2010
隗の会・8月の俳句

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     隗作品抄             大山雅由選

 

湖東より天下遠望して涼し        篠原悠子

 

一徹の老ゆることなし青田風       上田公子

 

鱧食うて疫病神に見放さる        きょうたけを

 

古時計磨き昭和の夏語る         猪口鈴枝

 

白桃や指の先より老いはじむ       宮崎晴子

 

来し方も病歴も似て蛍の夜        吉澤銚子

 

牛蛙野太く鳴きて空は晴れ        青柳明子

 

こごみ食ぶ平城はすつぽり雨の中     井上 睦

 

ふり洗ひする母の背や盆近し       斎藤八重

 

鯤鵬となりて天翔く夏の空          細見逍子 

 

駆けてゆく少年に熟れ麦匂ふ       須賀智子

 

盆支度家伝口伝の遠くなり        榎 和歌

 

同じ山歩く年月花は葉に         飯島千枝子

 

「赤べこ」が起点万緑動き出す      小山洋子

 

花茣蓙を敷いて落着く新所帯       長井 清



大夕焼天動説を引きずつて        関口道子

 

美しく己欺く水中花           河合すえこ

 

夏蝶を列にくはへて野辺送り       崎啓子

 

老鶯や木立の闇に神の居て        永島正勝

 

ねぢ花を摘み取る少女ためらはず     佐藤禮子