腹筋が、

むにむにと、動く様子が指先から伝わって、変な気分になってきました。

 やがて、私の指は、上下から2個の腹筋のこぶで、完全に挟まれました。

 2つのこぶは、指先の微妙な感触から、生きている岩のようでもあり、暖かい

ゴムのようでもあり、何とも言えない感じです。言葉には出来ません。日本語

には形容詞が見あたりません。

 セロテープかと疑われた彼女は、先程のボールペンとは違い、本気で私の指を

挟み込むように腰を微妙に動かしながら、腹筋を強く収縮させます。

 私の指は、完全に上下からくわえられてしまいました。

 実に妙な感じです。

 私が驚きで固まっている様子を見て、彼女は腹の力を抜きました。

 堅く盛り上がった腹筋のこぶは、瞬時に姿を消し、平らながらも少し影が

出来る程度のスジを残し、あとかたもなくなった平たい女の子らしい細い

ウエストに戻りました。

 今のは一体何だったのか、私は頭の中が変になり、夢を見ているようでした。

 

 良くウエストの細さを表現するときに、スリーサイズとか言って、ウエスト

周りの寸法を比較します。

 しかし、彼女のウエストの美しさは、寸法だけでは到底語れません。

 まず、ウエストが、薄いのです。細いと言うよりは、薄いのです。

 お腹と背中との厚みは、ウエストのへそのぶぶんが異常に薄く、上半身は背中に

発達した後背筋で厚みを増し、おっぱいは小さいのですが、大胸筋が発達していて、

胸の厚みは小柄な彼女の体には少し変なくらい、厚みがあります。

 ですから、彼女の体を、横からシルエットで撮ると、女性の美の極致を

感じさせるのです。

 特に、腹筋だけでなく、背中の尻からウエスト、そして肩のあたりへの

ラインの美しさ。

 記念写真を撮るときはいつも彼女は腰を横にして、自慢のウエストを横から

撮らせ、しかも腹筋に力を込めて、腹を引っ込めます。

 その分、息を胸に貯めて胸を張り、後背筋を左右に広げて、上半身の広がりを

強調させます。

 上半身の肩のあたりと、顔は、カメラの方に向きます。

 それは逆三角形の上半身の美の極致だと私は思いました。

 指先が震えて、シャッターが切れないことがありました。

 しかしこのころはまだ、その後に比べると、後背筋の発達も、肩の丸みも

不十分でした。

 でもK子のウエストラインの美しさを目の当たりにした私は、それでも

「こういう世界が有るのか。。。」とさへ思いました。

 

 K子のウエストの美しさは、腹筋のこぶだけでは語れません。

 腹の横の筋肉。ここが発達すると、あばら骨の形に添って、鳥の羽の

ような、織られた繊維のような、細長い短い筋肉が幾重にも交互に織り込んで

つなぎ合わされたような、それは見事な腹筋が浮かび上がります。しかし、

そういう筋肉をみせる事が出来るのは、一部の男性ビルダーくらいと思っていました。

 腕を頭の上に上げて、腹を横に曲げながら力を込めると、K子のあばらから

腰に掛けて、見事に絞り込まれた腹筋が細かく浮かび上がります。腰を微妙に

揺らすと、これらの細かい筋肉のひとつひとつが生きて居るかのように、

むに、むにっと動くのです。

 K子は、面白いでしょ、なんて、笑って見せてくれるのです。

 

 ただ細いだけだったウエストと、こういう極限の美のウエストと、K子の

ウエストの寸法は殆ど変わっていないのです。締まって細くなった分、筋肉が

付いて、太くなったせいだと思います。トータルの巻き尺の数値では変わりは

ないのです。

 こういう経験があるからこそ、彼女は「腕周りの寸法」とかには、全く興味を

示さないのです。

 私は彼女のそういう価値観を、良く理解します。

 K子の事を聞かれると、必ずサイズを確認しないことで変だと言われますが、

そういう彼女を知っていると、私も女性の体の美しさは寸法では全く語れないと

今は思うのです。


<荷造りテープ>

 

  晩秋になって、ようやくK子の短パン姿を見る事が出来た。 おお、太い!

