さいはての下北半島・三陸海岸と秘境仏ヶ浦遊覧・海沿いのローカル線五能線の旅

今回の旅は宮城県気仙沼から北に三陸海岸を下北半島大間崎まで約300km遡り、
               そこから青森県を横切り日本海へと向かう・バス走行距離1400kmの旅となった。                                                                  

2009年9月7日(月)
巨釜半造・碁石海岸
 一日目
 古川→一ノ関IC→気仙沼・海の市→巨釜→碁石海岸→宮古
 東北新幹線古川駅から一ノ瀬関経由で日本最大の水揚げ量を誇る
気仙沼に向かう。気仙沼漁港は世界最大漁場の一つである三陸海岸沖を操業域とする漁船の主要な水揚げ港であり、遠洋漁業(主にマグロ)の基地の一つでもある。早速、ツアーおなじみの海の市での買い物から旅が始まった。私はフカヒレスープの素、とろろ昆布などを購入した。
 いよいよ三陸(陸前、陸中、陸奥)のリアス式海岸に沿って北上する。なお、リアス式海岸とは、起伏の大きい山地が地盤の沈降や海水面上昇によって海水の侵入を受け、鋸の歯のようにギザギザに連なっているような地形を言う。三陸では宮古以南から牡鹿半島にかけての海岸がこれに当たる。
 最初の景勝地は、唐桑半島にある
巨釜半造。巨釜半造は唐桑半島中ごろにある二つの岬で、殆どの岩は灰色から白色の結晶質石灰岩で出来ている。明治の三陸地震の津波で先端の2mほどが折れた折石(高さ16m・幅3m)、高さ10m・幅70mほどの八幡岩、500m沖には人参島の岩礁にぶつかる白波が見える。奇岩・奇蹟、青く澄み切った海、岩に砕ける白波私の地元では見ることの出来ない風景であった。
 次に碁石海岸に向かう。碁石海岸は、岩手県大船渡市末崎半島にある海岸。碁石のような扁平な石(黒色の泥岩による円礫)で構成されている。海岸沿いに穴通し磯、巾着岩、雷岩と乱暴谷、千代島、碁石岬、碁石浜まで続く約3kmの景勝地。また、碁石の素となる黒色泥岩は黒崎仙境までの7kmに亘って続いている。また、太平洋の雄大な地平線が眺められ来て良かった気分になれた。
 碁石海岸を後に、三陸海岸を右に見ながら一日目の宿泊地宮古に向かう。バス走行距離:258km
写真左から釜石の大仏、
気仙沼の海の市、陸前高田の松原
  
巨釜
巨釜(折石)
碁石海岸
2009年9月8日(火)
浄土ヶ浜・北山崎
 二日目
 宮古→浄土ヶ浜→北山崎→八食センター→奥入瀬(奥入瀬渓流ホテル泊)
 
浄土ヶ浜は岩手県宮古市にある海岸で三陸を代表する景勝地。天和年間(1681〜1684)に宮古山常安寺7世の霊鏡竜湖が「さながら極楽浄土のごとし」と感嘆したことから名付けられたと言われている。
約5000年前に形成された火山岩から成る白い岩塊と同色の小石によって
外海と隔たれた波穏やかで清明な入り江が形成されている。また、遊覧船で外海に出ると太平洋の荒海に浸食された男性的な景観を見ることが出来る。松の緑と岩肌の白、海の群青とのコントラストは誠に見事である。また、岩手県の県木「イワレアカマツ」を前景にした景観も素晴らしい。
 浄土ヶ浜は海猫の生息地としても有名。遊覧船に群がる海猫の大群も見事である。
 
北山崎は、海のアルプスと呼ばれる高さ200mのに達する海食崖や洞門、巨岩が8kmに亘って続く陸中国立公園の代表的な景勝地である。「やませ」と呼ばれる風や濃霧が海上に発生しやすく霧のような雲が断崖麓の海面を覆うときもある。 本日の宿泊地奥入瀬渓流ホテルへの帰路、八戸市にある「八食センター」に立ち寄りツアー恒例のショッピングタイムを過ごし奥入瀬へ。 奥入瀬では、時間があったので1時間ほど奥入瀬渓流を散策した。バス走行距離:220km


