2010
隗の会・1月の俳句

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     隗作品抄             大山雅由選

 

祭りをへ細身となりぬ惜命忌       大畠 薫

 

奥能登に時雨くる日や千枚田       永島正勝

 

つれなくも余生は灯る落葉かな      加藤一帆

 

里人のしづかな眼ななかまど       上田公子



かいつぶり遠く眺めてゐるばかり     飯島千枝子

 

落し穴あるかも知れず落葉道       和田久美子

 

菜園に棒竹残し秋収           森田京子

 

冬うらら隣村まで缶蹴つて        関口道子

 

真相を語らず滝の凍てにけり       きょうたけを

 

隣室の咳の痛みを感じをり        山田泰造

 

母の忌の山なみつつむ冬霞        矢畑昌子

 

湯たんぽや森繁の声聞きながら      荒井和子

 

悪しきこと空耳となし浮寝鳥       金子千恵子

 

目眩して約束反故に木の葉髪       丘 舜風子

 

凩や狸の屍跨ぎゆく           宮本恵吾

 

師走きて勝負の駒が動かせぬ       宮崎晴子

 

子電球切れてそのまま神の留守      河合良三

 

まばたけば風にまぎれて雪蛍       須賀智子

 

川風に小鳥群れなす神迎へ        斎藤八重

 

吊し柿子は振返らずに家を出づ      長井 清