肌全体が小麦色にピカピカに輝い ている。これだけでも十分に美しい。

小さ目に引き締った尻にピッタリのデニムの短パンのすそが、太い腿で、

はちきれそうになっている。肌がオイルをぬりたくったようにすべすべ、

ピカピカで、光っている。 足を投げ出して座っている彼女の、腿の辺りを

上から手で押さえて揉んでみる。 何とも言えない弾力。もう、ただの

脂肪太りの脚には魅力を感じない。 柔らかいのだが、しこしことした

手応えが有る。ゆっくりと力を入れてもらうと、 徐々に筋肉が盛り上がって

いく。これはすごい。ただ太いだけではなく、 縦に深い筋がくっきりと3本

入っている。もうバットで後頭部を殴られたような感じだ。 内腿の辺りの

皮膚をつまむと、薄く皮だけが摘まめる。無駄な脂肪が全く無い。 両手で

腿を抱いてみる。暖かく、固い。力を入れると、ウエストと同じ太さがある

のだ。 これ全部、筋肉の固まりだ。想像しただけで、気が変になる。 力を

抜いてもらって、腿の辺りに顔を埋めた。 暖かくて、弾力に包まれて、かつて

ない快感だ。死んでも良いと思う。 ここでふざけて、彼女が突然腿に一気に

力を込める。腿の肉に深く埋まっていた俺の顔が ボールのように上に跳ね

上げられてしまった。 カーフを自慢したい彼女は、立ち上がって、JR時刻表

の端に爪先だけを掛けて、 ゆっくりとかかとを上下して、俺の表情を伺う。

かかとが上がると、みるみる盛り上がってきて、肌が光っている事も手伝って、

今にも皮膚がはちきれそうにみえる。これはすごい。 膝の裏の少し下から

深い筋が何本も縦に入って、内腿から太い血管が浮いている。 触ってみると、

鉄のように固い。 立っている時に横から脚を見ると、腿が前後にすごく太い。

太いと言っても、丸太状なのではなく、筋肉が前後に発達している。 前後の

境目の辺り、軽く爪先立ちをすると、足首から腿の付け根まで、脚の外側には、

くっきりと深く筋肉の溝が一本入っている。 鍛え込んだ女性の脚が、こんな

にも美しいものだとは思わなかった。 だんだんと意識が変になってきた。

紙のガムテープが机の上に有った。俺は彼女の腿にこれを包帯のように

4,5巻きしてみた。 彼女は、ゆっくりと腿に全身の力を込め出した。

これしき、ひきちぎってやる。 口紅だけで十分美しい少女の顔が苦痛に歪み出す。

ガムテープが鋼鉄のような筋肉に食い込んで行く。 血流が止められて、

血管がみるみる浮き出てくる。 もうだめだ。この先は、意識が無くなった。


<目立つ遊び>

 

