2013
隗の会・6月の俳句

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作品抄           大山雅由選

 

黄沙降る小声に歌ふ反戦歌      荒井和子

 

虫出しやあすは小雪の混じるらし   長井 清

 

赤子抱く若き男や風光る       儀賀洋子

 

隗創刊号を再読花の下        佐山 勲

 

花盛り子規球場に声あがる      木林万里

 

春風や大筆枠を跳びだして      杉田陽子

 

学校の山羊にとどくや卒業歌     渡辺らん

 

花筏かき分け上る作業船       山内直之

 

火渡りの行者の呪文春霞       赤池秀夫

 

水鳥の沈みて元の花筏        江向洋子

 

茂吉忌や医師の手元のパソコン画   岡本京子

 

春菜食むヤクの鈴の音響きけり    鴫谷良雄

 

雛の間にならべ母子の布団かな    大畠 薫

 

まどろみの夫を残して野遊びに    小川マキ

 

かたくりの一輪朽葉隠れかな     中村 格

 

西行忌冷たき風に身をさらし     飯島千枝子

 

知らぬ子も座つてをりぬ花筵     吉澤銚子

 

土佐水木大臣閣下ジョギング中    佐藤禮子

 

燕くる深き庇に傷数多        梅田知子

 

雪解水生るる音して千枚田      清原伸江