2005年1月、2月、3月、4月、5月、6月、7月、8月、9月、10月、11月、12月


12月20日(火) 忘れてた

もはや本ページの仕様と化した、二ヶ月以上過ぎてからの更新です。
9月頃の日記をいまになってUPしたりしていますが、気にしないでください。
ろくにUPもせずどこで油売ってたかは、わかる人にだけわかるでしょう。(苦笑)

とりあえず、前々からやろうと思いつつ、つい忘れていたリンク追加を。
多数の出版社をまたにかけてご活躍中の、榊一郎先生の公式サイト 「うごうご榊くん」
「魔術師オーフェン」シリーズなどで高名な、秋田禎信先生の公式サイト 「モツ鍋の悲願」
あと、リンク切れだった 新井輝先生と 酢屋銀次さん のサイトへのリンクを修正しておきました。


11月6日(日) 若山子連れ狼&たけし座頭市

時代劇専門チャンネルで、 全六作品一挙放送の若山富三郎版「子連れ狼」第一作目
「子を貸し腕貸しつかまつる」見ました。
時代劇好きを称しているくせにお恥ずかしい話ですが、実は若山版「子連れ狼」は、
この第一作と第六作「地獄へ行くぞ!大五郎」しか見たことない(*注1)のです。
昔、近所のレンタルビデオ店にそれしかなかったもんで。
(*注1・というのは、この日記を某所で書いた時点での話でして、もう全六作放送終了。
 もちろんすべて見ました。いずれ全作レビューもやってみたいと思ってます)

「子連れ狼」の映像化といえば、
原作劇画の最終話まで、ほぼすべてを映像化しきった萬屋錦之介のテレビシリーズ版、
単発スペシャルの高橋英樹版、 また近年では、情愛に重点を置いたソフトな作りながら、
ここ数年のテレビ時代劇としては中々の出来だった北大路欣也版などがありますが、
原作の一刀が見せる圧倒的強さの再現度では、やはり若山版が一番ですな。

若山先生は実際に武道の達人だったそうで、身のこなし、太刀行きの 迅さ、重みなど、
殺陣の迫力は天下一品です。 詳しくはこちらのページを参考にしてください。
実弟の座頭市こと勝新太郎は「殺陣は兄ちゃんの方が上」といい、桃太郎侍にして
殿様・矢坂平四郎の高橋英樹も、歴代の時代劇俳優で一番上手いといってるぐらいで。
(ちなみに現在の時代劇俳優では自分が一番だそうです。
 まあ、そういってのけるだけのことは十分あると思いますけどね)
さらに名匠、三隅研次監督の冴えた演出で、独特の映像美の中、血しぶきは舞うわ腕は飛ぶわ
首は転がるわ、長巻に薙がれて切断された足が立っているわの、壮絶な殺陣が楽しめます。

レンタルビデオから数年ぶりに見たことで、いろいろ再発見があって楽しめました。
柳生烈堂が伊藤雄之介なのは覚えていましたが、一刀との決闘で首を飛ばされる柳生蔵人、
この映画では、山さんこと露口茂だったんですな。
来週から未見の第二作目以降を見られるのが楽しみです。早く来い来週の土曜日。
(注・もうとっくに過ぎてます)


一夜明けて、地上派放送で、北野武版「座頭市」。
すでにDVDで何度も見てるんですが、 いい意味で泥臭い人間味の塊だった勝新座頭市とは
別物のクールで淡々としたつくりが、これはこれで面白いと思います。

これも上で紹介したページの受け売りなんですが、 逆手斬りは間合いが短いがゆえ、
密着されると通常の構え(順手)ではかえって対応できず、また太刀行きに体の動きが乗り
迅さや勢いが増すという利点があります。
おそらく北野監督も、それぐらいは承知なのでしょう。
浅野忠信演じる用心棒との前哨戦で、いきなり懐に入って相手の抜刀を封じ、
自分が逆手を使うことと、その優位を示しておく。

そして決闘。
歩み寄る市の前で太刀をひねり、自分も逆手に切り替える忠信用心棒。
同じ逆手の太刀筋に合わせれば、後の先で勝つと見たのだ。
だが間合いに踏み込む寸前、仕込みを順手に持ち替える市……

さて、なぜ忠信の策が、盲目のはずの市にわかったのか。
予想はできても、絶対に逆手で来るという保証はないはず。
もし相手が逆手を使わなければ、 かえって敗北を招くことにもなりかねません。
深読みすれば、ラストのオチへの伏線にもなっているようで、ニヤリとできます。
まあ、地上波放送だけに、座頭市のキーワードである「めくら」 という言葉、
腕や指が飛ぶシーンをカットされているのは、 仕方がないのかなあ。

あと、こういう作品を見ると、いまのCGや特殊技術を駆使して、若山子連れ狼のような
ハードかつ破天荒な物語と大殺陣を見せてくれる娯楽時代劇を見せてほしくなります。
いい人材集めて作れば、海外でも大ヒットすると思うんだけどなあ。


11月4日(金) 大江戸死体考

今回は、読んだ本の話でも。
氏家幹人「大江戸死体考」(平凡社新書)

江戸時代における死体の扱い、当時の人々の死体に対する感覚。
そして当時は日常だった 斬首、獄門、そして死体を使った様斬。(試し切り)
そこで主役を演じた山田浅右衛門(朝右衛門)の実像について解説してくれる本です。
山田浅右衛門(朝右衛門)といえば、浪人の身分ながら代々、奉行所の嘱託として
罪人の斬首を請け負い、 将軍家や大名家の刀剣御験をも務めた人物。
「首斬り浅右衛門」の異名で、時代劇でもお馴染みのキャラクターです。

時代劇での有名どころでは、「暴れん坊将軍」シリーズのセミレギュラーで栗塚旭。
また「必殺仕事人・激突!」では、仕事人の一人でもある滝田栄。
実際に居合の有段者である滝田さんの殺陣はド迫力でした。
「激突!」自体は、ハード路線を目指していまいち不発に終わった感がありますが、
滝田さんの殺陣だけでも一見の価値はあります。
あと栗塚さんは、日本怪談シリーズ「怪談・首切り浅右衛門」でも浅右衛門を演じていたり、
ヨロキン版「子連れ狼」でも、 若林豪の浅右衛門が拝一刀と対決するエピソードがありました。

さて、この本では、山田家が斬首役と御様御用を独占するようになる経緯。
将軍家の御様役でありながら、公的な肩書きのない、あくまで浪人という微妙な立場。
副業である死体の肝臓を原料にした丸薬や、様斬用の死体売買。
また各藩で斬首の罪人が出た際、斬首技術者として浅右衛門の弟子が派遣された話など、
興味深いエピソードが満載されています。

個人的には、当時の感覚ではさほど忌避される行為でもなく、公認された処刑、様斬でさえ、
浅右衛門自身は、 毎回、異様な興奮と疲労を覚え、それを鎮めるために徹夜で酒宴を張った
というエピソードが、人間が殺人に覚える本能的な反応を示しているようで興味深かったです。

あと、渡辺謙のドラマ版でも有名な柴田錬三郎「御家人斬九郎」にも少し触れられていました。
貧乏御家人の九男、残り物という意味から名づけられた松平残九郎。
その剣の腕で、大名家などの表ざたにできない処刑を「かたてわざ」に請け負うことから、
通称・斬九郎と呼ばれる――
この本を読むと、そもそも据え者斬りの技が、普通の剣術とは別物の高度な特殊技能であり、
斬九郎の「かたてわざ」も、あながち絵空事でないという説得力が感じられます。
一般には知られていない、江戸の陰の世界が見られる本。歴史や時代劇好きの方にはお勧めです。


10月12日(水) リメイク

ちょっとここ最近、仕事やらなにやらで色々ばたついていたりして、
とうとう一ヵ月以上も更新を止めてしまいました。すいません。(汗)
九月中の日記も、ちまちま書いていたのですが、とりあえずまとまってる分をUPして、
残りはあとで清書してUPします。

さて現在、ライトノベル向けに次の企画を考えているのですが、もともと私はミステリ系の
読み手だったため、自分が書く際も、ミステリや一般小説の枠で考えてしまうというか、
ライトノベル特有の、いい意味でのマンガっぽさというか、現実から飛躍した部分を
どの程度のバランスでやればいいのか、ちょっとつかみにくい部分があります。

まあ、私自身のライトノベルに対する認識が古すぎるといわれればそれまでなのですが、
あまりにも、悪い意味でマンガ的というか、キャラクターがはしゃいでいるだけで、
内容が薄すぎるものをやるのは抵抗があります。
率直にいえば、いくつかライトノベル文庫にご縁がありながら、書く気になれなかったのは、
そんなものではと敬遠していた部分がなくもなかったのです。

