2006、ミスター宮城参戦記  H18,8月14日

●漏斗胸手術
 

昨年5月、漏斗胸の手術を受け、数ヶ月はまともにトレーニングできず、完全復活はいつだ?ともやもやする中、徐々に動けるようになり、冬頃にはほとんど支障ない状態にまで持ってこれた。今なんか自分が手術したことなんてすっかり忘れた感じです。
 2005年の宮城大会に出場することをモチベーションに日々トレーニングを積んできたが、ほぼ惰性でトレーニングする日々が続き、実のところ大会に出る、という感覚すらなかった。出なければ出ないで別にいいや、でも出るっていってしまったからなあ・・という感じでした。
 
●食べて痩せよう!?!?

春になりいよいよ減量開始。自分なりにプランを立て、今回は「食べてやせよう、食べて上げろよ新陳代謝」をモットー?に頑張りました。減量はこれで二回目。おととし初めて大会に出たとき以来。果たして結果はどうなるのか?バリバリになれるのか?おととしよりもはるかにインプルーブできているのか?
 今回は特に自分の中で情報が交錯し、あれをやっては駄目で次、そして駄目になって次、実に色々試行錯誤しまくりました。二回目だし、どうやったらいいのかもよくわからず、時には会員さん同士で情報交換しながら切磋琢磨しつつ減量シーズンを過ごしました。ほかの出場者の皆さんも大会が初めてだったり、経験が少なかったりで、みんなしてあーだこーだ議論を交わしつつの減量シーズン。
 最初は何をしても絞れてきたのですが、すぐに停滞期。しかしなんだかんだでおととしより少し筋肉もつき、絞れた状態になれたのはよかったです。少しずつトレーニングの仕方がわかってきた。頭でなく、体で。のほうです。
 しかし結局のところ、仕上がり具合は70%といったところでした。おととしが50でしょうか。食べて痩せようのプランでは、一般的には「もう十分絞れているじゃん!!」の段階まで十分持っていけることはわかりましたが、ボディビルのコンテスト的に全然甘い状態で、ここからもう一段階、もう二段階絞るにはもっと極限なことをしなくてはならなかったのか、と思いました。
 しかし時すでに遅し。大会本番を迎えた。

●あっと言う間の大会前日・・・ 

前日から水分を控え、当日は潤す程度。この「水抜き」も会員さん同士でずいぶん話題になり、いろいろな情報が交錯しました。塩分もそうですがね。結局は水抜きはしたつもりでしたが、なんかいつもと変わらなかった・・・。ただのどが乾いて張りがちょっと消えたかな、位のもんで・・・。ただ、へそ周りの皮?がよりいっそうシワシワになった。
 仕上がっていなかったから変化がわからなかったのかな?フリーポーズも前日のぱぱっと決めるだけになってしまった。なんか面倒くさくてなかなか取り組まなかったうちに、前日になってしまった。そう、こんな時期になってもどこか真剣に取り組まない自分がいたのである。大会に出る実感が前日までわかなかった。ぴんと来なかった。

●いよいよ大会当日!! 

当日、早起きしてご飯1合、小さなおはぎ3個、バナナ1本とツナ缶1個を食べる。これでもう腹いっぱいに。電車で仙台へ。今回の舞台は仙台市民会館小ホールです。
 会場には9時過ぎに着いた。すでに何人か来ているが、まだ閑散としている。その中、会田"キッコーマン"英之君がいた。
 彼は今回がコンテストデビュー。当然減量も初めて。しかしゴールドジム仙台陣の中では一二を争うほどバリバリになった男。初めてとは思えない仕上がりだった。おまけに筋力も強い!はっきり言って僕の仕上がり具合なんか問題になりません。
 バナナを食って軽くストレッチして、ゆったりしていると、続々ゴールド陣が来場。やはりみな厚着だ。パンプアップに供え、体を絶対に冷やさないこと、特にこのシーズンは冷房が強いので、体なんか簡単に冷えてしまいますので。今回は僕もウインドブレーカー持参。
 そんな中、優勝経験のある川村さん来場。一目見てびびった。袖から出ていた前腕の割れ具合、そして黒さ・・・・。も、ものすごい仕上がりを予感させた・・・。この時点で50%くらいへこみました。

 ゴールド人全員そろったところで地下の小ホール前へ。受付を待つ。選手や一部の応援の方々はすでに集結していて、選手と思しき方の顔を見渡すと、おととし一緒に大会に出ていた方も何人かいた。なんかやたら色が黒い。そして精悍な顔立ち。果たしてリベンジできるのか?・・・なんかすごそうだ・・・・。

