全国神楽大会 ハヤチネ2016  について


 平成28年9月3,4日花巻市大迫で開催された大会を2日間見学したのでその様子を報告します。
但し、体力の関係で午後しか、見ておりません。そのてん、ご了承願います。
 解説等は当日配布されたプログラムから借用(引用)した場合が多いことをあらかじめお断りしておきます。

1 9月3日

 ◎ 本海獅子舞番楽下直根講中(秋田県由利本荘市)



「御神楽 」 踊り手は二人  若い人らしかった   この講中は平成23年に国の重要無形文化財指定を受けた。



◎ 雄勝法印神楽保存会(宮城県石巻市)



「所望分」 父の神から取り分を貰わなかった女の神が取り分を4分の1づつ貰った男の兄弟4人に戦いを挑み
その結果としてある程度っ取り分を得たというはなし。暦の「土用」の説明

 セリフが分明で解りやすかった。

◎ 御嶽神楽(大分県豊後大野市)



「八雲払」 すさのおのみことが八岐大蛇を退治する話  ここでは大蛇は藁の俵のようなものだった。最後は刀で本当に切った。
まわりに藁が散らばった。セリフが大きな声ではっきり聞こえた。
 平成19年に国の重要無形文化財に指定

◎ 早池峰大償神楽保存会(岩手県花巻市



「三韓」 武内宿祢の活躍の演目だ  前奏が10分ぐらいで、それからセリフがあるが、あまりはっきり聞こえない。踊りのリズムは
はっきりし、さすがに鍛錬されている。地元のせいか、合いの手、掛け声がしきりで、見ている方も、乗りやすい感じだ。

平成21年にユネスコ遺産に登録されたので、けっこう出番が増えただろう。


     これからは4日の演目になります


 

南部切田神楽会(青森県十和田市)




 「鳥舞」 カ 他に「三本剣」といい、一人の舞手が3本の刀を持って、舞う演目もあった。宙返りをし、ドタリと地におちること、3、4回あり、そのたびに、みんなに受けていた。 セリフは平易で読んでいる感じに受け取れた。平成16年に記録作成すべき無形の民族文化財に選択されたそうだ。

◎ バリ(インドネシア)

 

 「レゴンクラトン」  前の日(3日)レセプションで、近くのテーブルに小さな女の子が居るので、年を聞いたら、父親らしい人が、英語で10才だと答えた。その子が、右の手前で踊っている子の様だ。ここに出ると知っていたなら、もう少し話を聞けばよかった。これは、バリ島の宮廷舞踊らしい。


 ついでと云っては何だが、昭和42年に偶々バリ島に行ったことがある。下の娘の生まれる2週間ほど前だった。
その時の写真やパンフレットの映像を下に添付します。


 バリ島(デンパサール)のどこかで見たが、ケチャ ダンスというすさまじい踊りだ。どういうわけか、当時の日本でも
真似て演ずる団体があった。今はどうなっているか。今回の早池峰の解説者の話では、これは観光用の踊りらしい。

 グループで市内を巡ったがその時の「エレファント ケーブ」でのスナップ。自分は写す側なので、いないが。


赤いシャツの人物は引率者 公文俊平氏 右手で気取っている人は住銀。

その時のパンフレットにあるレゴンダンスの映像、今回大迫では子供が愛らしかった。


 ◎ 木田神楽社中(島根県浜田市)


「大蛇」  昨日の御嶽神楽の「八雲払」とストーリーは似ている。しかし、大蛇は、昨日は俵だったが、今日は、張り子の大蛇だ。
4匹、黒、緑、橙、土色 の4色だ。セリフは、ハーモニーの有る、歌に近い感じだった。もっとも、面に籠って声が聴きにくい時もあった。さすが、出雲阿国の出どころのせいか、歌舞伎様に舞台が大掛かりになる。次の写真を見れば納得。


◎ 銀鏡神楽保存会(宮崎県西都市) (米良神楽)


 「柴荒神」 カ  弓と矢を持った二人が舞ったが、セリフが低く聞き取れ無かった。若い舞手だった。昭和52年に国の重要無形文化財の指定を受けtがそうだ。 銀鏡は「しろみ」と読むそうだ。

◎ 早池峰岳神楽保存会

 

「天孫降臨舞」 「注連切舞」  踊りはキレがあり、動きそのものだけで見せる出来だった。 ストーリーは関係なく、舞を見る
感じだ。セリフはなまっているので特にそう感じた。踊りでは、にじるような動きとか、見得を切るような動きとか、歌舞伎に
似ている。最後は上の写真の権現舞で締めくくった。 平成21年にユネスコ無形文化遺産に登録。

 公演が終わりに近くなって、近くに座っていた人が、私に「先に失礼します」と、言って立ち去った。前に、自分のホームページに出た頂いた方だ。帰り際に、彼が言ったことは、「あの舞台の幕は私が作ったものです」。そうだった、彼は染物の名人として登場してくれた人だった。型紙作りの名人の久保田さんでした。その幕を下に示します。



最後に、
 今回特に意識して見ていなかったので、後になって、纏めようと思っても、時すでに遅しで、映像と資料がうまくつながらない
所もありました。 しかし、今になり、 ただ、忘れてしまうことに、罪を感じたので、多少無理をして、ページにしました。
 例えば3日にミニトークに出場された須藤武子さん(日本民俗舞踊研究会代表)が何十年も苦労し大迫やその他の地域に通い、少しでも伝統を絶やさないように苦労されていることを聞き、彼女の凄まじい「舞踊譜」の一端をみて、ほんのわずかですが敬意を込めるつもりで、です。