ギリシア神話と西欧










西欧におけるギリシア神話と美術


西欧はキリスト教が発展してきた場所です。
ちなみに、ココでの西洋とはローマ帝国が国教をキリスト教にした以後の時代とさせていただきます。
そして、キリスト教は一神教、つまり神はただ一柱のみであるという教えであるのに、西欧においてギリシア神話は絵画のモチーフとして現代に至るまで使われ続けてきました。
神は唯一ただ一柱としているキリスト教世界において、キリスト教以外の宗教であるギリシア神話がモチーフとなった絵画は非常に多いです。
それはなぜなのでしょう?


不思議に思われる方もいらっしゃると思います。
・・・と言いますか、私自身とても不思議だったんです。

なぜ、こんな自分たちの信仰している宗教以外の神々が描かれてきたのかといいますと、単純に神としてとらえなかったからなんです。
西欧世界において、ギリシア文化(芸術から学問まであらゆる分野において)は盛んに研究されてきましたので、ギリシア神話のことは西欧の人々はよく知っていました。
しかし、神とはとらえなかった。
矛盾しているようですが実際このようにとらえていたようです。


神を神としてとらえないとは、簡単に言えば、たとえば愛の女神ビーナス(アフロディテ)は愛そのものだと考えたわけです。
つまり、人の目に見えない現象や、表現できないものを視覚的に表す手段としてギリシア神話の神々を記号のように使ったわけです。
ギリシア神話の神々はあくまで宗教画としてではなく哲学的な思想を表す手段として使われたわけですね。