 腹筋が完成したばかりの頃のK子は、人前でも平気で腹筋をもろに出す格好

で、注目を浴びていた。 やっと脚が完成した彼女は、そろそろ寒くなる季節なのに、

必ず素足で短パンか超ミニしか履かなくなった。 「今まで我慢していた反動で、

どう しても脚出さないと外に出れない」と言っている。 街に遊びに行くと、すれ違う

人が沢山振りかえる。特にフィットネスに興味の有りそうな人種は、立ち止まって

振り返るほどだ。 横断歩道での赤信号や、電車を待つホームでは、脚に力を

入れて、異常に太い太股に、深くくっきりと入る筋肉の筋を、アンバランスな細い

人差し指で何回もなぞる。 無意識のうちに、いつもこの動作をしている。変な癖だ。

しかし、みていると、興奮する。 周りの人も、きっと、興奮するだろう。 周りの人の

注目が注がれるのが、本当に良く分かる。鼻が高い気分だ。 そのうち、もっと

目立つ遊びを覚えた。

  腿の力を抜いて、膝を左右にゆする。すると、たっぷり付いた腿の前の筋肉が、

あたかも太った女性の胸のように、ゆらゆらと左右に大きく揺れる。これがすごく

目立つ。 ぴかぴかの肌が、ぶりんぶりんと、揺れている。 と、突然、力を込める。

すると、巨大な筋肉の固まりが、いきなり浮かび上がる。 肌が、はちきれんばかりに

盛り上がる。 また力をゆるめて、左右にゆする。今度は、ゆっくりと、力を入れていく。

先ほどと違って、色々な筋肉が、それぞれゆっくりと盛り上がっていくのが薄い脂肪

の下から良く分かる。 やがて信号が青になって、何事も無かった様に、歩き始める。

その頃には、周りの人は唖然として立ち尽くして、k子の脚の躍動美に釘付けになる。

  助手席にK子を乗せて走る時に、視界の隅にこの太股と、小さい膝の皿の、

素肌の脚が有ると、どうしても運転に集中できない。 何度か、赤信号無視をして

しまって、危ない目に有った。 この気持ち、分かってもらえるだろうか。。。。。


<歩き方が。。。>

 

  一般に、足の太い人は、歩き方が今一つ奇麗でないと聞きます。 確かに、

たっぷりと筋肉の付いた女性は、左右の足の腿やふくらはぎが擦れてしまうので、

蟹(ガニ)股というか、 O(オー)脚というか、膝が外を向いた形でしっかりと大地を

踏み締めるような歩き方をします。 それは、そうせざるを得ないので、仕方ないの

かもしれませんが、確かに歩き方としてみると、余り美しくはない様に思います。

しかし彼女たちには、そんな事を問題とさせない別の素晴らしさが有るので、

それはそれで全く構わないと考えていますが。 同じ太さでも、脂肪太りでは、丸太

のように太くなりますが、筋肉質であれば、前後に太くなるので、横幅はそれほど

変わらない。 (だからこそ、何とも言えない美しさが有るのではないかと考えて

いますが) K子は、脚の太さは相当なものです。超ミニを履いて電車で座っても、

前側に座った人からは、腿の肉が邪魔をして、スカートの中が 良く見えないで

しょう。ゆっくりと立ち上がる時の、だらんとしていた太股の前の筋肉が、 見る見る

盛り上がってきて、くっきりと筋が入りながら収縮していく様子は、我を忘れさせ

ます。 自分の手のひらを腿の前において、軽くなでて、筋肉の発達の具合を

確かめながら、敢えてゆっくりと立ちあがる癖は、 男性ばかりか女性まで思わず

見入ってしまっていると思います。


<K子のカーフの鍛え方>

 

