2012
隗の会・7月の俳句

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     隗作品抄             大山雅由選      

 

花御堂出でマクベスに会ひにゆく    森田京子

 

釣人の釣つては放つ春日かな      河井良三

 

牛の仔の生れし祝や草の餅       渡辺らん

 

夜桜や呪文三つ四つ魔女めきぬ     玉井信子

 

源義墓拝して春を惜しみけり      髙崎啓子

 

母の日や美しきことのみ憶えをり    梅田知子

 

磴けはし登りきつたる青葉風      吉澤銚子

 

昏々と眠れる人へ初袷         大畠 薫

 

見応への燕返しや峡の宿       河合すえこ

 

裏口に筍飯の届きをり         山田泰造

 

噴き上げて筍飯の厨かな        富岡美和  

 

左のみダイアのピアス業平忌      稲辺 栄

 

独活の饅わかるわかると言はれても   篠原悠子

 

子離れの潮時なるや更衣        岩本晴子

 

役行者現れさうな春の山       飯島千枝子

 

母の日のやまなみのみななだらかに   榎 和歌

 

安達太良の空の真青を初燕       小山洋子

 

涼風を招き入れたる仏間かな      黒川清虚

 

蜃気楼島影二つ増えゐたり       須賀智子

 

馴初めをつい口に出し桜餅       山本武子