まあ、ここ最近、一般小説だけでなく、きちんとライトノベルも読むようになって、
2005年現在のライトノベルは、必ずしも私が考えていたようなものばかりではない、
ということがわかってきたので、ようやくやる気になってきた状態です。

さて、まだ思案の段階なのですが、次の企画は、昔やっていたシリーズのリメイク的な
ものをできないかなと考えています。
当時、ミステリと超常モノのグレーゾーンな作風を狙っていたのですが、発表形式が短編のみ、
本編として考えていた長編プロットが書けないまま本誌消滅で中断してしまったので。

さすがに別の場所で、そのまま当時の続きをやるのも難しそうだし、
いまとなっては私も、当時のシリーズにはあまりこだわりもありませんし。
ただ、なんだかんだいって、キャラまわりでは書きやすいのも事実です。
そこで、ちょうど月影兵庫が花山大吉になったような感じで、基本キャラ造形はそのまま、
現代のライトノベル・テイストにあわせて、設定などを根本的にリニューアルした
別作品として再起動を考えています。

編集さんに、現在のライトノベル読者の好みについてアドバイスをいただいたこともあって、
ライトノベルでやるからには、いかにもなミステリのスタイルではなく、
好きな分野であり、当時のシリーズ腹案としてあった心理学ネタ、催眠術ネタに
特殊能力要素を交えた設定を徹底的に増強して、
思い切って破天荒なストーリーにするほうがいいのかな、と思っています。

ミステリ性に関しては、いわゆる現実性に基づいた謎解き本格スタイルでなくとも、
伏線に基づいた意外性や、きっちりした能力設定の上での論理的な知略戦、かけひき勝負、
または特殊設定ならではの叙述トリックを入れるといった方向もありますし。
ただ、あまりミステリ的な仕掛けに凝るあまり、ライトノベル的な勢いや破天荒さを
減じてしまえば元も子もないので、バランスを取るのが難しいところです。


……ってまあ、まだ企画を考えている段階、提出した企画が通ってからの話なので、
あんまり過度に期待しないでくださいね。(苦笑)


9月14日(水) 大阪城物語

私用で天満橋付近に出かける用があり、ついでに大阪城公園へと立ち寄りました。

地元民は案外そんなものかも知れませんが、大阪城なんて小学生の頃に登ったきりです。
最初は冷やかしと休憩で、みやげ物屋を眺めてかき氷食べて帰るつもりだったのですが、
時代、歴史もの好きの悲しさ、つい天守閣に登ってしまいましたよ。

二階あたりに、三百円で、大阪城ゆかりの鎧兜を着て記念撮影できるコーナーがあって、
太閤秀吉の兜のほかに、真田幸村の鹿角兜と、後藤又兵衛の水牛の角兜がありました。
ついこないだ「風神の門」にハマった者として、ものすごく心惹かれましたが、
いい年の男一人が挑戦するには、さすがに勇気が足りませんでした。
もしよかったら、誰か歴史&コスプレ好きの方、一緒に行って付き合ってやってください。
なんでしたら私は又兵衛殿の役回りでで、幸村様は譲りますんで。
(太閤はどうでもいい(ひでえ))

さらに登ると、黄金の茶室の再現や、豊臣や大阪の陣ゆかりの人物の書状、鎧兜や所持品、
当時の美術品や屏風絵など、また大阪の陣の模型や、人物、布陣の解説パネル、
またあまり知られていない、大阪御坊時代や徳川期の大阪城の模型などがあり、
小説と時代劇の知識しかない浅い歴史ファンとしても楽しめました。

最上階、天守閣から一望できる大阪の光景は、なかなかに絶景でした。
大阪に生まれてウン十年、キタがどのあたりでミナミがどのあたりになるのか、
やっと位置関係つかみました。(いままでつかんでなかったんかい)

帰り、「戦国武将おみくじ」というのがありまして、ためしに引いてみたところ、
中吉だったものの、出てきた武将が信長だったのがちょっとうれしかったです。


9月10日(土) 足の向くまま浅草、秋葉原路

翌朝、朝風呂でまったり温もり、なんとか酒気も抜けてチェックアウト。
この日は特に予定もなく、気の向くままに東京散策するつもりでした。
で、とりあえず向かったのが浅草。
昨年五月から数えて三度目の訪問ですが、すっかり気に入ってしまいました。

例によって昼に天丼とざるそばを食べて、浅草寺に参って仲見世をぶらぶら。
で、おみくじを引いたところ、凶。
なんとなくほっとしました。(なんでだ) というか、運勢が一日遅れなのかも。

あとは、おみやげ選びをかねて、仲見世や花やしき周辺をぶらぶら。
仲見世では揚げまんじゅうと焼きたてのせんべいを食べました、どちらも美味でした。
あと、花やしき付近でもちもち食感のたい焼き。もちもちでした。
結局、おみやげは揚げまんじゅうとその他いくつかに。
ほかには、あんこ玉、芋ようかんに心引かれたんですが、夜行バスで翌朝帰りの悲しさ、
日持ちしないということで諦めました。大阪で売ってる店ないかな……

花やしき付近の名作映画館(名前忘れた)では、各映画会社のスター集合と題し、
各社の名作ポスターが並んでいて、松竹代表は「必殺!主水死す」……
うーん、これが「裏か表か」か「恨みはらします」、せめて第一作「必殺!」だったなら、
(個人的な話ですが、この一作目だけ劇場で見たことないのです)
大スクリーンで改めて見るだけの価値があったんだけどなあ。残念。

さて夕刻近く、今回、飲み屋の並ぶ横丁を尻目に、浅草は早めに切り上げて、
(さすがにきのう自爆したばかりでは呑む気しませんでした)
噂に聞くオタクの聖地、秋葉原に立ち寄ってみました。
ものすごい場所を想像していたのですが、意外にも普通の電気街でした。
大阪の日本橋と大差ない感じ。といっても日本橋自体、ずいぶんご無沙汰なんですが。

話のタネにメイド喫茶に行ってみようかとも思ったのですが、
あいにくそれらしい店は見当たらず、適当にぶらぶら。
個人的には、露天に並べてあるジャンク品のノートパソコンにちょっと心惹かれました。
あと面白かったのが武器屋ですね。
スタンガンや特殊警防、映画に出てくるような変形ナイフやカンフー武具などのほか、
美術刀剣が格安であったりしたのですが、大阪に帰るまでに逮捕されそうなんで諦めました。
まあ、廉価品はどうしても柄の素材が弱く、素振りには向かないので、多少値は張っても
柄に強度のあるものがほしいという理由もありますが。

夜になって、バスの時間まで新宿を散策。
十時ごろ、コマ劇場付近に消防車が集まっていたのですが、なにかあったんでしょうか?
あとはおとなしくバスで岐路につきました。

なんだかんだでこの二日間、歩く量が多かったし、いい運動とリフレッシュになりました。
つか、この二ヶ月ずっとリフレッシュしてないか自分?
早く次のプロット考えなきゃなあ……


9月9日(金) 大吉二枚が新宿に散った(木枯し紋次郎風タイトル)

実はこの日、エンターブレインさんの「えんため大賞」受賞パーティーにお呼ばれして、
例によって夜行バスにて上京したのです。

午前六時頃、新宿到着。
あらかじめネットで割引ありのカプセルホテルを調べておいたので、
場所確認と予約ついでに早朝の新宿を散策。
で、たまたま迷い込んだのが、いわゆる新宿二丁目という場所だったらしく、
男同士で抱き合っていたり、KABA.ちゃんみたいな集団が話してたりして、
ちょっとしたカルチャーショックを受けたりしましたよ。

花園神社によったところ、通りすがりの住所不定風のご老体に呼び止められました。
右手が不自由な方で、シャツのボタンを止めてほしいとのこと。
わりと人のよさそうなご老人だったし、まあそれぐらいならとお引き受けしたところ、
お礼に飲み物でもおごる、心配しなくても金ぐらい持っているといって、
強引に近くのコンビニに誘われたのです。

なんか怪しいなあ、いざとなったら立て替えさせる気じゃないかとも思ったのですが、
まあこれも一期一会、飲み物ぐらいならご馳走するの一興かなあと思いつつ、ついてったところ、
ご老人、私にオロナミンCを持たせてレジでポケットをまさぐっていたのですが、
どうも小銭が見当たらない様子。
と、ご老人、やにわに紙袋からテレビ付きラジオ(?)を取り出すと、レジの店員さんに、
「これで払っといて」といい残し、颯爽とコンビニを去っていってしまいました。

残された私と店員さん、呆然。
やがて店員さんがおずおずと、「すいません、これじゃお売りできないんですけど……」
いや、まあそれはそうでしょうね。
あわてて店を出てご老人を探したものの、もう見当たらず、店の人に、ご老人が戻ってきたら
ラジオを返してあげるよう頼んでその場を去りました。
まあ、いい人ではあったのでしょう。ラジオ、無事に手元に戻ればいいんですが。