写真左から潮吹き岩、ロウソク岩、イワテアカマツからの景観、奥入瀬の渓流
     
浄土ヶ浜(剣の山)
浄土ヶ浜
北山崎
2009年9月9日(水)
恐山・大間崎・仏ヶ浦・十和田湖
 三日目
 奥入瀬→恐山→大間崎→仏ヶ浦→十和田湖(ホテル十和田荘泊)
 恐山:恐山は下北半島中央部に位置する外輪山、霊場であり高野山、比叡山と並ぶ日本三大霊場の一つである。恐山はカルデラ湖である宇曾利湖を中心とした外輪山の総称で、火山岩に覆われた「地獄」と呼ばれる風景と美しい宇曾利湖の「極楽浜」との対比が特徴的。開山は862年、天台宗を開いた最澄の弟子慈覚大師円仁。円仁が唐に留学中、夢で「汝、国に帰り、東方行程30余日のところに至れば霊山有り、地蔵尊一体を刻し仏道を広めよ」という御告を受けた。円仁は日本に帰国し夢に告げられた霊山を探し歩き、下北半島にたどり着いた。恐山は地蔵信仰を背景にした死者への信仰の場として知られ「人は死ねばお山さいく」と言い伝えられている。参拝順路にしたがって約1時間見学した。
 恐山を後に下北半島の太平洋側をさらに北に遡り本州最北端のマグロの一本釣りで有名な大間崎へ向かう。大間崎からは北海道の亀田半島・恵山岬が眺望でき、マグロの刺身も食すことが出来た。
 佐井港でホタテ丼を頂き、高速船で本州最北の秘境仏ヶ浦遊覧に出掛けた。仏ヶ浦は陸奥湾口の平舘海峡に面した峻険な海岸沿いに2kmに亘り、奇異な形態の断崖・巨岩が連なる海蝕崖で、それぞれの奇勝には浄土のイメージを重ねて「如来の首」、「五百羅漢」、「極楽浜」等の名が与えられている。仏ヶ浦は海岸沿いに展開する長大な景観であり、海上からで無いとその壮大な景観は見られない。当日は、海上が荒れ模様で乗船した観光客の70%は揺れのため体調を崩したようだ。乗船しなかった観光客にによると高速船が波間に見え隠れし沈没するのではと心配したようだ。ジェットコースターに乗れない私は全く問題なく、今後孫と遊園地に行く自信がついた。バスの走行距離:371km
写真左から本州最北の碑(大間崎)、大間崎から恵山を望む、仏ヶ浦
  
恐山・山門
宇曾利湖
賽の河原
2009年9月10日(木)
発荷峠・鰺ヶ沢・千畳敷・白神山地十二湖(青池)
 四日目
 十和田湖→発荷峠→康楽館→弘前→鰺ヶ沢→千畳敷→十二湖→能代→仙台
 早朝十和田湖を散策し、ツアー最長500kmのバスの旅に出発。発荷峠ではバスの車窓から十和田湖を眺め、小坂鉱山の厚生施設として建てられた日本最古の芝居小屋康楽館を右に眺めながら小坂ICへ。色づいた岩木山山麓のリンゴ畑を左に眺めながら一路五能線鰺ヶ沢へ。
 五能線は、秋田県東能代駅と青森県南津軽郡の川辺駅を結ぶローカル線で、日本海に沿って走るツアー客に人気の路線である。
 30分ほどローカル線の旅を楽しみながら津軽藩の殿様がそこに千畳の畳を敷いて大宴会を開いたとされる千畳敷駅で下車。千畳敷の岩は緑色凝灰岩(グリーンタフ)で付近に奇岩奇石も多い。
 ツアーの最後は、白神山地の日本海側の広大なブナ林の中に点在する十二湖の散策。その中で十二湖の代名詞とも言える「青池」は、青いインクを流し込んだような美しさで、水中には枯れたブナが横たわる静寂の池である。十二湖への道中地震によるがけ崩れと褶曲による歪みで、白い石灰岩の露出した絶壁状の山肌がみえる。(グランドキャニオンに似ていて日本キャニオンと呼ばれる) 十二湖を後に能代ICから虹に見送られ秋田自動車道、東北自動車道を経て仙台への帰途につく。(また、三日目には海面に掛かる虹を見ることも出来た。)
 今回は陸奥観光のベテランガイドのもと、楽しい旅となった。
バス走行距離:500km




写真左から早朝の十和田湖、発荷峠から十和田湖、岩木山山麓のリンゴ畑、日本キャニオン
  
 
五能線
千畳敷海岸
白神山地・十二湖・青池

                   奥入瀬渓流ホテル(食事・部屋・露天風呂・周囲の環境共に良かったので掲載した)

奥入瀬渓流ホテル八重・九重の湯 奥入瀬渓流ホテルラウンジ 奥入瀬渓流ホテル正面 奥入瀬川の流れ ラウンジから森の眺め
ほんのり白い濁り湯九重の滝を望みながら新緑、紅葉の季節の露天風呂を想像すると 岡本太郎の作品集