●楽屋にて・・・ 

受付をし、楽屋入り。しばし足をあげてゆったりし、まもなくストレッチ、そしてゆっくりとパンプアップ開始。そしたらまもなくオイルチェック(オイル塗布は駄目)とパンツ幅(二センチ以下はなぜか駄目)が来た。そこで皆とりあえず半裸になるのだが、その時点でまた戦意喪失、み、皆凄すぎる・・・!!ちょっとした選手間プレジャッジになっていた。とにかく目立ったのが、皆色が黒い!!ゴールドジム陣は皆白いくらいだ。僕なんかもう黄土色ですね。皆いったいどうやってこんなに黒く・・・。やはり海に行きまくったのか?!?やはり黒いと仕上がりが進んでいる印象を強く受け、迫力が増す。
 すっかり自信が無くなった僕は半裸どころか3分の2裸でチェックを受け、そそくさと去る。い、色が白い・・・いや、黄色い・・・。そしてしょぼい・・・・。
 
●パンプしてくれー!

さて、いよいよ本格的にパンプアップ!!!まさに祈る気持ちでパンプアップ!!おととしは全く張らなかった。パンプが決まればちょっとはマシになるのでせめてパンプだけしてくれー!と祈りつつ腕立て伏せなど。ナカナカ張らなく焦ったので、ここでアルギニンとポカリ少々を添加。結局30分以上経ってようやく張ってきた。よかったー。間に合った。でもトレーニング中のようには張らなかったなあー。肩が張らなかった。全体で7割張ったってところか。でも十分です。よかった。

 さて、いよいよプレジャッジ。皆舞台裏に行き、最終パンプ。廊下のあちこちで半裸の男たちが腕立てやチューブ引きでまさに地獄絵図。
 まもなく収集がかかり、番号順に並ぶ。み、皆すごい・・・!!もう予選突破すら危うい、この時点での正直な気持ちです。・・・お、終わった・・・・やはり甘い世界ではなかった。

●プレジャッジ開始!! 

いよいよ幕が開き、選手入場!!二年前のあの光景と一緒だ。懐かしいとかはなかった。とにかく堂々と自信を持って仕事するだけ。ステージに上がった瞬間、不思議と緊張はすべて消えた。
 ピックアップ審査開始。なんと、いつも上位にいる人までが呼ばれていた!!こ、これはますますもって今年はレベルが高い!!
 僕は2回位呼ばれた気がする。ああ、今年もボーダーか・・・そんな予感が頭をよぎった。
 あっという間にピックアップ審査終了。あとは発表を楽屋にて待つ。
 楽屋にて・・・もうぐったりしていた。脚をあげてのんびり横になり、体を休める。ちなみにこの間の食事はどうしたらいいのやら?水分は?やはりパンプ前にまた張りが足りないときだけ飲めばいいのか?とりあえず、プレジャッジで使ったエネルギーを補うためにバナナ一本食べる。
 
●奇跡!!
 
 数十分経ち、収集がかかる。皆廊下に呼び出される。ここで決勝進出者の発表。多分厳しい・・という感じで待つ。
 ゼッケン順から、石川さんなど、進出の方が呼ばれる。同胞の宮武君も、プレジャッジで呼ばれたものの決勝進出。そして同胞の関谷さんも残った!!関谷さんの次の番号は僕なので、飛ばさないでくれーと思いつつ待つ・・・。「19番、齋藤孝治選手」はい、と返事しないで、「うわー」とか言ってしまった。と思う。びっくりのあまり、僕のあとに誰が残ったか聞いていなかった。
 さあ、比較審査はすぐに始まる!!その場ですぐにパンプアップ再開!!!急げや急げ!!もう自分のことで頭がいっぱいだった。うーん、まさか通れるなんて夢にも思わなかった。どう見ても周りの人のほうがすごいんだが・・・。
 プレジャッジで体を使ったせいか、割とすぐにパンプアップ完了、すぐに「並んでくださーい」と声がかかる。ステージ裏最後まで関谷さんとパンプアップしあっていた。ここでパートナー同士だともっとスムーズにパンプアップできることを覚えた。今更・・・。

●決勝ラウンド開始!! 

さて、一人ずつ番号を呼ばれ、ステージに上がっていく。宮武君が行き、関谷さんも行く。僕も呼ばれ、とりあえずガッツポーズしてマスキュラーした気がする。客がシーンとしていたのがちょっと寂しかった。しかし決勝に残り、今こうしてすごい人たちと並んで立っている、ということだけでまた緊張はなくなり、やる気がみなぎってきた。(ボディビル知らない人からすれば「何のやる気だよ、わかんねーよ」と突っ込まれそうですがね)こっちは真剣!!
 ファーストコールで石川さんなどが呼ばれ、なんと宮武君も呼ばれていた。ちょっとうらやましかったが、彼だったら呼ばれても仕方がないと思った。
 そう、こうしてみていると、上位の方たちとは決定的に何が違うかって、「仕上がり」これの一言。とにかくバリバリである。脂肪が完っっっっっ全にそぎ落とされ、筋肉と皮一枚しか残っていない。そう、腹だけではなく、背中の隅々まで、脚の先まですべてである。動く人体解剖図そのものである。仕上がりがいいとこうまでも迫力が増すものか。ゴールド陣でも仕上がりバリバリトップの関谷さんでさえ甘く見えるほどである。僕なんて減量前の状態に等しい。
 比較のされ具合から行って、10位争いかな、という感じだった。比較はあっという間に終わった。

