BookReview -Japan3-

ちょっと最近、読書は遠のいてます…
ペースが落ちてきました…いかんですな。
買って満足して読まれていない本達がたくさんあります。ま、あおいおい…

日本(5) 日本(6)
未亡人の一年/ジョン・アーヴィング/新潮文庫
★★☆☆☆

あ、やべ、日本の本じゃねえや…ま、いいや。映画「ドア・イン・ザ・フロア」が面白かったので、読んでみました。映画も原作も友人マイコ嬢の勧めなのですが、私にはちょっと…上巻はまあいいのですが、下巻の展開が理解不能。男性作家にありがちっていうか…乱暴な感じがしてしまいました。
ミーナの行進/小川洋子/
★★★★☆

さくみ嬢のお勧めです。
とても幸せで心優しい世界の中に
ずっと見え隠れする小さな暗く
不安な部分が、物語全体をぐっと
引き締めています。
安心して読んでいいんだけど、
安心して読めない…どこかハラハラ
してしまう、そんな描写が絶品。

エンブリオ/帚木蓮生/
集英社文庫
★★★☆☆

エンブリオって胎児のことです。
中絶した胎児をとっておいて、
臓器移植用に培養する話。
昔、自分でもES細胞とかネタに
お話を考えていたことがあって、
再生医療にはめちゃめちゃ興味が
あります!
でもこれはちょっとグロくてきつかった〜!
葬送/平野啓一郎/
新潮文庫
★★★★☆

大好きな平野啓一郎の大長編!
一部上下、二部上下の計4巻。
テーマは、ショパンとドラクロワの交流を描いたもの。ショパンもドラクロワも大好きなのでそれだけで興味をそそります。特に大きな事件があるわけでもなく、淡々と日々の生活を描いているので退屈感もあります(故にまだ途中…)が、その心理描写には感心しきり。三島由紀夫もびっくりの秀作です。
ES細胞
〜万能細胞への夢と禁忌〜/
大朏 博善/文春新書
★★★★☆

エンブリオでES細胞の話題が出たので思い出しました。
数年前、毎日新聞の特集でES細胞とクローンを扱っていたことがあって、もの凄く興味を惹かれて、ちょっと勉強してみようかと買ってみた一冊。
再生医療って、医療と倫理の狭間で揺れ動いてるけど、近い未来、表でも裏でも大活躍しますよ…。
ドナウよ、静かに流れよ/大崎善生/文春文庫
★★★★☆

数年前に起きた日本人カップルがドナウ川で心中した実際の事件の真相を追いかけたルポ。まあ、本人達は亡くなっているので真相は闇の中。あくまで憶測で練り上げられた「事実」を「原案」に描かれた小説として読む分には読み応え有り。それにしても数奇な運命を生きる人って本当にいるのね…。
ヒト・クローン無法地帯/
ローリー・B・アンドルース/
紀伊国屋書店
★★☆☆☆

というわけで、こんな本も買ってみましたが。日本人作家じゃないので、なんとなく読みにくく、
ほとんど読んでません!!!
まあ結局は、法がほとんど整備されてないから、やりたい放題で闇世界で大変なことになっちゃうよって話。

裁判長!ここは懲役4年でとうすか/北尾トロ/文春文庫
★★★★★

いやー、面白かった!
みんなが知ってるあの裁判やこの裁判。殺人、離婚、猥褻、強盗…。
私も、実は一度だけ東京地裁に見学しに行ったことあるけど、あの時はやる気のない窃盗事件だったな。私は弁護士という仕事には全く興味ないけど、検察官は興味ある。学生ん時やった模擬裁判でも検察官やったさ。ま、いずれにせよ、どっちもいやらしい仕事だよ。
氷壁/井上靖/新潮文庫
★★★★☆

NHKで玉木宏と山本太郎によってドラマ化されましたね!!!
大好きな俳優さんたちで楽しみにしていたのですが…ところが、原作の持っているポリシーが全く無視された作りになっていてがっかり(故にほとんど見なかった)。
井上靖のもの凄い固い貞操観念(?)っていうのが、原作にはひしひしと描かれているのですが…それ故にあの主人公が成り立っているのに!
TVはそれ全く無視!遺憾です!

