幸田弘子の夕べ
辻邦生を偲んで

「アネモネ」と「薔薇」そして−音楽

出演  幸田弘子   音楽  山田博史と仲間たち

演出  池田一臣   衣装  植田いつ子

日時  平成17年6月9日(木) 午後2時・午後7時

会場  紀尾井 中ホール


公演に際して ごあいさつ

 風薫るさわやかな季節となりました。
 皆さま、お元気でいらっしゃいますでしょうか。
 「幸田弘子の会」は、恒例の秋のリサイタルで、咋年は「たけくらべ」全文朗読というはじめての試みに挑み、好評のうちに終える ことができました。「源氏物語 五十四帖」も、 順調に回を重ねております(彩の国芸術劇場)。また全国にお招きいただき、樋口ー葉を柱として、さまざまな舞台をつとめさせて いただきました。
 これもひとえに皆さま方のおかげと、心より御礼申し上げます。

 さて、今回は、特別のご案内です。  毎年の東京・四谷、紀尾井ホールでの秋のリサイタルは、今年は行いません。
 そのかわりに、6月19日、同じく紀尾井ホールの、1階の大きなコンサートホールで、ただ一度だけの舞台をつとめます (昼の部・夜の部)。
 どの回でもそうですが、今年はとくに「これが最後の舞台」のつもりで、一生懸命にがんばりたいと思っております。この機会に ぜひ皆さま方にご来場いただきたく、心からお待ち申し上げております。

 今回の特別公演は、私の朗読を愛してくださった作家・辻邦生先生の6周忌を前に、先生を偲んで、そのすばらしい作品のいくつかをとりあげさせていただきます。
 中心は、「アネモネ」と「薔薇」という美しい短編。ほかに、エッセイや小品などをちりばめたいと考えているところです。
 もともと「アネモネ」と「薔薇」は、辻先生がクラシック名曲からインスピレーションを受けて、お書きになられたもの。
 そのため今回は、とくに作曲家の山口博史さんにお手伝いいただきます。
 辻先生の作品の題材となった、エリツク・サテイの「グノシェンヌ」や、フオーレの「レクイェム」などが、センスあふれる室内楽アレンジの生演奏でよみがえります。
 ピアノやフルート、チェロが、朗読とどうからみ合うのか、これもまた、私にとっての初めての、新たな挑戦なのです。  今のこの時代、少しでも皆さまの心に、暖かく純粋な癒しの思いが伝わればというメッセージをこめて、ここにご案内申し上げるしだいです。

 どうかこの特別な機会に、皆さま方お繰り合わせのうえ、お越しいただければ幸いです。

2005年 春    幸田弘子


PDF:チラシ(表)       チラシ(裏)
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