で、せっかくなので改めて花園神社に参拝。
例によって、やいとや気分でおみくじをひいたところ、珍しく大吉でした。

昼ごろ、会場の最寄り駅に移動、近くにある靖国神社に寄りました。
私は政治的云々に関心はなく、数年前、身内のものに頼まれて代参しただけなのですが。
都会の一角にある清浄とした空間は、けっこう気に入ってます。
で、おみくじをひいたところ、またも大吉。
こう続くと悪いことでもあるのではないかとビビッてしまいました。(なんでだ)
あとは日本庭園を回って鯉にえさをやったり、遊就館で同田貫を見物したり。
で、時間になってパーティー会場に。

久々に知人の作家さんと直接お会いしたり、初めてお目にかかる絵師さんにご挨拶したり。
で、前回ご一緒した大御所の先生にビールを進められたり、また別の大御所作家さんの
奥様に勧められたりして、ついつい呑みすぎてしまい、二次会ではもはや心神喪失状態でした。
(またかよ)

担当さんにいくつかアイデアを話したかったのですが、ただでさえ簡単なイメージぐらいしか
まとまってない話を、呂律の回ってない酔っ払いが話すんだからわけがわからなかったでしょうね……
エンターブレインのKさん、その節は失礼しました。(平謝り)

解散後、なんとか自力で新宿駅までたどり着いたものの、耐え切れずタクシーを拾って
ホテルへ向かいました。前後不覚のまま、カプセルでばたんきゅー。
タクシー代を入れると、普通に泊まるのと大差ないことに気づくのは翌日のことでした。

二度にわたる大吉がこのオチに至るネタふりだったとは、恐るべし、我が人生。


8月15日(月) おススメして候

さて今回は、前々から書こうと思っていた、いろいろな作品の感想&紹介などを。

まずは、先だって時代劇専門チャンネル で放送されたNHK時代劇「風神の門」。
1980年度作品。原作は、司馬遼太郎「風神の門」に「城塞」。
時代は大阪の陣前夜、主人公は、己の技能一つで世を渡る「忍」の身に誇りを持ち、
大名に雇われはしても仕えはせぬ独立自尊の伊賀者、霧隠才蔵。(三浦浩一)
豊臣対徳川の風雲に乗じ、己の才を世に問わんと、自分を高く買う側につこうとするが、
やがて真田幸村の人物に感服し、大坂方について活躍するという物語です。

原作は、主に才蔵のヒロイックな活躍を描く物語なのですが、このドラマ版の妙味は、
才蔵を取り巻く敵味方の人物にもきっちりと肉付けを施し、それぞれの生き様を描く、
一種の青春群像劇に仕立てたことです。

表向きは隠岐殿配下のくノ一、実は徳川譜代、鳥居俊岳の娘であり、ダブルスパイを勤めながら
才蔵への想いとの板ばさみに悩むくノ一、お国。(小野みゆき)
才蔵と獅子王院の両者にかかわる無邪気な公家の姫、青子。(樋口可南子)
真田十勇士筆頭、才蔵の盟友となる実直な甲賀忍者、猿飛佐助。(渡辺篤史)
そしてご存知、大阪方の智将、才蔵をも心服させる器量の大人物、真田幸村。(竹脇無我)
大野修理の妹にして、大坂方の忍を束ねる才女、幸村に思いを寄せる隠岐殿。(多岐川裕美)
対する徳川方の対豊臣工作元締で、お国や獅子王院を操る老獪な策士ながら、お国に対しては
父親としての愛情ものぞかせる、俊岳・鳥居忠政。(佐藤慶)
前半で退場する才蔵の老僕、孫八(北見治一)や、幸村に並ぶ大阪方の名将、後藤又兵衛殿(大木実)、
才蔵と知り合い手下になる盗賊、耳次(峰のぼる)のエピソードもいい味を出していました。
(注・これらはすべてドラマ版の設定で、原作とは違う部分があります)

なによりドラマ版の白眉は、才蔵のライバルとして獅子王院(磯部勉)を配したことでしょう。
この獅子王院、原作では後半の強敵として登場する伝説的な忍者(でも中年オヤジ)なのですが、
ドラマでは才蔵と同じ伊賀の下忍出身で、侍になる野望を抱いて伊賀を捨て、俊岳の配下となり、
上忍である才蔵に激しいライバル意識を燃やす若き天才忍者として描かれています。

陽性の才蔵に対し、陰の獅子王院を置くというキャラ配置が絶妙。
才蔵とは対照的な生き様でドラマを盛り上げる獅子王院は、後半の青子姫との展開もあって、
ドラマ版の影の主役といっていいでしょう。
クリスタル・キング歌うOP「時間差」は、個人的には獅子王院のテーマだと思っています。

さて、この「風神の門」、10月にDVD第一集、および単巻で発売されます。
また時代劇専門チャンネルでは 9月から一挙再放送があるので、ご覧になれる方は是非ご一見を。

それと、きゆづきさとこ先生の「GA・芸術科アートデザインクラス」「棺担ぎのクロ」読みました。
「GA」は、掲載誌が「きららキャラット」に変わっての再スタート。
相変わらずきれいな色使いとよくできたネタで、安定して楽しめます。
個人的にツボだったのは、別人化ノダちゃん(実は伏線)と、その意外な結末。(笑)
いやあ、あれを見たら、たとえ負けるとわかっていても○○○きたくなりますよ。
一方、「クロ」は、しっとり落ち着いた物語。
実は何回か読み逃していて、話がつかめなかった部分があるのですが(すいません)
ニジュクとサンジュの、いかにもな萌えキャラとは一味違う、自然な「子供」の可愛らしさが
微笑ましいです。早く単行本出ないかな……(←読み逃した分を読みたいらしい)

あと、このところしっかり見ているのが「仮面ライダー・響鬼」。
ずいぶん前に書いた通り、これまで平成ライダーはあまり見てなかったのですが、
「響鬼」は、たまたま第二話から見られたこともあって、ほぼ毎回見てます。
まあDVDレコーダーだと、早めに消化しないと容量がなくなるという理由もあるのですが。
取り貯め防止機能がついているとは、まさに文明の利器。(違)

家庭的な中小企業(?)っぽいチームのライダー組織に、三十代の大人ライダー。
そこに明日夢君の成長物語をからませるという切り口がいいです。
個人的には、三味線の糸で魔化魍を吊り上げたり撥で切り裂いたりする鬼の登場を期待。
(また必殺かよ)
余談ですが、獅子王院の磯部さんの声つながりで、「魔法戦隊マジレンジャー」も
見るようになった今日この頃です。(苦笑)
ウルザードの人間体役で出演してくれないかな、磯部さん。

追伸
酢屋さん、若夏さん、萌えバトンに答えていただき感謝です。
つか、バトンを止めるという手があったことに気付かなかった自分ってマヌケ。


8月8日(月) 鍛えてマラカスINマツケンサンバ

しばらくさぼりがちだった成分献血ですが、ここ最近、また二週間ペースで通ってます。
で、先月、前々回の血液検査結果が送られてきたのですが、なんとしたことか、
AST(GOT)が基準値の約三倍、シャア専用ぐらいに上昇していたのです。

これは、肝細胞が壊れる、すなわち肝臓が悪くなると血中に流れ出す酵素で、
暑さにかまけてビールや発泡酒を飲み倒していた報いが来たのかとビビッてしまい、
しばらくアルコールも控えていたのですが……、
今日送られてきた前回の献血の結果では、あっさり通常値に戻っていました。

問診室のお医者さんに聞いたところ、どうも筋トレのやりすぎ(この酵素は筋繊維の損傷でも出る)
が原因のようでした。
そういえばここんとこ、寄る年波と闘うため、木刀素振りに加え、ダンベル筋トレもやってたなあ……

教訓・健康のため、アルコールとトレーニングは適量に。
(鍛えること自体はお勧めなんですけどね)


8月5日(金) 大学名は秘密

ここ数日、出身大学の近くに用があり、ついでにキャンパスを散策してきました。

久々に歩く、駅前からキャンパスまでの登り坂。
途中には学生向けの店が軒を連ねていて、道行く学生さんたちで賑やかな雰囲気なのですが、
坂の模様はずいぶん様変わりしていました。
駅を降りると新古書店ができていたり、コンビニや携帯電話ショップが増えていたり。
当時、よく小説本をあさっていた古本屋がつぶれていて、携帯ショップになっていたのには
時代の流れを感じましたね。

