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インキピオー4 PRINCE
INCIPIO 4 PRINCE 1929年 プリンス発売、ご存じのとおりプリンスは時分針と秒針が独立した非常に革新的なモデルでありました。
当時の医師が患者の脈拍を計るさい、この独立した秒針がどれだけ重宝したかは想像に難くありません。当然の事ながら精度面でも最高の物が求められるわけで、いきおいアッパークラスを販売対象においた高級モデルとなりました。
一口にプリンスといっても、ケースの微妙な形状で名称の違う数モデルが存在します。プリンス初期のモデルは、アールデコの直線と曲線美が見事なまでに調和。それに対して側面が真直線のレールウェイと呼ばれるモデルが30年代後半に誕生する。デザインの美しさ、そこにプリンスという時計の魅力があります。
びっくりしたのがプリンスです。これを目にするのは初めてです。これ、レールウェイ・ケースというやつですよね?本物だったら、ステンでも100万円、ピンク・ゴールドやイエロー・ゴールドをあしらったものならかる〜く200万円は超えますよ。ムクなら300万円ですよ。
しかも、ブレスはバンブー・ブレスじゃないですか。ブレスだけでも本物なら50万円以上の価値がありますよ。
これは、おいしいというか、マニア心をくすぐるモデルでね。薄くて大きなリューズも、ピッタリとケース・サイドにおさまるようですし、これ、ほんとにいいですよ。
きっとムーブも本物より丈夫だと思いますよ。角型ケースで、手巻きのスモール・セコンド付きなんて時計は、一般的な時計ブランドでもめったに売ってないですよ。上質なクロコのベルトを付けてもハマルと思います。
ビギンの1997年11月号に、アンティーク文明洞の長谷川雅昭店主、作家の松山猛氏らの座談会が掲載されているのですが、それによると「国会の先生にはプリンスの愛用者が多い。そんなに時間を気にしないで生活しているんだろうね」という発言がありました。てことはモノホンのプリンスも、実はそれほど正確な時計ではなかったと言えるのではないでしょうか?
さらに、世界の腕時計No.17で、俳優の三國連太郎さんが愛用のプリンスについて、「朝、撮影所に行く時に時間を合わせるのですが、遅刻しても気持ちいいんですよね」と語っておられます。
う〜ん、きっと「朝、ゼンマイ巻いてたら遅刻しちゃったよ「この時計よく狂うので遅刻しちゃったよ」とかなんとか、茶目っ気たっぷりに言い訳しておられるのでしょうね。という訳で、「ホンモノのプリンスは、クロノメーターといえどもそれほど機能的に優れた時計ではないのではないか」という結論に達しました。ははは。強引過ぎますかね。
F導師談
勤務先のOLのお姉さんに「オシャレなファッション時計ですね」と言われました。プリンスってその手のノリでしょうか。インキピオーに興味のない人にはその程度なんでしょうね、きっと。(ロレックスに興味のない人には、と書いて、慌てて訂正しました。)
オリジナルには紺色の皮バンドがついていました。
尚この画像は私にこのプリンスを譲って下さったOさんのものです。大した腕前ですね。私にはとてもこれだけのものは出来ません。
実物はケース幅約25ミリの35ミリ長さ、F導師もご指摘されているとおりのレールウェイケースです。
手巻きでハック機能不付。少々文字盤が小さいので見にくいのが難ですがそこそこフォーマルにも使えます。
インキピオーの中の私がお気に入り逸品です。プリンスを惜譲して下さったOさんも確かその様なことを仰ってましたっけ。尚私はプリンス・モデルがあるならばプリンセス・モデルもあるだろうなとつい最近まで本気で思っていました。(プリンセス・モデルは無いのでしょ?)。
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