2013
隗の会・5月の俳句

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     隗作品抄             大山雅由選     

 

尾白鷲俄かに空の狭くなり        須賀智子

 

斑雪土手の葎のきつね色         遠藤 忍

 

二の丸の消防訓練春近し         吉沢まゆみ

 

イースター良き師良き友本の虫      遠藤真太郎

 

毛皮着る夫人脱ぎどき心得て       金田典子

 

春塵や思ひの丈の吹き溜まり       山口里奈

 

胸白き若きかもめや春の潮        西原瑛子

 

けふ我の誕生日なり花祭         森 廣子

 

焚火して手足をつくる大工かな      岩田 桂

 

寒見舞とて容体に触れず辞す       小林正人

 

春浅し土に字を書くあそびせむ      長井 清

 

日脚伸ぶ老の行方を楽しまむ       山本武子

 

武蔵野に住みて久しや青き踏む      髙﨑啓子

 

山なみの晴れて初蝶出でにけり      丘 舜風子

 

鳥帰る声聞き洩らす齢かな        小山洋子

 

薄氷の下に動かず川の主         儀賀洋子

 

北窓を開け溶接の向きを変へ       和田久美子

 

持佛彫る夫の背中や冴返る        渡辺らん

 

来し方のなべてよしとすつくづくし    森田京子

 

ためらひは木菟の目玉に会うてより    玉井信子