・茶金について

 茶金は青文魚と同時に昭和36年に中国より輸入されてきた比較的新しい品種である。オランダ獅子頭によく似た体型をしており、従来の日本の金魚にはなかった独特の体色をしている。中国の金魚研究家陳禎(正確には木に貞)氏によると、茶金の色は青文魚の色に遺伝的に関係が深く、四つの関係遺伝因子がホモ接合体(二倍体生物のある遺伝子が「AA」「aa」のように同じ対を持つ遺伝子からなる状態)の時に茶金の色となり、ヘテロ接合体(異なった対立遺伝子を持つ遺伝子型)の時に青文魚の色になるといわれている。又、金魚研究の大家である松井佳一博士によると、この品種が茶色に見えるのは黒色素胞と黄色素胞が多量にあるためだといわれている。色彩的には地味であるし、体型が変わっている訳でもないのだが、飼育しているうちに少しずつその魅力を発揮するような、独特の存在感を持つ品種である。

オランダ等に比べると地味な印象は拭えないが、飼う程に味が出てくる魚である。

珍しい茶金の出目タイプ。本種だけで入荷することはあまりないが、稀に茶金に混じって入荷することがある。