非常に珍しい北朝鮮産の金魚。現在でも生産されているかどうかは不明だが、あの北朝鮮でも金魚が生産されていたとは驚きである。中国産の竜眼花房に良く似ていて、和唐内型の体型で尾は和金型に近く、花房を持ち、トキン型の肉瘤がある。出目ではあるが、頂天眼のように眼径が広い。(フィシュマガジン1974年5月号より)

・竜眼について

素赤の竜眼。肉瘤が発達しただけで、普通の出目金とは全く違った印象を受ける。(フィッシュマガジン1974年7月号より)

 この魚は昭和42年に中国から輸入された比較的新しい品種であり、出目金とオランダ獅子頭の交雑によって作出されたものだろうと思われる。私がこの魚を見たのは昭和63年の夏、奈良県のやまと錦魚園の金魚資料館に行った時に見たのが最初だったと思うが、画像の個体よりも長手の魚で、出目金よりもむしろオランダ獅子頭の出目金といった感じの魚であった。私も以前に一度だけ飼育したことがあるが、年を重ねるにつれて独特の容貌を呈し、飼えば飼うほど味が出てくる魚であった。いかにも中国人好みの魚で可愛らしさに欠けるせいか、日本での人気は今一つで、最近では以前に比べると見かける機会が少なくなってしまったのが残念である。