心にナイフをしのばせて/奥野修司/文藝春秋/
★★★★☆

今から約30年前に起こった高校生が同級生の首をちょん切って殺した事件の、残された被害者側の30年を追いかけたルポ。
被害者の妹の視点からがほとんどなので、かなり偏りがあるのは否めませんが、それにしても、加害者が今や何食わぬ顔で「弁護士」やってるってゆーからびっくり。それも、自分のやったことを正当化しようとしてってんだから…。恐ろしいね。
生協の白石さん/白石さん
★★★★★

わたくし、全く知らなかったのですが、Amazonなどでベストセラーに入っているものですから、なんだろうと思って立ち読みしたところ、本屋で1人吹き出しちゃいまして…慌てて買って帰った次第です。白石さん、サイコー!
でも、私はその白石さんが「その生き様がエンターテインメント」と言わしめる、白石さんの奥様に大変興味を惹かれます。そんな風に言われる妻になりたいです、わたくしも♪
朽ちていった命/NHK東海村臨界事故取材班/新潮文庫
★★★★★+★

これ実際NHKスペシャル見てました。日に日に皮膚が腐り落ちていく様子や、泣きながら治療にあたった看護師や医師達のインタビューが忘れられません。改めて読んで涙が止まりませんでした。北朝鮮の核実験が世間を騒がせていますが、人か被爆したらどうなるか、分かっていたら絶対に核を使おうとは思えないはずなのに…。
メタフィジカル・パンチ/文春文庫/池田晶子
★★☆☆☆

とにかく、現代の哲学者に対する文句とダメだしばっかり。ワタシがいいなと思って読んだ竹田青嗣の「哲学入門」(BookReview2参照)もめった切り…。どーせ私は読んでその気になったつもりでいるおバカだよ〜(>_<)小林秀雄だけベタ褒めだったよ…心酔してんだネ、きっと。
だけど、まあごもっとも、と言えなくもないわけで…。
トリアングル/俵万智/
★☆☆☆☆

あれ?俵万智って短歌だか俳句だかの人じゃなかったっけ。小説も書くの?と思い買ってみました。タイトルの響きもいいし。ん〜、でも内容は極甘。甘いってのは恋愛の甘さっちゅーんじゃなくて、小説としての活字の甘さってゆーか。って文章書けないオマエが言うなって?…まあ、それはおいといて。短歌だけやってた方がいいよ、って感じ。本代もったいないことしちゃった。でもTVとか映画にしたらウケそうだね。
ボーダーラインと心の病理/町沢静夫
★★★★★

大学時代に心理学に凝った時期が
あって(ホラ、EVAの影響で(笑))その時図書館で借りて読んだ本。
それが最近、新改訂版として出たので懐かしくなって買いました。
その後、町沢静夫の本はたくさん読みましたが…けっこう、このオヤジうさんくさいかも…(笑)

明日の記憶/荻原浩
★★★★☆

今更ですが、ウチにあったので読んでみました。これよりも先に以前ドラマで「ピュア」を見ていたので(永作博美・緒方直人が主演)、マネっこ?とあらぬ勘ぐりが出てしまいましたが、素直に読めば実に身につまされ、感動します。最後、あまりに切なくて…。
人を嫌うということ/中島義道/
角川文庫
★★★★☆

こちらは奈津子嬢のお勧め。
いやー、ここまでネガティブ方面にポジティブな人って…(笑)
私とは全くベクトルの向きが違う人。
本当に「嫌われること」にコンプレックス持っていて気の毒…さも感じない(笑)ある意味清々しさすら感じる…

日の名残/カズオ・イシグロ/早川文庫
★★★★★

これも奈津子嬢のお勧め。
「自らの地位にふさわしい品格」…実に心に残る言葉です。
思ったのは、とにかく訳がうまい!こと。って、もちろん原語でなんか読めませんが、分からずとも、原語の世界観とかニュアンスを実に見事に訳しているんじゃないかってくらい、美しい日本語訳になっていると思います。
嫌われ松子の一生/山田宗樹/幻冬舎文庫/
★★★☆☆

中谷美紀が映画やるってんで読んでみました。監督に罵倒されながら、自信喪失に陥りながらもなんとか出来たっていう…(監督ちょっと調子込みじゃね?何様?)中谷をそこまで罵ってまでこだわる松子がどんな女かって?信じられないくらいバカな女の話でした。まあ生き方が下手っての?男の人はこーゆー女(の話)に惹かれるモンなんスかね?ま、男性作家の作品だよね。
夜は短し歩けよ乙女/森見登美彦
★★★★☆

NHKの週刊ブックレビューという番組で絶賛されていたので読んでみたら、これ凄く面白い!表現っていうか、文章にリズムがあってテンポがいいし、映像が色鮮やかで美しい!(頭の中で映像に変換するとってことね)
いや、ほんと、こいつらアホだね〜って笑って読めるコメディーです。
欲を言えば、最後が不満。
あのまま、全て妄想で終わってしまったら良かったのに…。

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