紅葉前線を求めて

尾瀬ヶ原
米子大瀑布
秋山峡・笹ヶ峰
木曽路
赤目四十八滝・室生寺
薬師寺・談山神社
中伊豆の旅

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2006年10月6日(金)
尾瀬ヶ原散策
台風16号が太平洋南岸に接近し、強風・大雨・洪水警報が出ている中尾瀬ヶ原行きを強行した。この時期の尾瀬は紅葉の最盛期で、この日を外せばまた来年になってしまうためである。
鳩待峠まで車で入るため20人乗りのマイクロバスでの旅になったが、20mを越す強風のためハンドルが取られ命拾いをすることになった。悪天候のため1時間遅れで鳩待峠に着いた。
尾瀬は幸い小雨で、ハイキングには支障無く、鳩待峠から山の鼻までの約3.3kmの道程は人通りも少なくのんびと紅葉散策が出来た。
尾瀬ヶ原では1時間の散策だったが、展望も効いて草モミじなどの紅葉等を堪能できた。快晴に恵まれれば、燧ヶ岳なども展望でき印象深い旅になったのでは残念だがまた次の機会に残しておこう。

下の写真:左から鳩待峠付近の紅葉、山の鼻付近の紅葉、川上川の清流と紅葉
       
尾瀬ヶ原の草モミジ
 (至仏山方向)
同上(燧ヶ岳方向)
2006年10月26日(木)
米子大瀑布散策
長野県須坂市に在る米子大瀑布を散策した。
米子川源流、四阿山の北嶺の柱状節理の断崖絶壁を二つの滝が並び落ちている。
左が権現滝(落差75m)、右が不動滝(落差85m)で両者を総称して米子大瀑布という。
権現滝が轟音とともに豪快に落ちる男性的なイメージにたいして、不動滝は柔らかなシルクの布を扇状に広げて幾重にも落としたような霧状の滝で、この二つの滝が有名なのは日本有数の「夫婦滝」のためと言われている。また、日本名瀑百選にも選ばれている。
この日は不動滝の右側にある幻の滝と言われる黒滝(落差90m)も見ることが出来、30m程の滝となって流れ落ちていた。滝の落ちる部分が黒くなっているのは水が酸性のためである。
米子大瀑布はアンナプルナの建つ根子岳の裏側、四阿山のカルデラ壁をなす根子岳ー四阿山ー浦倉山ー奇妙山と連なる外輪山の切れ目にある。
また、日本三大不動尊の一つ米子不動尊(米子滝山不動寺奥の院)が米子大瀑布を背に建っており不動行者水行の霊場としても知られている。(写真中央)
米子大瀑布へ行く途中、カラマツ林の紅葉が特に印象的であった。(生憎、車中からの眺めのため写真に収める事は出来なかった)
宿泊は志賀高原熊ノ湯

下の写真:左から権現滝・不動滝・黒滝(黒い部分)、米子不動尊、米子川源流
                                        
不動滝
黒滝
   
2006年10月27日(金)
秋山郷・笹ヶ峰散策
志賀高原熊ノ湯から奥滋賀スーパー林道を経て秋山郷の入り口切明に入る。奥滋賀スーパー林道から眺める紅葉は45年前に見た黒部渓谷の紅葉に勝とも劣らず見事なもので、山全体が真っ赤に燃える所有り、緑・赤・黄色など色彩の良いところ有りで未だ日本にも汚染されていない自然がある事に感激した。
秋山郷は苗場山と鳥甲山に挟まれた中津川渓谷に沿って集落が点在する長野県栄村と新潟県津南町にまたがる県境の里である。江戸時代の文人鈴木牧之の「秋山紀行」には、源氏に破れた平家の残党が逃げ住んだとされている。秋山郷はまた一晩で1m以上の雪が積もる豪雪地帯であり、豊かな自然と今も残る山国独特の素朴な風俗習慣の伝わる里でもある。可能ならば、温泉に浸かりながら1週間ほど滞在したいものである。
午後は、妙高高原の西南にある笹ヶ峰をミニハイクした。周囲は、火打山、妙高山、赤倉山、三田原山など標高2000m以上の山に囲まれ、大自然を満喫できるところであるが生憎の霧で展望が利かなかったのは残念である。一面に広がる草原、ブナや白樺林の中のハイクは日常のストレスを解消してくれた。

下の写真:左から蛇淵の滝、保存民家から苗場山、笹ヶ峰清水ヶ池
    
奥滋賀スーパー林道
切明
笹ヶ峰の白樺林
2006年11月5日(日)
木曽路の旅
倉科様伝説の伝わる木曽路妻籠を旅した。
倉科様伝説とは:
倉科左衛門尉時元は松本平の豪族で、始め武田信玄に仕えたが信玄亡き後松本城主小笠原貞慶の愛顧を享け重臣として面目をほどこしていた。豊臣秀吉が関白に任ぜられたとき秀吉への祝辞言上の正使となりお祝いの品を持って上洛の途上、現在の大妻籠あたりで土地の盗賊に襲われ殺害された。その時、お祝いの品である金の鶏は現在の女滝に舞い込んでしまったという。訃報を知った倉科様の奥方は妻籠の宿まで来て「夫の仇、夫の恨み粟の粒ほど崇れ」と叫んだ。その祟りのためか滝壺は埋め尽くされた。そのため滝壺に舞い込んだ金の鶏は再び悪人共に姿を見られることはなかった。部落の人たちはこれこそ倉科様の霊の祟りだと租霊社に倉科様の霊を祀り、山賊に盗まれた品物を木でこしらえ御霊代として祭祀とした。
今でも4月3日には地元、近在の人たちが多く集まり霊をお祭りしている。
また、吉川英治の「宮本武蔵」でお通と武蔵が出会った男垂の滝はこの滝であり、広重の画、十返舎一九の道中記などにも紹介されている。途中、馬籠の宿、妻籠の宿、寝覚の床を散策した。
寝覚の床は、木曽川の激流が長い年月を経て花崗岩の岩盤を削り取って出来た物で国の天然記念物になっている。岩盤に見られる水平方向と垂直方向に発達した方状節理やポットホールは日本でも代表的な物である。
大妻籠でとったざる蕎麦はこれまでに経験したことのない旨さであった。もう一度食べたい。
今回の旅は天候に恵まれ夜明け前の富士山、南アルプス、中央アルプス、御嶽山恵那山などの山々を望むことが出来た。

