2013
隗の会・2月の俳句

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     隗作品抄             大山雅由選     

 

色変へぬ松や病院跡広し         髙崎啓子

 

病む父を子の気遣うて時雨道       小川マキ

 

皺の手に賞状受くる菊日和        内山玲子

 

炊きあがるころにおいでよ零余子飯    小山洋子

 

べつたらや売り子の背にも麹花      中村 格

 

秋天の磐梯山を誇りけり         渡辺らん

 

冬ざれや山に木を植ゑ牡蠣漁師      永島正勝

 

冬霧をまつ毛につけて逢ひに来し     上田公子

 

山の夜を共に語らむ月の熊        長井 清

 

一棹にして白鳥の来つつあり       岩田 桂

 

落葉松の金の針降る小春かな       山本力也

 

いてふ散りきつたる空の青深し      榎 和歌

 

菊焚ける香りの中のひと日かな     肥田木利子

 

曲家に消え入る女人ななかまど      山本武子

 

乾きたる櫂に留まる冬の蜂        逸見 貴

 

あらたまの日向伝ひを郵便夫     きょうたけを

 

玄室の闇に目慣らす初しぐれ       篠原悠子

 

皸をながめなだめてよもすがら      岩本晴子



いささかの悔いもなきなり月天心     森井和子

 

鉈あとの残りし梁や湯気立つる      吉澤銚子