2012
隗の会・10月の俳句

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    隗作品抄             大山雅由選     

 

かもめ食堂灯の煌々と夏の暁       篠原悠子

 

鬼灯の花や隠れ子忘れられ        玉井信子

 

水の色空の色とも銀やんま        佐藤禮子

 

担ぎ手の去りて艶増す神輿かな      菅澤俊典

 

軍港の波ぴちやぴちやと夏の逝く     岩本晴子

 

鉢花の二束三文秋めける         森田京子

 

脊柱管狭窄は無し蛞蝓          井上 睦

 

足元を流るる雲やケルン積む       逸見 貴

 

ぴちぴちとピーマンおどる厨かな     富岡美和 

 

ひとり居や時々唸る冷蔵庫        須賀智子

 

岩百合や粟島ぐんと引き寄する      小山洋子

 

ぐみ原に棲みたくなりぬ夕焼雲      長井 清

 

怖きもの無かりし頃や青葡萄       荒井和子

 

柿食ふや発破のボタン押すときも     きょうたけお

 

先生のついとあらはる夏羽織       髙崎啓子

 

あれこれと女かしまし冷し酒       村井幸子

 

住み慣れる谷戸去りがたし濃紫陽花    丘 舜風子

 

ジャズの音や佐渡に溶け込む大夕焼    梅田知子

 

じやがいもの花より山雨はじまりぬ    森山蝶二

 

祭笛眠りの中を風通る          上田公子