 私を背中に乗せて、10回こそ達成できなかったが、恐ろしいほどの迫力で

腕立て伏せを終えたK子は、汗ばんだ表情で、厚いトレーナーを脱ごうとする。

 そのとき、先程「腕が折れちゃうよ」って、泣き声にも近いような叫びを

上げたN子(実はテニスを長年やっていて、腕の力には密かに自信があったが、

今日のK子を見て何も言えなくなっている)が、

「ねえ、この電話帳何?」

と、怪訝そうに尋ねる。

 そこには、2冊の分厚い電話帳をガムテープで、ぐるぐるに巻いてひとかたまりに

したものが置いてある。

 普通、電話帳は、中身を見るものだから、こんなふうに周囲を巻いてしまったら、

役に立たないので、N子の疑問は当然である。

「自家製カーフレイズマシン。」

「カーフレイズって、何?」

「ふくらはぎを鍛えるのよ。ふくらはぎって、スカート履いても見えるし、

Gパンでも腿の太さに見合った盛り上がりがないと、不自然じゃない。」

 さりげなく、盛り上がり、とか言うので、股間がずきんと来る。

「ええ?どうやるの?」

 トレーナーを途中で脱ぐのをやめて、K子は両足のつま先を電話帳の上に、

ちょんと掛けて、かかとをゆっくり上げ下げする。

 「これで、膝を伸ばしたままにすることが、ポイントよ。」

 両足では何回もできるのは当たり前。K子は、片足で立って、親指だけに

力を入れたり、小指側に力を入れたりして、まんべんなくカーフを収縮させてみせる。

 「へええ、面白い、私もふくらはぎ引き締めたいのよね。」

大抵の女の子は、こう言う。

 「ねえ、ちょっと、ウエイトの代わりになって。」

 そばにいた、体重50キロくらいの女の子に頼んで、負ぶさって貰う。

 そばの柱に掴まって、倒れないようにしながら、先程のようにK子はつま先を

電話帳の上に乗せて、かかとをゆっくり上げ下げする。目一杯深く、目一杯高く、

かかとの可動範囲の限界まで収縮させる。

まるで、50キロの女の子が乗っていないようだ。軽々と先程と同じように

かかとが上下する。

「す、すごおおい!」

 周囲の女の子が感嘆の声を上げる。

「わたしだったら無理だわ、4,5回でダウンね。」

 K子は、もう一人居た男性に頼む。65キロ程度の男が、申し訳なさそうに、

小柄なK子の背中に負ぶさる。

 「彼はN子より遙かに重いけど、平気かなあ。」

 S子が尋ねる。

 K子はそれには応えず、男性を軽々とおぶさる。小柄なK子に、すこし大柄の

男が負ぶさる、きわめて奇妙な光景だ。

 K子は軽々とつま先を電話帳の上に乗せて、何も負ぶさっていないときと全く

変わりなく、かかとを上下させる。少し早めに上下させて、負ぶさった男が、

振り落とされそうになる。

 つま先を内股にしたり、外股にしたりして、まんべんなく鍛えている。

 「やっぱり、男の人居ると、筋肉に刺激あっていいわ。」

 K子が変なことを言う。

 照れくさくて早く降りたがっている男に、

 「ねえ、N子をおぶさって、それで私におぶさってくれる?」

 周囲は何が言いたいのか一瞬戸惑う。

 「冗談でしょ。あぶないわよ。アキレス腱切っても知らないよ。2人で

100キロ越えるよ。」

 「重心高くてひっくり返るよ。」

 「しっかり柱に掴まって。」

 まず、男がN子を背負う。男のくせに、少しふらつく。

 K子が深くしゃがむ。そこにあぶなっかしく、男が負ぶさる。見ていられない

ので、私も手伝う。

 100キロどころか、115キロ近くある状態で、深くしゃがみ込んだK子が、

太股の力で、ぐぐっと、立ち上がる。さすがに、辛そうだ。顔は下を向いている

ので、表情は見えないが、少しからだが震えている。

 普通これでは、立っているだけでも、ましてや深くしゃがんだ状態から立ち

上がっただけで、見事だ。小柄なK子なのだから。

 K子は、少し太めのGパンを履いている。

 ふと気が付くと、先程は余裕が合ったはずの太股の辺り、生地がパンパンに

張っている。

 ふくらはぎは、まだ余裕があるが、私の最後の記憶だと、結構カーフも発達

してきているはずだ。この前は、すでに筋肉が左右にぱっくりと割れるように

なり始めていたと思う。

 K子は無言のまま、周囲も固唾を呑んで、私はいつバランスを崩して倒れても

良いように、補助の体制に入っている。

 K子は、両足のつま先を電話帳に載せる。重みで、堅いはずの電話帳が凹んで、

少し斜めになっている。ちょっと危ないと思う。

 K子は、今度はさすがに苦しそうに、かかとを上下始める。

 1回。2回。3回。

 「あぶないよ、K子。上半身少し前に倒して、柱に両手で掴まりなよ。」

私がアドバイスする。

 4回、5回。さすがに辛くなり始める。かかとを降ろすときに、すこしガタガタと

落ちる。