●お昼休みでグッタリと 

昼休み。饅頭喰って脚あげて寝ていた。開会式と選手紹介までまだまだ時間がある。とにかくのんびり体を休める。この時間になった頃、体はますます甘くなってきた。どうすればよかったんだろ・・・わからん。カーボとりすぎた?なかなか張らないと勘違いして余計にとったとか?うーん・・・・。
 ここで、ゲストの合戸選手が入ってきた。すごいバルクだ!!!腕が異常なまでに太い。国内最高峰のバルクを目の当たりにし、選手一同ジーーーーっと見つめていた。
 握手して写真とってもらった。いい記念になった。
 
●開会式でございマッスル

 時間が来て、開会式。偉い人まで「何々でございマッスル。」とか言っていた。言っていたというより、言わされていた感が強い。
 そして選手紹介。とりあえずここは審査対象外なので適当にポーズする。しかしあとで思えばもっと考えてから行けばよかった・・・。30秒は短すぎた。何もできなかった。

 一般男子フリーポーズまでまた時間がある。廊下でしばし休憩し、時間を逆算してパンプアップ開始。疲れてきた割には楽にパンプした。しかしフルにはパンプしなかった。何がいけないんだろ。休まないでもっともっとやり続けないといけないのか?「もういいだろ」と思うのが早すぎたのか?カーボ云々よりそっちである可能性が高いと今更思う。
 
●初フリーポーズ

 元優勝者の今村さんのフリーポーズはさすが!!の一言だった。うまい、うますぎる!!これぞ芸術品、である。ミスター日本のビデオ見たことあるが、その人たちよりずっとうまいと思った。
 宮武君、関谷さんも終わり、いよいよ自分。初フリーポーズです。前日に二時間で考えただけあって、何の工夫もへったくれもない構成になっている。忘れないよう、余計なポーズを詰め込まず、あくまでスタンダードに考えたつもり。とにかくゆっくりとゆっくりと、余裕を持ってゆっくりと!!と言い聞かせる。
 音楽が流れ、予想通りブツッと途切れる。音も低い。家のラジカセがぼろいせいか、何度録音してもブツッブツッと途切れる。しかもなんか音が聞こえにくい。何度やっても同じなのでどうしようもなくそのまま提出した次第です。
 でも音響さんがすぐにボリューム調節してくれたので、すぐに普通に流れた。ルーチンは間違えず、ゆっくりととることができたが、途中で音楽を消され、最後のポーズを決めることができなかった。あ、あらっ?と拍子抜けで終わった。
 最後、10人でポーズをとる。そして後はポーズダウンを待つのみ。ここでゲストの合戸選手がポーズを待つため出てきた。今度はポージングパンツ一枚。なんと言うか、すごいのはもちろん、もうかぼちゃみたいだった。驚愕。

 しばし時間が空き、ポーズダウンに備えて最後のパンプアップ。もう順位は決まっているが、少しでもいい状態でステージに上がるため、パンプアップは欠かせない。

 
●ポーズダウン!!

 
人生初ポーズダウン開始。皆うろうろ移動していたと思うが、僕はたぶん最初に呼ばれるだろうと思い、遠慮してずーっと同じ場所でポーズをとっていた。隣に来た人のポーズを真似する余裕もなかったが、少し真似した気もする。
 10位で、今村選手が呼ばれた。ええーっ?と思った。しかし過去の優勝者に勝った?という実感は当然なし。仕上がってなかったし、当然ご本人だってわかっているし、仕上げたらどうなるか僕は見たことあるからなんともなかった。ただ、自分が最初に呼ばれなかったのであれ?とおもっただけだった。
 9位で宮武君が呼ばれた。客席の前列から「ええーっ!?!?」という声が聞こえた。僕も彼は多分5位くらいだろうと思っていただけに、ポーズとりつつビックリした。何だろう、仕上がりが甘いとでも判断されたのか?
 で、高橋さんが呼ばれ、関谷さんが呼ばれた。あれ?まだ?と思いつつポーズしていた。ポーズをとるより、順位発表の声に耳を傾けることに神経集中していたと思う。
 結局トップシックスに残ってしまった。き、奇跡だ・・・・!?!?六位のアナウンスで、やっと呼ばれた。なんかホッとした。自分としては快挙!!!予選突破すら危ういと感じていたのに、まさかまさか六位とは・・・。
 
