2013
隗の会・1月の俳句

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     隗作品抄             大山雅由選     

 

暮早し一口説法力みなく         岩本晴子

 

マクベスも蜘蛛巣城も冬の霧       菅澤俊典

 

梵鐘や出羽の山なみ雪降り来       河合すえこ

 

往生などあてにせぬなりとろろ汁     岩田 桂

 

鴨川の水なみなみと豊の秋        横山多加

 

葡萄食むお世辞上手な男来て       山田泰造

 

上棚の毒薬天秤身にぞ入む        須賀智子

 

蓮根掘る海抜ゼロの表示板        きょうたけを

 

水澄めり山の向うが見えてゐて      篠原悠子



胸の内告げぬままなり曼珠沙華      森田京子 

 

女郎花美醜あざなふ縄のごと       細見逍子 

 

拾ふたび胸にふる里栗袋         佐山 勲

 

腕かして人喜ばす秋の暮         小山洋子

 

木々透けてはやき瀬音を崩れ簗      長井 清

 

テイファニーの鎧戸開く秋の蝶      荒井和子

 

籐椅子の軋みは我のきしみとも      髙崎啓子

 

枝下す木口の白や鵙高音         金谷陽一

 

母と子と胸中語り温め酒         小川マキ

 

衣被世俗に疎くなるもよし        山本武子

 

敵役は恋の焚き付け青蜜柑        木林万里