隗作品抄 大山雅由選
変哲の俳句大好き雪女郎 内山玲子
鮟鱇や嘘かまことか進化論 遠藤真太郎
鬼やらひ北京煙霧に鬼隠れ 赤池秀夫
餅花のひとつは鳥の形して 逸見 貴
さくさくと生きて仮の世名残空 森山蝶二
故郷を持ち寄りどんど焼点火 永島正勝
大病をさらりと書ける賀状かな 柾谷榮吾
群れ離れ鴉水浴ぶ寒桜 儀賀洋子
歯科医師の腕のすき間や冬の空 山口文美
しどけなく座す絨毯の薔薇避けて 篠原悠子
闇鍋の具を持ち込みぬ児童館 井上 睦
初笑ひ男兄弟四人して 村井幸子
道それて炭焼竈の青煙 飯島千枝子
湯豆腐や一語々々に子を諭し 長井 清
拾ふ神在すやなしや冬怒濤 玉井信子
湖に向きオカリナ吹けばかいつぶり 荒井和子
寒雀来ては散して鉢の土 髙崎啓子
初日記夫の病状安定と 小川マキ
蠟梅の紅き切口風凍つる 森田京子
もう一度掴み直して大根引 内田研二
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