・青文魚について

 茶金の項でも触れたが、昭和36年に中国より輸入された比較的新しい品種である。陳禎氏によると中国においても1848年以降に出現した比較的新しい品種であるらしい。体型はオランダ獅子頭型のものが最も一般的であるが、背鰭のない秋錦型のものも存在する。体色においては中国では薄墨色を青文魚と呼び、濃い墨色のものを藍文魚と呼んで区別しているようである。又、体色が抜けて白くなったものは白鳳(パイフォン)と呼ばれている。この品種はかつては画像のように瘤のないタイプが主流であったのだが、いつの間にかオランダ獅子頭型にとって代わられてしまった。私がこの魚を初めて飼育したのはもう20年以上前のことである。最初は大して目立たない地味な魚だなぁと思っていたのだが、みるみるうちに尾が伸びて、ついには体の倍以上の長さになった。成長する程、いぶし銀のように光る尾鰭の美しさは増してきて、この品種を見直した記憶がある。茶金とともに、長く飼育するほど味が出てくる品種であるといえる。

 

この画像の魚のように、青文魚が白化して一部黒が残った個体は羽衣と呼ばれている。色彩的に安定しないのが難点だが、なかなか優雅な魚である。