 かかとが上がるときには、ぐぐぐぐぐ、、と上がる。すごい。

 Gパンの堅いはずの生地が、いつの間にかぱんぱんに張っていることに気が付いた。

 ふくらはぎの真ん中の辺りが、左右に引きちぎられそうに、筋肉の山が食い込んで

広がっている。

 筋肉の山ははっきりと左右に2つとがっている。

 かかとが水平より少し上がったときに、一番盛り上がる。

 6回、7回。

 もうさすがに終わりかと誰もが思った頃、K子は左足の膝を90度に後ろに曲げて、

右足のつま先だけで立った。

 今はもう、両足ともパンプしているはずだ。乳酸がたまって、充血しきって、

ぱんぱんになっているはずだ。

 しかしK子は、親指のつま先だけで少し早めに2回上下させる。

 続けて、小指側だけで、ゆっくり2回上下させる。

 さらに膝を60度くらいに曲げて、もうかちんかちんになっているカーフに、ぐぐっと

力を入れて、限界までつま先立ちになって、そのまま2,3秒じっとしている。

 ゆっくりと膝を伸ばしきって、かかとを限界まで一旦落とし、筋肉を休めることの

無いように直ちに少し持ち上げて、そのまま足首を固定して、膝を今度はもっと

深く、90度くらいまで曲げては延ばし、、曲げては伸ばす。

 もう一回正面を向いて、かかとを目一杯高く、そして、目一杯深くして、元の角度に

戻す。負ぶさっている二人は、上下に激しく揺さぶられて、掴まっているのがやっと

という状態。 周りの人間は、あまりのすさまじい鍛え方に言葉を失う。

 今度は同じ事を左足で行おうとしたとき、バランスが崩れ始める。

「危ない。ひっくりかえる。やめろよ。」

 K子は又膝を深く曲げてしゃがみ込んで、2人を降ろす。

 凄いパワーだ。まだ、余裕がありそうだ。

「あんたすごい脚してるんじゃない、見せてみなさいよ。」

それに、息の上がったK子が答える。

「筋肉付いてきたから、充血すると、このGパン、きつくなって、脱ぐのが一苦労

なのよ。。」   「。。。。。」

 これだけやれば、一体どういうカーフが出来上がるのか。

 私は、「座った状態のカーフレイズと、立った状態では、使う筋肉の部位が異なる

ので、片方だけやるとバランスが悪くなる」ので、両方やるようにアドバイスした。

 K子は、やってみる、と目を光らせて答える。


<上半身>

 

  K子の上半身、特に背中は、実に見事な逆三角形のシルエットです。

しかし、それは、驚くくらいの努力の成果です。

ウエストの腹筋の状態は、昔書いたとおりです。

ウエストを細くするのは、ここまで鍛えこむと、もう限界です。

あとは、肩周りの幅を広げるしかありません。

肩の肉は、薄い服の上からでも、しっかり盛り上がっていて、

二つにくっきりと割れる様子が、さらに、それ以外にも、

時には細かく筋が入る様子迄わかるようなコンディションでした。

背中の筋肉を鍛えて、わきの下の左右の幅を広げるために、

K子はちょくちょく、公園の鉄棒を使っていました。

トレーニング前に、私は彼女のウエスト周りと、わきの下のあたりを、

左右から両手で抱いて感じを覚えておきます。

「筋肉を思いっきり広げて、服がちぎれるといけないから」

といって、彼女は上半身の服を脱ぎます。(そんな、大げさな。)

レオタードのような、伸縮性のあるブラが現れます。

それから、彼女は両手の幅を肩幅よりもだいぶ広めに、手袋をしてぶる下がり

ます。それから、腹筋を使って、脚を上に上げて、地面から離れます。

普通の女性なら、大抵、ぶる下がるだけでも、大した物です。

せいぜい、一回くらい、あごが鉄棒に触れるくらい、体が上がれば、上出来です。

しかし、普段から鍛えこまれた彼女の上半身は、

すい、すい、っと、首まで簡単に体を持ち上げてしまいました。

私は、脚が地面についているのではないかと思いましたが、

腹筋をぼこぼこに盛り上げながら、太ももはしっかりと腹につけられたままでした。

 

背中の肩甲骨の周辺の、無数の筋肉が、生きているように、体の上下に合わ

せて、盛り上がっては消え、盛り上がっては消えています。両手の幅を広げて

いるので、腕の力ではなく、背中の筋肉だけで持ち上がっています。

 

なんと、9回もすごいスピードで、体が軽がると上下しました。

すごい筋力です。そして、上半身の広がり。

 

でも、本当に驚いたのは、それからでした。

ふつう、こんなに、力を使い切ると、

もう体はガチガチになって、筋肉は言うことを聞きません。

しかし、彼女は、9回も上下した後でも、止めようとしないのです。

今まで無言だったのに、荒い息使いと、全身にうっすらと浮かぶ汗。

5秒くらいぶる下がったままで休んだ後、

「くうっつ!」と声をあげながら、また、体を持ち上げるのです。

すごい! そんなばかな!

これが、ちゃんとあごまであがるのです!

