● デメテル 



デメテルは穀物(農業)を司るゼウスの姉妹神で、とても優しい女神様です。




● デメテルと愛娘ベルセポネ ●


デメテルには目の中に入れても痛くないほど愛しているベルセポネという一人娘がいました。
ベルセポネは地上で母であるデメテルと一緒に幸せに暮らしていました。


ところが、死者の国の王ハデスがベルセポネに恋をし、ゼウスとともになんとかベルセポネを自分の妻に出来ないものかと考えました。
しかし、ハデスは死者の国の王です。
そのハデスの妃になるということは死者の国に住まなくてはなりません。
娘を溺愛しているデメテルが娘を手放す事を許すはずがありませんでした。
そこで、ハデスとゼウスは、ガイアに協力を頼みます。



ある日、ベルセポネがお花畑で遊んでいると見たこともないような美しい水仙の花を見つけました。
「なんて美しいのでしょう」
すっかり水仙の花に心を奪われたベルセポネは水仙を摘もうと近づきます。
すると、突然大地が裂け、そこからハデスが飛び出てベルセポネを捕まえてしまいました。

「きゃー!!助けて!」
ベルセポネは悲痛な叫び声をあげ嫌がりますが、ハデスは嫌がるベルセポネをむりやり死者の国に連れて行ってしまいました。
この見事な水仙はハデスとゼウスに協力を頼まれたガイアが咲かせたものだったのです。


ベルセポネの悲痛な叫び声は家にいたデメテルに聞こえました。
「ベルセポネに何がおこったの!?」
デメテルはすぐに家を飛び出て、愛娘を捜しますが、ベルセポネは見つかりません。

「どこなのベルセポネ」

デメテルは半狂乱となり松明を片手に世界中を探し回ります。


10日目に、デメテルは考えました。
「空の上から世界中を見守っている太陽ならば私の娘に何が起きたのか解るかもしれない」
デメテルはさっそく、太陽のところにいって娘の行方をたずねました。
そこで、デメテルは娘の身に何が起きたのかを知ります。


「なんて酷い!」
愛する娘になにが起きたのかすべて知ったデメテルは激しい怒りに身を震わせました。
そして、女神としての仕事を一切やめてしまったのです。
これにあわてたのはゼウスです。
デメテルが仕事をしなくなってしまったため、人々がいくら一生懸命耕し種をまいても一切作物が育たなくなってしまったからです。


あわてたゼウスはデメテルのもとに色々な神々を使わし説得を試みます。
しかしデメテルは「私の娘を帰してくださらない限り私は神々の仲間にはもどりません」と、言い説得には応じませんでした。
とうとう困ったゼウスはベルセポネをデメテルの元に返すことにしました。


こうして娘と再会を果たしたデメテルですが、愛する娘ベルセポネは死者の国でザクロの実の粒を食していたため、1年の3分の1は死者の国で暮らさなければならなくなってしまったのです。

娘が死者の国にいるときはデメテルは仕事をやめ、娘が一緒にいるときは仕事をするようになったため、世界に四季ができたというのです。




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