昼食も、久々にこの通りで食べました。
まずは、坂の途中にある小さな洋食屋さん「若草」。
ヒレカツ、ハンバーグなどの懐かしいメニューに、ご飯、味噌汁つきのランチが五、六百円と、
安くておいしい洋食屋さんです。
あと、駅を出てすぐにある讃岐うどんの店「森の石松」。
一見、年季の入った普通の大衆食堂に見えるのですが、ここの讃岐うどんがおいしいのです。
話によると、大阪で唯一、本場並みに美味しい讃岐うどんが食べられる店とのこと。
もっとも現役時代は、安い学食メインで、どちらもたまによる程度だったのですが、
いま思えば、もっと通っていればよかったかな、と少し後悔。

キャンパス内に入ると、校門付近に、私の頃にはなかった学生会館ができていました。
歳月を感じながら歩いてゆき、まず目に付くのが総合図書館。
当時、講義の間の空き時間、よくここで小説を読んでいたんですが、たまに夢中になりすぎて
次の講義に出るのを忘れてしまったのも、いい思い出です。

前期の授業は終わった時期ですが、さすがに学生さんの姿が多い。
私もまだまだ若いつもりでいたんですが、なんか自分が年食ったのをしみじみ痛感して、
「キャンパスのみんな、みんなの若さをちょっとずつオラにわけてくれ!」
と心の中で叫んでみたりしました。(阿呆)

ちょいと一人語りで失礼します。
私の作家デビューは大学在学中だったのですが、当時、通学の電車でいろいろな本を読んだり、
友人と雑談したり、大学前の坂をぶらついて古本を物色したりゲーセンで遊んだりの日々が、
ものを書く上でもいい刺激になってたんですよね。
古本屋を漁って、古典ミステリや時代小説などを系統的に読んだのもこの時代でした。

なにげなく見かけた光景、些細な出来事から物語のイメージが広がっていくことも多々あり、
私自身、当時は小説だけでなくマンガ、ゲームなどにも熱中していたので、小説の精密なプロットと、
マンガ、ゲーム的な面白さを融合したエンターテイメントの創作に熱意を持っていました。

まあ、その後、当時やってた場所の方向性が変わり、要求されるレベルが下がってしまい、
キャラの表面的な面白おかしさ重視、というか、ただそれだけ書いていればいい、
(ストーリーに関係する)重い設定などは不要、ミステリを書けというわりに、
表面的なガジェットのみで、肝心のミステリ性を削ってキャラの出番を増やせなどと、
悪い意味でのキャラクター小説の典型みたいなスタンスになってしまい……

もともと、当時の角川スニーカー、富士見ファンタジアなどのジュニア文庫
(当時、ライトノベルという呼称は一般的ではありませんでした)をほとんど読んでなかった私、
学生上がりの狭い見識で、ジュニア小説業界なんかこの程度かとすっかり白けてしまい、
真面目に書くのが馬鹿馬鹿しくなってしまって……

当時、むこうは私の作品をマンガ、アニメにして売り出してやるともいっていたのですが、
こっちとしては、そんなスタンスの作品をメディア展開しても読者に評価されるとは思えず、
どっちらけモードが続いたまま大学を出て、マンガやゲームはおろか、小説すらあまり読まなくなり、
創作への刺激も意欲もなくなったまま、なしくずしに開店休業モードに陥ってしまったんだよなあ。

当の雑誌は雑誌で、その路線が裏目に出てまもなく廃刊になったし……
あー、いま思い返しても、くだらない思い出です。

閑話休題。
用というのはこの日が最後で、しばらくキャンパスを訪れる機会もなくなるのですが、
ここ数日は、あのころの情熱を思い出させてくれる、いい体験でした。
文化祭のときにでもまた見物に来ようかな、などと思っています。


8月3日(水) 気分は関口君IN姑獲鳥の夏

ここ最近、自分のHPをチェックするたび。なんか変だなーと思ってたんですよ。
一見なんの変哲もないようで、どことなく違和感あるというか。
で、本日、ようやく気づきました。カウンタが消えていたんです。

というのも、7月8日付けの日記で書いた通り、パソコンが故障しまして、
HD交換でHPのデータも消滅したわけです。
それで、復旧のためウェブ上からソースを移したんですが、インデックスをきちんと
移しきれてなかったんですな。
これまでチェックのため何度も自ページを見てたんですが、全然気付かないまま約一ヶ月。
われながらプロに相応しい観察力、注意力だと思いました。
(というか、結局復旧するの8月31日になってるし)


7月24日(日) フォーエバーうどん(苦)

ここ数日、夏風邪気味でへばってたり、ノーパソが微妙に不調だったりで、
またも更新が遅くなってしまいました。
風邪といっても喉が痛かった程度なのですが、エアコンに頼りがちな季節、皆様もお気をつけて。

さて、なんとしたことか、池田ヒナリ さんから萌えバトンを渡されてしまいました。
(って今月8日の話ですね……)
もっとも、どうも私は「萌え」というものがよくわからないのですが、
せっかく渡されたバトンなので、私なりの解釈で頑張って答えてみます。

【萌え属性を正直に告白せよ(妹属性とかメガネ属性とか) 】
これは、要するに好きなキャラクターのタイプをあげよということでしょうか。
ただ私の場合、職業柄か、ストーリー上の必然やや全体のキャラクター構成を通して各キャラを
見てしまうので、たとえ冷酷非道な悪党や卑劣漢でも、話の中でそういうキャラとして生きていて、
物語にいい味を与えているなら、それはそれでいいキャラだと思ってしまうのですよ。

キャラクター構成というのは、つまりキャラ同士の取り合わせの妙のことです。
ごく基本的な話ですが、異なる個性のキャラを組み合わせることで、単独では出ない味を引き出す。
また各キャラのスタンスの違いからテーマを掘り下げ、ストーリーを盛り上げていくのは、
物語作りの基本ですね。
一口にキャラ作り、キャラ立てといっても、表層的な特徴づけや面白おかしさだけではだめで、
そこまで計算して作らないと、キャラ自体はもちろん、作品全体の魅力も半減してしまうわけです。

したがって、作品から離れたところでキャラ云々を語るのは、どうも性に合わないのですが、
あえていうなら、やっぱりミステリ好きということで、切れ者属性というところでしょうか。
一口に切れ者といってもいろいろありますが、私の気に入ったタイプを……

・紙一重天才型
 常識に囚われない頭脳の裏返しか、普段は紙一重の奇行が目立つタイプ。
 この手の元祖といえばシャーロック・ホームズでしょうが、個人的には中学生の頃に読んだ
 「占星術殺人事件」の御手洗潔の影響が大きいです。
・韜晦おとぼけ型
 ことに当たっては切れ者ながら、日常生活ではどうしようもない無能力者だったり、
 常人以下の間抜けた面を見せたりするタイプ。名探偵でいえば金田一耕助が代表格でしょうか。
 「銀河英雄伝説」ヤン・ウェンリー提督のような、普段は素で頼りないタイプもいいですが、
 中村主水のような、正体を隠すためにボンクラを装いつつ狡猾に立ち回るタイプも好きですね。
・軍師、策士型
 戦にて知略奇策を駆使する軍略家や、その他、目的を果たすため色々な形で策略を巡らせるタイプ。
 これはミステリより、歴史、時代ものの影響が大きいです。
 ヤン提督はもちろん、「影武者徳川家康」に登場する二郎三郎はじめ数々の策士。
 あと、京極堂・中善寺秋彦などは、学究肌タイプに見られがちですが、その本領は、
 事件の全体を俯瞰し、すべてを計算しきった上で最良の策を繰り出す策師ではないかと思ってます。
 最近見たテレビドラマでは、「風神の門」の俊岳・鳥居忠政(佐藤慶)が、
 徳川方対策を任された策士として、敵方ながらいい味を出していました。
 もっとも、私が同作で一番萌えたのが獅子王院(磯部勉)というのは、ここだけの秘密です。

【萌え衣装を答えよ(メイド服とか背広とか)】
個人的には、衣装よりも一升瓶に萌えます。(やかましい)
いやまあ、どちらも大切なのは入れ物より中身ということで。

【萌え小道具を答えよ(包帯とか首輪とか眼帯とか銃とか) 】
日本刀。特に同田貫(胴太貫)萌えです。いずれ模造刀でも一振りほしいところです。
あとカンザシ、三味線の糸、接骨術など、本来は武器でない道具や技術を武器に使ったり、
煙管や矢立など、武器でないものに武器を仕込んであるのが好きですね。

【萌え仕草を答えよ(受でも攻めでもどっちでもいい。ときめく仕草)】
ちょこんとお座りして、遊んでほしそうにじっとこっちを見ている姿とか、その姿勢のまま
片足をひょこんとあげる仕草とか、お座りの片足をくずして壁にもたれている格好とか、
夏場、日陰の地面にあごををつけてべたっとへばっている姿とか、仰向けに寝転がって、
お腹をさすってやるとんーんーうなっている様子とか、
あと、背後からしがみついてうなじや耳のうしろをなめてきたり……
リキマル(うちの犬)がよくやってくれます。