●表彰式

結局川村さんが優勝した。ものっすごいバリバリだった。
 表彰式、何年ぶりかにトロフィーをもらった。自分用のトロフィーをもらったのはホント久々だ。いつ以来だろ、小さい頃柔道して色々それなりにもらっていたから、それ以来だと思う。20年ぶりくらいかな?受け取ったあと、客席にお辞儀するのを忘れた気がする。

 終わった。あっという間だった。僕にとってはなかなかの大冒険だった。昨年の退院後のあの状態からよくやったとしみじみ思った。
 
●レセプションにて・・・ 

大会後のレセプション、県民会館の二階で行われた。おととしはエビチリ二個程度食っただけであっという間になくなってしまい、何も食えなかったが、今回は余るほど出た。大好きな中華だ。うまい、うますぎる!!うーん、久々の油料理。
 いろいろな人に話を聞いた。元東北大会優勝者で以前マッスルジムで大変お世話になった阿部さんに、どうして入賞できたのか聞くと、「いや、おめは六位だ。随分よくなったなー」と率直に言ってくれた。あと、ほかの人にも色々聞いたら「背が高い割にはバランスがよかった」とか「フレームがあるから大きく見えた」とか言われたが、一様に「仕上がりが・・・・」と言われた。ちゃんと仕上げてくればもっと上位狙えたのにと言われ、ちょっと自信がついた。
 上位陣の方との仕上がり具合は全くと言っていいほど差がある。もっともっと絞らないと。
 色々話を聞き、僕は色々考えすぎたのがいけなかったようだ。ちょっとした変化で「やばい、代謝が落ちてきたようだ、カーボ入れないと駄目だ」とか、それが減量を阻害していたかもしれない。それでもじっと辛抱して続けていれば、いつか「ぱりっ」と仕上がってくる時期が来るらしい。それが一週間だか二週間だかわからないが、そしていよいよ力が出なくなってトレーニングができなくなったときに初めて食べる。体重が落ちたり体がぺターンとしてしまってもこういう時に食べれば一日二日で戻るから心配要らないと。大会当日を狙うのでなく、早めに落としきって、そこから維持しつつ筋力を戻し、体重を上げていく感じでするらしい。なるほど。型にはめないでもっと辛抱して待つことも必要だったわけだ。大会に出てなければこんな話は聞けなかった。次回の減量時はやってみる。

 さて、チャンスがあり、ジャッジペーパーを見せてもらった。ピックアップ審査では、一ポイント以外全部チェックが入っていて、予選通過は確実だったんだーと改めて思った。素直にうれしい!
 そして、決勝ラウンド?をみると、結構評価にばらつきがあった。9位票が多かったり、4位や5位がついていたり。で、実は6位から9位はものすごい団子状態だったことがわかった。7位の関谷さんとはなんと1ポイント差!!しかも決勝の比較審査では同点であった。引き分けみたいなものです。9位の宮武君とも3ポイントくらいしか差がないので、誰が6位でも全然おかしくなかった状態。審査員の方も随分悩んだようだった。

 あとは個別で打ち上げなどに参加、なんかもう脂肪が乗ってきた気がする・・・・・。

●無謀なる挑戦 

さて、東北北海道大会の出場権を得たわけだが、大会当日は「絶対に出ません」と言い切ったものの、もっと絞れば僕はどうなるんだろう、と言う思いが頭に残っている。単にこのまま絞り続けるのはモチベーションがなくて絶対に妥協してしまうので、結局二週間後の東北北海道大会に出ることにした。まだエントリーしてないですが・・・。
 二週間・・・・この短い期間で宮城大会よりもずーっと絞れた状態でステージに上がれるのか?同じ状態だったら今度こそ予選落ち、と言うより、順位どうあれ自分自身の中で納得ができない。
 そういった意味では、順位云々より、仕上げる勉強のために出場と言ったほうがいい。明日からまた減量再開、レセプションの時に聞いた「パリッとするまで落とし続けろ!」をやってみます。二週間程度でどうなるかははっきりいって期待はできないが、やってみないとわからない。あと、「何時にこれを食べて・・・・」と時間を気にするのもやめようかと。もっともっと体に耳を傾ける訓練も必要かな。
 とにかくやってみないとわからない、宮城大会よりずっといい状態で東北大会を迎えることを目標に、最後の二週間、チャレンジしてみる所存です。そして撃沈してきます。これによって得るものはきっと多いでしょう。そして来年、そして僕が本来一番欲しいもの「バルク」これにもつながってきて、またビルダーとしてステップアップできるきっかけになることと思います。

 今回の宮城大会、得るものはとても多かった気がする。これからのトレーニングがますます真剣なものとなり、究極のバルクを身につけ「キモイ」と言われるその日を信じて・・・!