そして、もう一回、もう2回。

「もう、いいよ、それで、十分だよ」

見ていられない私に、彼女は首を小さく左右に振って、まだ挑戦しています。

もう、彼女の体中の筋肉が、がくがくと小刻みに震えています。

 

それでも、その後3回、彼女はあごまできちんと、上体を持ち上げました。

 

その間、唯の一度も、一瞬たりとも、

彼女は脚を地面に付けたり、しませんでした。

それは、あの腹筋があってこそです。

また、普通は手のひらが開いて落下してしまいます。

それを阻止するのは、相当の握力があるのでしょう。

 

私まで、汗を一杯かいてしまいました。

なんとすごい子なんだろう。。。

 

少しストレッチをした後、彼女は背中を広げて、筋肉を伸ばして見せます。

肩甲骨が、左右に大きく開いて、わきの下が広がります。

それが、異常なまでに細く締まったウエストにすぼまって、続いています。

力を抜くと、ブラの紐の上に、むっちりと筋肉が乗っかっている様な感じで、

紐が食い込んでいました。

 

彼女は私のそばに近寄って、トレーニング直後の、

ウエストとわきの下の辺りを、抱いて見てくれとせがみます。

さっきと違っているか。。。。

両手でウエストを抱く。

ぎゅっと引き締まっている感触が指先から。

そのまま、手のひらを上に沿わせるようにずらしていくと、急に左右に広がる所が

あって、そのまま熱い、しなやかな弾力の、筋肉が付いていました。脂肪は、

まったく感じられません。感覚的には、ウエストの倍以上の左右の広がりです。

 

そして、彼女は、両肘を曲げて、胸を張って、背中に力をこめました。

もう、その先の意識が無くなりました。

汗をかいたぴかぴかの肌が実にきれいでした。



<ルーズソックス>

 今日は、死ぬほど寒かったのですが、朝、駅に差し掛かると、高校2、3年生

くらいの、赤いチェックのミニスカートを履いている、かわいい日焼けした女の子が

目に入りました。

 駅の中まで冷たい風が吹き込んで、彼女は、高校生得意のルーズソックスを、

限界まで上に引っ張っています。ソックスといっても、引っ張るとここまで伸びる

のかと思いました。しかし、スカートのすそとの僅かの部分から覗く小麦色の太もも

が、何となく体全体の割には太くて締まっているような気がしました。 

よくみると、ソックスを抑えている手の平の甲の部分に、女の子にしては太い血管が

浮いていることに気が付きました。

 この焼いた肌といい、何となくがっしりした雰囲気といい、もしかしてこの極寒の日に

筋肉質の脚が見れるのではないかと、ふと思いました。もしそうなら、今日は仕事を

休んでも構いません。(笑)

