2013
隗の会・7月の俳句 (100号)

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隗作品抄

 

堅香子の切先揃ふ三鬼の忌      森田京子

 

水飲んでゐる卒業の日の蛇口     岩田 桂

 

朧夜や鏡の前のひとりごと      儀賀洋子

 

春の園いたづら象が水降らす     鴫谷良雄

 

花辛夷目がけて山を降りにけり    山本力也

 

鷹鳩と化して年金暮しなる      平山みどり

 

エンディングノート進まず目借時   黒川清虚

 

春疾風吹き荒るる日や余震なほ    江向洋子

 

樟若葉廃校いまだ諾へず       中村 格

 

会釈されさて誰だつたつけ葱坊主   河合良三

 

よなぐもり心にも無き嘘をつき    山本武子

 

ふららこの遊ぶ子待ちて軋むかな   木原正則

 

ままごとの土筆しなびて小半日    逸見 貴

 

教へ子と言ふ恥づかしさ葱坊主    山田泰造

 

良き人にならんと甘茶灌ぎたる    玉井信子

 

霾や駱駝は西を向きしまま      森井和子

 

新しき雪駄に苗木市の雨       きょうたけを

 

工事夫の旗振り子猫横断中      猪口鈴枝

 

春耕す去年の夫を見習うて      小川マキ

 

かたばみや梃子摺るものの憎からず  田中 穣