【萌え場所を答えよ(海とか山とかその二人がここにいると最高にいいって場所)】
大殺陣の後、悪党とその手下の屍がゴロゴロころがる現場で、殿様と千石とたこが
お気楽にかけあい漫才しているのを見ると最高に和みます。

【次にバトンを渡す人】
五人か、どうしようかな。
とりあえずリンクの中から、まだもらってないと思われる方々を、

「おみぽむ」 大宮ゆうさん。
「はがね道楽研究所」 桜井はがねさん。
「酢屋総本店」 酢屋銀次さん。
「黄昏月光館」 水沢ながるさん。
「若夏胡洞」 若夏琉一朗さん。

本当に苦肉の策で選ばせて頂いただけなので、皆様、お気に召さなければどうぞ無視してください。

……とりあえず私に思いつくのはこんなところです。
これでも私なりに大真面目に答えたつもりなのですが、多分、萌えを知る人から見れば、
メリケンの人が考えた珍妙なサムライ・ニンジャ像みたいになってるんだろうなあ
と自分でも思います。まあ、これも私の持ち味ってことで。


さて、あとは最近読んだ本の話でも。
藤沢周平 「隠し剣孤影抄」 「隠し剣秋風抄」
仕事の息抜きや外出時の空き時間に一編ずつちまちま読んでいたのが、ようやく読了しました。

それぞれ一角の剣の腕と、さまざまな秘剣の業を身に着けた侍たちの人生を描く物語。
といっても、登場する主人公たちは、桃太郎侍のような正義のスーパーヒーロー侍でも、
宮本武蔵のような剣ひとすじの求道者でもなく、おおむね藩に仕えるサラリーマン侍。
人並みの欲や弱さ、ずるさも持つ、われわれと変わらない平凡な人間です。

その性分と腕ゆえに、さまざまな事件に巻きこまれ、あるいは危難を乗り越え、
あるいは非業の最期を遂げる。平凡人の悲哀を描いた物語です。
実は個人的には、マンガやライトノベルに出てくるような、超絶ヒーローヒロインや、
狙ったような美形、美少女より、こういう人間くさいキャラに萌えてしまう性分だったりします。
短編集で読みやすいので、皆様も機会があればご一読を。

それから、きゆづきさとこ先生「棺担ぎのクロ」連載中の「まんがタイムきらら」と、
復活「GA・芸術科アートデザインクラス」掲載の「きららキャラット」も購入しました。
そちらの感想は、またいずれ……って、「またいずれ」もずいぶん溜まっちゃってるなあ。(汗)


7月8日(金) 帰ってきたノーパソ

えー、例によって、前回から二週間以上すぎてからの更新ですが……
今回ばかりは、ちょっとだけ言い訳させてください。

というのも、仕事の一段落もあって、当面はせめて週一ぐらいで更新する気はあったんですよ。
ところが6月18日(土)の遅く、メインのノーパソがいきなり飛んでしまい、
セーフモードすら立ち上がらない状態に。
翌日、修理に出し、ようやく帰ってきたのが今月2日だったという次第です。

で、HDDを交換したため、当然、それまでのデータはすべてロスト……
まあ使いはじめてまだ一年ほどで、消えたのは個人的な雑文やメモ程度、
一番大切な原稿データは送信済みだったのが不幸中の幸いでした。
(ちまちま書いていた某誌用のネタも消えてしまい、今月、投稿し損ねましたが……)

それにしても、あと数日、原稿をだらだら引き伸ばしてたら大惨事でした……
世の中一寸先は闇、やっぱり原稿は一日でも早く仕上げなきゃいけませんね。
(↑普通はそれが当たり前だ馬鹿者)
ネットのほうも閲覧とメール程度は、前に使ってたMeデスクトップでなんとかなったんですが、
そろそろモバイルを兼ねた予備機もほしいところです。
これの T4かR4なんか魅力的なんですが。


さて、この二週間ほどは、修理に出したついでに買ってきた 「天誅・紅」をプレイしてました。
天誅シリーズは、初代PS「忍凱旋」からのファンで、本作も仕事が片付いたら遊ぼうと
楽しみにしてたんですが、それが発売からほぼ一年後だった私は一体何者なのでしょうか?(忍殺)
まあ、おかげで新品を二千円ちょいで買えましたけどね。(苦笑)

今回の主人公は、故郷である忍の里を滅ぼされ、始末屋に身をやつして復讐の機会を狙う
少女くノ一、凛と、シリーズレギュラーのくノ一、彩女。
女性二人が主人公というと、いわゆる萌え狙いの作品かと誤解されそうですが、
内容そのものは、これまでのシリーズ通り渋くシリアスな作りですね。

あえて難をいえば、ストーリーにやや舌足らずな感じがしました。
製作者としては、おそらく復讐となると我を忘れていきりたつ凛が、私情を殺して冷徹に仕事を遂行する
プロの始末屋へと成長するまでの物語を描きたかったのでしょうが、ストーリーが、小林清志さんの
必殺風ナレーション(これ自体は渋くて最高なのですが)と幕間のムービーで語られるだけなので、
肝心の凛の心境の変化や、始末屋のなんたるか、紅屋と黒屋のスタンスの違いなど、
物語の背景がいまいち見えてこない。

ムービー内で「迷い」など、それらしいキーワードは語られるものの、どうも上滑り的。
必殺シリーズを知っている人間なら、始末屋=仕事人と置き換えれば、
なんとなくわからなくもないのですが、知らない人にはわかりにくいんじゃないかなー?
意地の悪い言い方をすれば、肝心のシナリオが薄味のわりに、なにか面倒が起こると
「仕事人の掟」「俺たちゃ仕事人だぜ」などの決まり文句だけでシリアス感を出そうとする
後期必殺的な雰囲気がありました。

……などとうがった見方をしてしまうのは、本職かつ必殺マニアの性でしょうね。(苦笑)
アクションゲームゆえ、ストーリーに多くを裂けないという制約もあるのでしょうし、
ステージ幕間のストーリーとしては十分及第だと思います。
もし私がこの作品をノベライズすることになれば、そのあたりをみっしり補完する
物語を書いてみたいものです。

ゲーム性は、これまでのシリーズよりも、敵の能力が格段にアップ。
配置も、目の前の敵を安易に忍殺しようとすると、死角に別の敵が潜んでいたりと、
いい意味での陰険さに満ちていて、旧作より格段にスリリングな暗殺行を楽しめます。
要所要所には、コミックや映画、特に時代劇ファンならニヤリとしてしまう
オマージュ的小ネタも多く、十分に楽しめました。

せっかくなので、私が気づいた範囲の元ネタを記してみます。
中には自分でも、こじつけとか、ありがちネタがかぶっただけだろうと思うものもありますが、
これもまたお遊びということで。

「天誅・紅」元ネタ(?)集
(ストーリー)
・葉隠れの里の虐殺
 忍の里が虐殺されて生き残りが復讐に燃えるというのは、「柳生一族の陰謀」「影の軍団」など、
 深作欣二監督の時代劇映画に多い設定です。
・始末屋組織、紅屋と黒屋
 二つの裏稼業組織の対立が縦軸という展開は、必殺シリーズ第8弾「必殺からくり人」の
 花乃屋一党と曇りとの対立がモチーフしょうか。
・各ステージ序章
 浮世絵やモノクロの主人公像を背景に、ナレーションで語られるストーリー。
 これは「必殺シリーズ」のオープニングそのものですね。

(アイテム)
・竹鉄砲、鋼糸
 前作「天誅参」から登場の、相手を一撃で倒す始末道具。
 竹鉄砲は、「新・必殺仕置人」巳代松の殺し道具。
 鋼糸は、「新・必殺仕事人」その他に登場す三味線屋勇次の殺し技そのものです。
・抱え筒
 同じく巳代松が第8話「裏切無用」でバズーカ砲を使っていました。(失敗作でしたが)
 シリーズ第27弾「必殺仕事人・旋風編」で再登場した西順之介もバズーカを使用。
 その他、「水戸黄門外伝・かげろう忍法帖」のせんだみつお、「江戸の牙」のおひょいさん、
 リメイク版「三匹が斬る!」の内藤剛志など、バズーカ砲が登場する時代劇って、
 けっこうあるんですよね。

