2012
隗の会・1月の俳句

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     隗作品抄             大山雅由選      

 

 

波郷忌や受賞のをのこ多弁にて      木林万里

 

ひしひしと遡上の鮭の叫びがほ      篠原悠子

 

青みかん愛憎すでに遠くして       斎藤八重

 

初秋刀魚みなと稲荷へ奉る        長井 清

 

好日やうなゐ髪照る甘藷畑        山本武子

 

長き夜や仏の酒を飲み干して       猪口鈴枝

 

若き街かぼちやランタン灯さるる     佐藤禮子

 

古希の子と卆寿の母や秋うらら      永島正勝

 

面白き事を見ばやと案山子立つ      大畠 薫

 

砲口の先に街あり秋寒し         きょうたけを

 

茸採り熊のとり分残しおく        小川マキ

 

初穂添へどつさり届く今年米       丘 舜風子

 

実石榴のすとんと見えを切りにけり    河合すえこ

 

時雨るるや辻を曲りて元の辻       肥田木利子

 

流木のふるさといづこ雁渡し       須賀智子

 

冗談かほうけたふりか鳳仙花       飯島千枝子

 

ずんだ餅食みて故郷の刈田かな      森井和子

 

面とれば幼なの顔や神楽舞        中村 格

 

白を切り通せぬものか唐辛子      遠藤真太郎

 

黄落の中のプリズン跡地かな       関口道子