下の写真:左から籠の宿、妻籠の宿、寝覚の床
   
男滝 女滝
倉科租霊社
  
大妻籠の蕎麦屋さんで囲炉裏を囲んで
  
2006年11月19日(日)
赤目四十八滝、室生寺散策
 日本名瀑百選に選ばれている赤目四十八滝(四十八滝は数多くの滝という意味)は、奈良県と三重県の県境を東西に流れる滝川の上流に約4kmに亘って点在している。ツアーで行ったため時間に制限があり全行程の1/3程度しか行けなかったため渓谷美や紅葉の良いところを見ることが出来なかったがハイキングコースとしては手頃な場所のようである。「赤目」の名の由来は修験道の祖・役行者が赤い目をした牛に乗った不動明王を見たと言うことからきているとのことである。なお、四十八滝の入り口には日本サンショウウオセンターがあり約160余匹のサンショウウオを見ることが出来る。
 室生寺は奈良時代に桓武天皇の病気平癒の祈願がされ効果があったことから、勅命により造られた真言宗のお寺である。真言宗で高野山が女人禁制であったのにたいし女人の済度をも図った真言宗の道場としても参拝できたところから「女人高野」とも呼ばれている。境内は四季折々の風情を楽しむことが出来この時期は楓の紅葉、銀杏の黄葉などが深山の緑に錦を織りなしていた。奥の院へは、約700段の階段を上るが時間がなく往復20分で往復し全身汗だくになったばかりでなく、数日筋肉痛が続いた。また、金堂に安置されている仏像や5重ノ塔など国宝も数多くある。 宿は奈良市内に取ったため夕食までの時間興福寺や猿沢池、奈良公園などを散策した。

下の写真:左から室生寺表門、室生寺の紅葉、室生寺の紅葉
    
赤目四十八滝・千手滝
興福寺の五重ノ塔
2006年11月20日(月)
薬師寺、談山神社散策
 朝食までの時間を朝霧に霞む東大寺、春日神社、奈良公園を一時間半ほど散策した。この時期は奈良盆地の紅葉も真っ盛りで神社・仏閣と調和し一段と華やいでいた。
 朝食後、天武天皇(686)により発願、文武天皇の御代に完成を見た法相宗大本山薬師寺を見学した。再建された西塔や、丁度公開されていた玄奘三蔵院伽藍等荘厳な美を鑑賞できた。
特に、2回の大火に耐えてきた薬師三尊像の美しい輝きに身が引き締まり、録事のユーモアあふれる法話に過去、現在、未来をもっと大切にしなければと再考せずにいられなかった。
 談山神社は、西暦645年多武峰の山中で後の天智天皇と藤原鎌足が「大化改新」の談合を行ったことに社号の由来とされている。鎌足公の没後長男定慧和尚は父の由縁深い多武峰に墓を移し十三重塔を建立した。この時期の談山神社は燃えるようなモミジの紅葉が壮麗な朱塗りに十三重塔に華を添えていた。 帰りの車窓から見た平城京など奈良の奥深さを感じた旅となった。

下の写真:左から西塔、薬師寺金堂、東塔、玄奘三蔵院
談山神社本殿
十三重塔
2006年12月2日(土)
中伊豆の旅
伊豆修善寺の温泉付き貸別荘ビサージュを利用し、町田の家族とそれぞれの両親で1泊2日の旅にでた。
修善寺の歴史はは平安初期に弘法大使が修禅寺を開基した頃からと伝えられ、鎌倉時代に源範頼、頼家が幽閉され暗殺されるという源氏興亡の哀史の舞台となっている歴史のある町である。普段は何気なく下田へ通じる街道として通りすぎてしまいがちであるが、見所も多く近くに住んでいながら初めて立ち寄ったのが不思議である。
初日は、日本名瀑百選の浄蓮の滝、河津7滝、天城峠等を散策した。
2日目は今がモミジの紅葉がきれいな虹の里、修禅寺、暗殺された源頼家の母政子建立も指月殿園、源範頼の墓等を見学し、達磨山、戸田経由で家路についた。

下の写真:左から修善寺竹林の小道の紅葉、修禅寺境内のモミジ、 達磨山から戸田港を望む   
浄蓮の滝 河津7滝(大滝)
修禅寺 修善寺モミジ林

尾瀬の紅葉

トリカブト リンドウ マユミ

秋山郷・笹ヶ峰の紅葉

奥滋賀スーパー林道 奥滋賀スーパー林道 三玉不動尊付近の清流 蛇淵の滝付近の紅葉 笹ヶ峰 霧にかすむ笹ヶ峰牧場

木曽路の紅葉

夜明け前の富士(御坂峠) 雪を抱いた御嶽山 経ヶ岳付近の紅葉 カラマツの紅葉 木曾駒ヶ岳 寝覚ノ床付近

談山神社の紅葉