2011
隗の会・8月の俳句

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     隗作品抄             大山雅由選      

桐大樹花の見頃に人待ちて        吉澤銚子

 

ハンカチの花の別れもまた楽し      佐藤禮子

 

麦秋や嬰児に追はれて雛駆ける      菅澤俊典

 

師のをしへ肝に蛙の目借時        長井 清

 

あるだけの秣牛舎に明易し        小山洋子

 

喜寿傘寿枕並べて夏来る         森田京子

 

薔薇新種「神代炎」と投書して      金谷陽一

 

啼声の遠からず止み春惜しむ       佐山 勲

 

山は藤美男大仏御座しまし        永島正勝

 

片陰や課外授業の列長く         清原伸江

 

みどりの日草の名聞いてすぐ忘れ     荒井和子

 

上布着て操る人形芝居かな        稲辺 栄

 

一雨にもう筍と言へぬ丈         関口道子

 

東雲や腰に提げたる夏帽子        逸見 貴

 

水琴の音のかすかに竹落葉        伊藤俊彦

 

一族と言ふもかばかりみどりの日    和田久美子

 

靄に淡く雲に色濃き夕焼かな       細見逍子

 

甘き香の薔薇の名前はチャールストン   小川マキ

 

ここかしこ押し上げられて春の草     木林万里

 

残月や泰山木の花に明け         森山蝶二