2012
隗の会・9月の俳句

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     隗作品抄             大山雅由選     

 

目も口も鼻に集めて夏蜜柑        山口文美 

 

足ひとつ浮かせて象や南風        渡辺らん

 

立葵鯨の戒名祀りをり          永島正勝

 

死ぬること知らずに逝きぬ時鳥      遠藤 忍

 

初蝉とただの二文字日記帳        山内直之

 

窯口のあがる火の手や明易し       肥田木利子

 

雨の午後教材の蟇三度鳴き        山田泰造

 

月赤き夜をなめくぢりてらてらす     内山玲子

 

ぼうたんの根付きて九年八つ咲く     佐山 勲

 

梅雨出水いく度堪へて老いにけり     長井 清

 

梅雨寒し母といふ名の敵のゐて      飯島千枝子

 

血縁のときにうとまし栗の花       上田公子

 

子の目には狸見ゆると夏の夜       西原瑛子

 

橋過ぎるころには暮れて桐の花      篠原悠子

 

百合香る遺品の句帳そつと開け      大畠 薫

 

心音に重なる祭太鼓かな         青柳明子

 

気がかりは母の一分捩花         岩本晴子

 

白木槿やさしき傷みありにけり      榎 和歌

 

梅雨寒やあやとりの本借りてくる     和田久美子 

 

片白草淡し午後より風の出て       須賀智子