(キャラクター)
・凛
 雰囲気や狐面が映画「必殺4・恨みはらします」のおみつ(相楽ハル子)に似ています。
・双葉
 腕に装着するクロスボウは、「無限の住人」に登場する百淋姐さんが元ネタですね。
・つた吉
 モデルは、「御家人斬九郎」の蔦吉(若村真由美)でしょうか。
 芸者としてはよくある名前ですが、顔立ちもどことなく似ています。
・那須
 前作で登場した悪代官と、なぜか名前も風貌もそっくりの悪按摩。
 居合いの技や台詞回しがモロに勝新バージョンの座頭市です。
・鎬
 二刀流と口にくわえた刀の三刀流は、マンガ「ONEPIECE」のゾロですね。
・黒塗りの重蔵
 こじつけめきますが、隻眼と重厚な雰囲気は柳生十兵衛のイメージでしょうか。
・剃刀お吟
 見た目が思い切り山田五十鈴先生。
 山田先生といえば、「必殺からくり人」シリーズや、「必殺仕事人」中盤のおとわ、
 「新・必殺仕事人」以降のおりくなどの女元締役でおなじみの方です。
・藤岡鉄舟、生駒屋善之助
 前作「天誅参」から登場した新主人公と関連キャラ。今回はムービーのみの出演。
 さんざんいわれていることですが、藤岡鉄舟は藤枝梅安+念仏の鉄。
 あと渡辺謙バージョンの藤枝梅安にも似ています。
 生駒屋の元締は、第15弾「必殺仕事人」鹿蔵元締(中村雁次郎)の雰囲気があります。
・吉五郎
 どことなく本田博太郎さんに似ています。
・髭面の浪人
 モデルは三船敏郎先生でしょうか。 
・侍の始末屋
 同心風の衣装にマフラーをした姿、モロに中村主水です。(笑)
・遊び人風の始末屋
 顔つきが、微妙に三味線屋勇次に似てる気がします。
 あと、これは元ネタというほどでもないでしょうが、匕首を使って油断ならない攻撃を
 繰り出すところが、藤沢周平「用心棒日月抄」シリーズにときおり登場し、
 青江又八郎を苦戦させる名もなき町人の刺客を彷彿とさせます。
・坊主の始末屋
 外見や関節砕きの必殺技など、念仏の鉄っぽいです。
 しかもよく見ると、手には秀仕様のカンザシが。
・くノ一風の始末屋
 独楽の芯で相手を葬る必殺技は、「新・必殺からくり人」の小駒太夫でしょうか。
 上記した「恨みはらします」おみつも独楽を武器に使っていました。
・鳥追い風の始末屋
 三味線に仕込んだ刃物は、「必殺仕事人」おとわが使っていました。

あとは、HDレコーダーにほぼ一月分たまっていた「仮面ライダー・響鬼」を見倒したり、
時代劇専門チャンネルの、「風神の門」を最終回まで見終えたりの日々でした。
そのあたりは、また項を改めて。

追伸
今夜の「探偵!ナイトスクープ・アカデミー大賞2005」。
助演男優賞プレゼンター・福本清三先生の登場は拍手喝采ものでした。
92年当時のVTR、いま見るとさすがにお若いなーと思いましたよ。


6月16日(木) 一服の日々

ようやく仕事が一段落ついて、のんびりしている今日この頃です。

てなわけで、また気がついたら一月以上も更新の間が空いてしまいました。
いや、今度という今度は本当に、ずっと真面目に仕事をしてたんですよ。
酒も(たまにしか)呑まなかったし、5月15日を素で忘れてしまうぐらいに。
まあ、暇だったとしてもやっぱり忘れていたかもしれませんが。

しかし、さすがの私も、今回ばかりはいかんなあと思いましたよ。
今回の企画そのものは、 「快傑!トリック☆スターズ」とほぼ同時に出てたんですが、
どうも特定の締め切りがないと、時間はかかっても、もっと凝った内容をとか、
余裕はあるからそのうち書けばいいとか思い、伸ばし伸ばしにするのは悪い癖です。
昔、某所を見限ったことは的確な判断だったと思っていますが、それで、
(これまでも何度か書いた通り、質的、ジャンル的なこだわりもあったにせよ)
いつまでたっても次を書かないんじゃあ意味がないよなあ。

実際、ライトノベルというジャンルの質が数年前とは比較にならないほど向上してきて、
ジャンルや作風が気乗りしないとの言い訳も通じなくなってきている昨今、
このだらけた性格はなんとかしなきゃあならんなと思います。
早いとこ次のプロットも考えないとなあ……

とりあえず、ここしばらくはのんびりしてました。
読みたい本も、HD録画やDVDもたまっていたので、ひとまず部屋を模様替えして、
テレビをベッド脇に据え、溜まった映像作品を見まくっている今日この頃です。
というわけで、主に時代劇関係の雑談を。

こないだCSホームドラマチャンネル で「必殺剣劇人」第5話見てたら、
サブタイトル「月夜ばかりじゃねえ!」が「腋ばかりじゃねえ!」に見えました。

今日見た時代劇は、HD録画の 「荒野の素浪人」 60話「挟撃 錬金の秘法」。
さる藩の研究者が開発した反射炉を奪おうと狙う公儀の手先。
たまたま関わった峠の旦那が、研究者一家を守って敵を蹴散らすという単純な話ですが、
三船先生の豪快な殺陣と乗馬が堪能できました。それでお腹一杯です。

第一シリーズは、峠の旦那と愉快な仲間たちが、弱者に加担して大活躍という
単純なプロットが多いのですが、それはそれで痛快無比、十分に面白いですね。
第二シリーズは、シナリオ的にもハードボイルドで奥深い話が多くなりますが、
そのへんの解説は、またそのうち。

現在の時代劇専門チャンネルでは、 「風神の門」 が面白いですね。
前回は、大阪人として、失敗するのはわかっていても家康暗殺に燃えましたよ。
今日の放送は……孫八……(涙)

それと、たびたび話題に出している、きゆづきさとこ先生の「GA」ですが、
芳文社様の 「まんがタイムきらら・キャラット」誌に掲載が決定したようです。
いやあ、よかったよかった。発売は、今月25日前後のようです……って、知らんのかい。
(すいません、この手のジャンルには本気で詳しくないもので……)

いま、いつもの酒屋さんで買ってきた 「加賀鳶」 呑みながら「必殺仕業人」DVD見てます。
加賀鳶といっても、市松(沖雅也)の父親を殺して、替え玉を使うロリコンの津川雅彦さん
ではなく(それは鳶辰)石川県の地酒です。
辛口の中にほのかな甘みと芳香があり、それでいて後口は辛口のそれと、いいお酒です。

ちょうどいま本阿弥周子さんが殺られて、剣之介と津川さんのプロレスが始まったところです。
辛口の必殺を見ながら辛口の酒を呑む。これほどの道楽があるかーッ!
(安上がりなやっちゃなー)

あと、期間限定(でも終了期間は未定)で 特設チャットをつけてみます。
主な目的は、個人的な知り合いとの雑談用なんですが、まあ関係のない方でも、
常識的マナーさえ守っていただければ小うるさいことをいうつもりはないんで、
よかったらひまつぶしの雑談にでも使ってください。

そもそも訪問者自体が少ないんですから、そうそう変な人も来ないでしょうし。
こういうとき、訪問者の少ないマイナーサイトは便利ですな。(本気)
なんか面倒あったらあったで、とっとと閉鎖しますし。(おい)


5月4日(水) 一言メモ

一日、二日と、例によって某FR料理パーティーのため上京し、昨日帰ってきました。
詳細はまた後日UPしますが、ひとつだけ話題を、

都内の某書店で「コミックぎゅっと!」一号を手に入れました。
(残念ながら、二号は在庫がなかったです)
きゆづき先生の「GA」連載第一回が目当てだったんですが、期待以上の面白さでした。
カラー原稿を利用した二本目のオチなんか、声出して笑ってしまいましたよ。

で、ちょっと調べてみたところ、当の「ぎゅっと!」はすでに休刊決定のようです。残念。
(って、昨年九月の情報やん……)
せめて「GA」は新雑誌で再開なり、別雑誌に移籍なりできればいいんですが。
なんだったら私、ノベライズやりますよ?(笑)
(08/08/31追記・いずれ料理パーティー・レポをUPしようと思いつつ、結局、
 ずっと放置していたため、詳細を忘れてしまいました。すみません)


4月27日(水) ファンパーティーとGメンと盤嶽

仕事の目処がつきそうといいながら、すでに一月すぎている今日この頃。
いや、話自体は完成しているんですが、最終的な仕上げにあたって細かいところを
気にしだすときりがなくなってしまって。
そういえば、前作出してからもう一年が経つんだなあ。(遠い目)
とりあえず、休み明けには上げるつもりで気合入れていきます。

さて、もういまさらの話になりますが、ネット上のイベント 「ライトノベル・ファンパーティー」
メッセージを寄稿させてもらいました。
2月13日付の日記で書いたコラムというのは、実はこれのことです。
せっかくなので、リンクページにも追加しておきます。
さらにもう一つリンク追加、 「にせコアラのマーサ」
某誌つながりの友人、某パーティーではいつもお世話になっている白鳥雅秋さんのページです。