 やがて彼女の友人らしき女の子がやってきました。この子は、体中毛布のような

格好です。

 「あんた、よくこんな格好で寒くないね。ナマアシじゃん。」

 「今日は生足で勝負掛けようかと思ってね。勝負パンツもはいてるよ」

 「何処にも遊びに行かないで、ジム通って脚鍛えるなんてあんた変わってるもんね。」

私は自分の目が正しいことに我ながら驚きました。

 「そのへんの子とは鍛え方違うからね。」

 「もうすぐ来るよ。」

 「そうだ、忘れてた、ぬんなきゃ。」

 彼女は、ポーチからオイルの様な液体が入ったビンを出しました。

 「もうカサカサになっちゃうし。朝クリーム塗ったけど、オイル塗ったほうが、

なまなましいじゃん?」

 自分の体の美しさを、この年齢から熟知している彼女は、将来どういう大人になる

のでしょうか。。。恐ろしい。

 彼女はソックスを一気に下ろすと同時に、友人の影にしゃがみました。

 太もものあたりに入念にオイルを刷り込んでいるのですが、友人の体が邪魔に

なって、見えません。私は思わず自分の立っている位置を移動しました。

その不自然な行為に、彼女と目があってしまいました。

 「まずい!!!」

私はたまたまそばにあった、全く興味の無いバーゲンの広告に異常な関心を示して

いるようなそぶりをしました。彼女は再びオイルを塗り始めました。

 友人の脚の隙間から見るに。。。おおすごい、これはすごい、太ももの横、それと、

太ももにつぶされて大きくはみ出したカーフの横の筋肉に、深いカットが数本くっきり

と入っています。

これはまぎれもない、筋肉がぎっしり詰まった特有の、若い女の子の脚です。

今日の偶然に私は心より感謝しました。やがて、彼女はゆっくりと立ち上がりました。

太い太ももの前側の筋肉が、4本ほどの太い筋肉を束ねたようなカットを深く刻み

ながら、細いひざの皿の骨の上に、むきむきと、盛り上がって行きました。

これはすごい!いったいどうなっているんだ!私は口の中が渇いてくるのを

感じました。興奮で、手が小刻みに震えてきました。相手の子に、太ももの前側の

筋肉を見せています。

 「オイル塗る前は、こんな感じね。」

 「うわ、あんたの筋肉しめ縄みたいね」

 彼女は、軽く筋肉に力を入れたり抜いたりして、ぴくぴくやっています。

 その度に、肉の塊がひざの上で、大きく上下しています。

 ぐっと力を入れてみると、4つくらいの塊に割れるのですが、その上から、丁寧に

オイルを塗り始めました。塗ってからもう一度力を入れて見ます。

 「ほら、このほうが、いいでしょ。」

 細かい筋肉の一本一本が、浮き出るように光を反射して、まるで生きているようです。

太ももに掛かる、微妙な力の掛け方の変化で、一本一本の筋肉が薄い小麦色の

肌の下で、むにむにと、動いているのが、光の反射で、手にとるようによく分かります。

 やがて深くかがんで、足首からヒザまで入念に塗り始めました。

ルーズソックスは、包帯の様に丸めて、足首のところに巻いてしまいました。

 「こんな巻いたら太くなっちゃって、歩きにくいじゃん」

 「足首細いところ見せたくてさ。」

 「ほんとだ。(彼女の足首を握って、)て、にぎれちゃううじゃん。」

 「だから、鍛え方違うって、いってるじゃん」

 深くかがんでオイルをカーフに塗る彼女の、左後ろ側から見ています。

カーフと、太ももの裏側の、太い筋肉が、ゴムの様に上下に伸びていきます。

筋肉の両端の細い部分のスジが、薄い皮膚の下から浮き上がって延び切って

いきます。これはすごいやわらかそうな弾力。私は両足ががたがた震え出している

のを感じました。オイルを入念に塗ったむこうずねは、こんなところにも筋肉が

ついているのかと思わせるくらい、色々な筋肉が左右に広がったり盛り上がったり

細かく割れたりしました。オイルに朝日が光って、実に美しい。

 彼女は、友人の後ろを向いて、軽くつま先を立て始めました。ふくらはぎの

真ん中に、巨大な筋肉の塊が、深いカットを浮かべながら、見る見る盛り上がって

きました。

「あんた、うちのお兄ちゃんより筋肉あるわ」

 左右にぱっくりと割れ始めた辺りから、血管がヒザの後ろから、足首まで、その

二つのこぶの間に浮かび始めました。このくらい力が入ると、カーフの左右の二つに

割れた筋肉は、角を包丁で切り落としたような鋭い硬い塊に姿を変え始めました。

 すさまじい筋肉美。

 さらに足首を伸ばそうとしたとき、目的の男の子が来ました。

彼女は、先に立って駅の階段を上ろうとしています。

目的は私にもわかりました。つま先で階段を上って、真っ白なソックスから延びる

小麦色の、細い足首、自慢のふくらはぎから、ももの裏側の筋肉を見せ付けてやろう

としているのです。あどけない高校生の女の子ですから、考えていることが体に

出ます。彼氏の目の前に、彼女の鍛え上げられた筋肉が、階段をゆっくりと上り始め

ます。私は一緒に階段をあわてて上り始めました。しかし、彼氏は、その躍動美には

興味を示さず、もう一人の女の子の話に夢中になっています。

 先に上る彼女は、時折振り返りながら、自分の手のひらで、太ももの裏側をなぜて、

ここを見て頂戴、といわんばかりですが、無視されて、何だかかわいそうです。

私は他の人ごみにかき消されて、彼女の筋肉を見ることが出来ません。

悲しそうな表情だけが見えます。やがて満員の電車に一向は飲み込まれ、私は

一人駅に取り残されました。慌ててトイレに駆け込みました。