あとは、これという話題もないんで、最近CSで見た番組の話でも。
「Gメン’75」191話「女子大寮の裏窓」
一年前の冬、湖に転落して溺れかけた女子大生を救い、警視総監賞を受けた七人
(その中の一人が草野刑事(倉田保昭))を狙う、謎の復讐者。
その手口は、大学教授から重要な論文を奪う、書画骨董を収めた資産家の蔵に放火する、
カメラマンの目を潰すなど、標的にとって命より大切なものを奪ってゆくという
サスペンス・ミステリタッチの物語です。

作中では、犯人は「真冬の復讐鬼」という(恐らく架空の)海外推理小説を参考にした
という設定になっていましたが、
話の元ネタはコーネル・ウィルリッチ「喪服のランデブー」でしょうか。

で、犯人というのが、(ネタバレにつき反転文字)
人命救助の五日後、湖付近の泥沼に落ちて幼い子供を亡くした父親(ワイルドセブン小野進也)の
復讐だったのですが、いくら溺れた女子大生を暖めるためとはいえ、沼地を囲っていた
危険立ち入り禁止の看板や柵を壊して焚き火をして、あとはほったらかし、ってのは
そりゃいかんだろ、と思いました。特に現職刑事の草野刑事……

つか、Gメンって意外と不手際多いんですよね、覚えているだけで三回ぐらい拳銃奪われてるし。
(そういえばこの回でも草野刑事が赤ちゃん人質に取られて拳銃奪われました)

そして、CS時代劇専門チャンネルで 今日から始まったのが、 「盤嶽の一生」
役所広司主演、初回二話は市川崑監督、その他豪華ゲスト陣の贅沢な作品ながら、
地上波の本放送当時、時間枠やスケジュールに恵まれず、あまつさえゲスト俳優の不祥事や
放送スケジュールの都合で全十話中二話がお蔵入りになったという不遇な作品です。

ストーリーは極めて単純。役所広司演じる浪人、阿地川盤嶽は、腕は立つが嘘が大嫌い
腰間の名刀、日置光平(へきみつひら)を唯一の友とする、単純熱血で一本気な性格。
したがって極めてだまされやすい、狂本弘明さんとタメ張れるぐらい。(笑)
そんな盤嶽が、旅の途中で出合った人々の虚実入り混じる言動にだまされ、
振り回されながらも、己の性分を貫いて奮闘する姿をユーモアたっぷりに描く物語。
古きよき時代劇映画調の物語を、現代的な感覚で蘇らせたつくりが新鮮で、
見る機会があればおススメの作品です。


3月30日(水) 移転しました

旧トップページにも期しましたが、プロバイダ移転につき、URLが変更になります。
こんな貧相なページでもブックマークしてくださっているご奇特な方はご注意ください。
でもページの内容は大差ないです。(苦笑)
引越しついでにちょっとだけ模様替えとして、カウンタを犬の絵のものに変えてみました。
デザインがうちの愛犬、リキマルに似ているんで気に入っています。

表稼業の方は、なんとか近いうちに目処がつきそうです。
今回はプロット先行型で、ストーリーに沿ってキャラ造詣や心理描写を考えたせいもあるのですが、
歳のせいか、ずいぶんブランクが空いたせいか、はたまたかつての度を越したキャラ偏重路線に
嫌気がさしていたせいか、昔ならたいして考えず感覚でサクサク書けたような、
キャラ同士のかけあい、十代キャラの心理描写などにずいぶん手間取ってしまいました。

というか、ライトノベルということで、ストーリー上の必要以上にキャラを面白おかしく書いたり、
女の子の描写にこだわったりしなくてはならないのかと、変に構えてしまっていました。
それがここ数年来、ライトノベルというジャンルを敬遠してきた原因でもあるのですが。
まあ、近年、業界自体が成熟してきたことや、今回は比較的、現実よりの話ということもあって、
今では、変にライトノベルを意識するより自然に書くほうがいいんじゃないかと開き直っています。

さて、そろそろ時代劇専門チャンネル 「必殺仕置人」の時間です。
今夜はある意味、伝説の第7話「閉じたまなこに深い淵」ということで、
見たあと興奮して事件起こさないよう注意します。(おい)


3月12日(土) なんどめでも必殺仕置人

今年に入ってからも、一番上の月数が順調に増えていく今日この頃、まずはリンク追加。
「酢屋総本店」 某誌 つながりの友人、酢屋銀次さんのページです。
思えば相互リンクページとしては初の、当ページ開設以降に誕生したページです。
というか、もうすぐ開設から一年だというのに、進歩のないこのページの体たらくはなに?

さて、ここ最近、仕事のBGM代わりに、「必殺仕置人」DVDを見てます。
ご存知、必殺シリーズ第二弾。池波正太郎原作の「必殺仕掛人」に続く完全なテレビオリジナル作品。
いわば実質的なシリーズの原点にして、必殺の顔、中村主水の初登場作です。

私の場合、なまじ好きなだけに、いわゆる前期作や映画版の二大傑作 「裏か表か」 「恨みはらします」
あたりを見はじめると、画面に釘付けになってしまって仕事にならなくなるのですが、
さすがにこの作品は再放送の機会も多く、小学生の頃から見続けていて、おそらく累計視聴回数では
全シリーズ中でも一番多い作品なので、ながら視聴でも落ち着いて見られます。
そもそも私が必殺シリーズに本格的にはまったのも、当時の「仕事人」ブームの流れから
再放送でこの作品にふれたことがきっかけでした。

「仕置人」の魅力については、関連書籍やファンページなどですでにさんざん語られているので、
なにを書いても手垢のついた解説になりそうすが、ざっと数え上げるだけでも、
冷徹なプロの殺し屋を描いた前作「必殺仕掛人」や、後の形式化した仕事人シリーズにはない
掟に縛られないアウトロー集団の痛快な活躍、予測のつかないストーリー展開。
ただの殺しに留まらない、被害者の怒りと苦しみをそのまま叩き返すような痛烈な仕置。

そしてなにより、「悪の上を行く極悪」強烈な仕置人メンバー。
骨外しを使う怪物的アウトロー、念仏の鉄(山崎努)
琉球空手を駆使し短槍で闘う熱い若者、棺桶の錠(沖雅也)
不正がまかり通る奉行所に失望し、同心としては昼行灯の無能を装いながら、
裏で仕置人として剣の腕と知略を駆使する中村主水(藤田まこと)
後の完全に殺し屋化した主水とは違い、本作では、主に鉄と錠のサポート役ながら、
自らを「極悪」と定義し、手段を選ばず狡猾に悪を狩っていく姿は新鮮そのものです。
また脇を支える、おきん、半次、天神の小六といった完璧な布陣。

もちろんそれらすべての要素を支える演出、脚本の質の高さはいうまでもありません。
(以下ネタバレにつき、一部反転文字にします)

本作の特色「殺しに留まらない仕置」は、主に初期話に集中しています。
第一話「命を売ってさらし首」では、
兇賊、闇の御前こと浜田屋(大滝秀治)と結託し、罪のない農民を身代わりの晒し首にした
北町奉行、牧野備中守(演じるはミスター馬鹿殿、菅貫太郎)を拉致し
腰骨外しで下半身不随にして心中者の片割れに仕立て上げ、晒しものにする。
第二話「牢屋で残す血の願い」では、
穀物買占めを企み、邪魔な同業者を無実の罪に陥れて処刑に追いやった上、
復讐に来た一人娘をも返り討ちにした悪徳商人を拉致、腰骨を外して飢餓地獄に追いこみ、
食事と引き換えにすべてを白状させて破産、処刑に追いやる。
第三話「はみだし者に情けなし」では、
秘密のSM倶楽部で罪のない女性をなぶりものにしながら、一方で仕置人追及のため、
目撃者の乞食を拷問で盲目にした奉行所与力とSM部員一同の目を潰し、お面をかぶせて
白昼の町中に放り出し、裸踊りさせる。
個人的に、さすがにこの仕置はちょっとエグすぎる気がして引いてしまいましたが、
ストーリー自体は、三話目にして仕置人と奉行所の攻防を描くスリリングな痛快編です。
第四話「人間のクズやお払い」では、
容赦ない殺戮を重ねてのし上がる狂犬のようなヤクザ親分、聖天の政五郎(黒沢年男)の
腕をへし折ってリリース、その地位を狙う子分と同士討ちさせ、あまつさえショックで壊れてしまい
おちゃめな天然おじさんになった姿を、バラエティ番組で全国に晒しものにする。(一部ウソ)

など……

さすがにこのような強烈な悪人リンチストーリーは、製作内部でも賛否両論だったようで
初期とあと数話だけに留まり、その後は、強力、狡猾な悪人との対決編や、
また中盤以降はとある事件の影響もあっておとなしめの作風になりますが、
全話通して見ると、逆にシリーズとして作風のバラエティ性や、
メリハリがつく結果になったように思えます。

さて、当時の私が印象に残ったのは、強烈な仕置よりも、哀感漂うラストでした。
よく覚えているのが、第九話「利用する奴される奴」
初期必殺シリーズで数々の名悪役を演じている津川雅彦、今回は女たらしの清造。
鉄が惚れている女郎、お順を騙し、正体に感づかれると枯れ井戸に突き落とす。
清造を仕置し、真っ暗な井戸の底に助けに降りる鉄。
するとお順は、鉄の腕の中で喜びながら息絶えていく。
「やっぱり来てくれたんだね、清さん……」
そして今回はカヤの外だった主水が、たまたまお順を埋葬する鉄たちに出くわす。
何があったのか問いかける主水に、「女郎が一人死んだ、それだけだ……」と答える鉄。

あと、第二十二話「楽あれば苦あり親はなし」
かつて関係をもった主水や鉄の前に、あんたの子だと赤ん坊を連れて現れる茶屋女、お波。
すべては、実の父親ながら、やがて自分の子であることに疑いを持ち、子供を殺してしまう
性癖を持ったサイコな盗賊の首領、野分の藤蔵(伊藤雄之助)から逃れたいためだった。
伊藤さんの変質者演技が光る本編です。
そして藤造の仕置をすませ、お波の墓参りに来た、鉄、主水、おきん(今回、錠は欠席)
「あの世でまた合えるさ」というおぎんに、鉄は「いや、会えねえ」と答える。
なぜかとの問いに、「俺たちの行くのは地獄だからさ」とさらりと答える鉄。

こう書くと話によってずいぶん作風が違うように思われそうですが、初期の痛烈編にしても、
一方で被害者の心情をきっちり描くことで、ただの暴力番組に堕すことを避け、
九話にしても、清造の雇った用心棒大勢の頭数を数えながら仕置していく鉄と錠、
二十二話では、互いが父親ではと疑う主水と鉄のかけあいなど、
痛快で楽しめる描写も多々あります。

とまれ、回によって出来や作風に多少の差はあるものの、総体に、魅力的な人物造形、
アクション、サスペンス、破天荒さ、高いドラマ性などを過不足なく詰めこんだ、
三十年以上たったいまでまったく古さを感じさせない、エンターテイメントのお手本のような作品。
それが「必殺仕置人」だといえるでしょう。

さて、現在、地上波再放送以外で「必殺仕置人」を見る方法ですが、すでに全話 DVD化されています。
さすがに三年前に発売されたBOXは入手困難ですが、単品トールケースは絶賛発売中です。
あと、この三月二十一日より、CS時代劇専門チャンネル 深夜枠で放送スタートします。
かくいう私自身、ほぼ全話通してみたあとなのに、また見ちゃうんだろうなあ……

珍しく長い日記になってしまいましたが、正直、この作品についてはまだまだ語り足りないです。
いつか全話の詳細なレビューなんかもやってみたいのですが、なんせこの私のこと、
やがて愛の日が二人に来ることはあっても、いつの日になるかわかったもんじゃありません。
まあ、必殺シリーズ百周年記念にあわせてアップできるようにがんばります。
と、「笑点」の歌丸師匠的なオチがついたところで、本日の日記は終わり。


2月13日(日) 風邪とリンクと沖田とコラム

ここ数日、胃の具合が悪かったのです。
空腹時に吐き気やすっぱいものがこみ上げてくるので、胃潰瘍かとビビッていたのですが、
その後、胃は多少楽になったものの、代わりに寒気とのどの痛みが。
いまはもうすっかりよくなったのですが、どうやら軽い風邪のようでした。
この季節、皆様もご自愛のほどを。

さて話代わって、いまだ仮拵えのリンクページに、 「Volcano Baby」「若夏胡洞」 を追加。
某誌 つながりの友人、喜多川あゆこさん、若夏琉一朗さんのページです。
というか、そろそろバナーの張り方も覚えなくちゃなあ。

またも話代わって、先日読んだ本の紹介でも。
笹沢左保 「剣士燃え尽きて死す」(徳間文庫)
ご存知、新撰組の沖田総司を主人公にした長編小説です。

沖田総司といえば、八木為三郎老人の証言もあり、大抵の新撰組ものでは、
新撰組きっての天才剣士ながら、普段は陽性で子供っぽい面さえある人物と書かれています。
それだけに人を斬る際には、心底が見えない不気味な面さえうかがえます。

個人的にも沖田の二面性は興味あるテーマで、昔、なんとなしに妄想したアイデアとして、
実は剣術におけるイディオ・サヴァンだったとか、普段は飄々とした若者ながら、
薬物中毒めいた斬人依存症を抱えており、心の奥で葛藤する人物を思い描いたりで、
そこから派生して、オリジナル作品の人物像をイメージしたこともありました。
機会があれば、ぜひ一度書いてみたいテーマではあります。

さて本作の妙味は、この沖田の陽気な笑顔を、本心を隠すための仮面と解釈したことです。
その笑顔の裏には、試衛館時代は兄弟同然だった近藤や土方が、新撰組という地位を得て
人が変わったことや、当時は不治の病だった結核の身に絶望し、底なしの虚無感から、
機械のように命令通り人を斬り、斬ることでさらに業を重ね、虚無感を深めていく
孤独な人物と描かれています。
虚無的な心理描写の巧みさは、さすが「木枯し紋次郎」生みの親だと唸らされます。

物語も、史実通りの新撰組年代記に、史実にはない独自の人物やエピソードを織りこみ、
史実を知っていても楽しめる作品に仕上がっています。
ただ土方の扱いがかなり悪いので、副長ファンの方はちょっと抵抗を感じるかもしれませんが、
新撰組もののお好きな方は、ぜひご一読を。

またまた話代わって、先日、とある方からメールが。
とあるネット上のイベントでメッセージを寄せてほしいということで、
せっかくなのでなにか書かせていただきたいとは思うのですが、さて、なにを書いたものか。


1月31日(月) スベル星人(欠番)

ああ、元日に更新したと思ったら、もう月末ですね……

日常でそう面白い話があるわけでもないんで。今日は私がかつて愛用していた品、
ローラーシューズ”ヒーリーズ”について語ってみます。
いまとなってはあまり珍しくもない品、というか、ちょっと前までよくそこらで、
小学生の皆さんがすべっていたあれです。

私がその存在を知ったのは、一般に流行する少し前、確か2002年初頭、
「大阪ほんわかテレビ」という関西ローカル番組で紹介していたのを見かけたときです。
出先であんなのあったら便利かなと思ったのと、ちょうど 某誌料理パーティーの
少し前だったんで、ウケ狙いを兼ねて買ってみたわけです。

結局、その年のパーティーではマスターできずじまいで、ただの靴のまま終わったのですが、
その後、ちょっと練習しているうち、なんとかすべれるようになりました。
すべれるようになるとけっこう楽しくて、普段なら自転車で出かける距離に、
散歩がてら出かけたりもしましたね。あと、犬の散歩にはいてって、犬ぞりとかやったり。
(スピード出過ぎて怖いんですぐやめましたけどね)

真面目な話、このヒーリーズ、蹴りだした瞬間、すかさず踵に重心を置いた姿勢で下半身を固定して
すべらなければならないので、けっこういい運動になり、足腰を引き締める効果もあります。
実際、それ以前は少し苦しかったズボンが、使ってしばらくすると楽々はけるようになりました。

ただ……ここ数年来、小学生の皆さんが愛用するようになって、いい年したやつが使うには
周囲の目が厳しくなってしまい、使いどころがなくて困っています。
あの歩きながら、いきなり蹴りだしてジャーっとすべる爽快感は、我々の世代には、
ドムかアーマード・トルーパー(AT)みたいでちょっと忘れがたい快感があったのですが……
どこかに、「シューズで、おっさんおばはんが、すべる団体」、略してSOS団とかないもんですかね。
必ずやどこかで暗躍しているに違いないSOS団の皆様、ご連絡お待ちしています。

と、ローラーシューズだけにスベってみたところで、本日の日記はおしまい。(それがオチかい)


1月1日(日) あけましておめでとうございます

昨年は小生および本サイトをご愛顧いただき誠にありがとうごさいました。
おかげ様をもちまして、公約通り、こうして無事、新年度の日記を新たなページで
はじめることができました。(おかげ様とかいうほどのことかよ)

表稼業もページ更新もどんくさい奴ですが、本年もよろしくお願い申し上げます
とりあえず今年の大晦日までには次の原稿が上がるようがんばります。(こら)

さてと、年賀状の準備でもするか。(おい)


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