「人に好かれて、良い子になって、死んでいく時ゃ一人じゃないか」
これは私がオモシロオカシク勝手に想像して書いた物ですので全く根拠が無い架空の独白です。A氏も内容も全て架空です。座興でお読み下さい。
出席者 A :時計雑誌のフリーのライター、たまには提灯記事を書くことも、時計の知識はそれなりに。最近ちょっと鬱状態で投げやりぎみ、現状打破の為過去を悔いて独白を決意か。先ずは生い立ちを。
私の生い立ちですか、生まれ育ちの説明は勘弁して下さいよ、自慢出来る事は何も無かったですから。でもね、ガキの頃から機械いじりが大好きでね。そう、何でもかんでも分解しましたよ。猫迄分解しましたっけ。イヤー、これは冗談ですがね...........。ゴキブリは分解しましたです、ハイ。
学校を出てから直ぐにそのころ新橋にあったH時計店に入りましてね、随分つらい目にも会いましたが時計の勉強もよーくさせてもらいました。今でいう「エンジニア」ですかね、そのころは「職人さん」「大将」「おっさん」「色男」とか色々な名前で呼ばれましたよ。
でもヒョンな事から店主と喧嘩しちまいましてね、いや、なに、店主の娘に粉かけしちまいましてね、粉かけ、あれですよ、アレ。それでプイと店をオン出たまま日本全国の時計店を廻らしてもらいました。
ヘェー、マジなお話ですね。いつもの軽佻Aさんとは大違いだ、それで。
イヤー色々苦労もしましたが一応どんな時計でも在り合わせの部品でなんとか修理出来る腕を持ちましたよ。地方じゃ、満足に部品も揃わない事もありました。ですからそこら辺の物を切ったり張ったりしました。これって職人として本当に大事な事です。
エッ猫、あなたもヒツコイな、猫は分解しとりませんです。でも臨機応変に対応出来るというのは職人の誇りでして、そこら辺のチョットと出のエンジニアでは、中々そこ迄出来ませんやね。
時計の修理を生業になさっておられたのですか、道理でパチロレを色々とお買いになられる訳だ、ヒっヒっヒっ。色々裏技もお持ちでしょう、それでは。
パチロレと時計の修理とは何ら相関関係は無かろうが。私が何かやってるみたいな言い方は止めてもらいたいですな。でもね、時計の修理技術があれば色々と強いですね。裏技?、それについてはヒッヒッヒッです。
それは失礼をば。ところで現在の生業を。
確か日暮里で小さな時計の修理屋をやっていたころに時計雑誌の編集者が修理に来てね、それがきっかけで親しくなりました。
でも、そいつがヒドイ奴でね、全く。私の教えてやった事をそのまま記事にしておる。ある時そいつに頼まれてチョコッと書いたヨタ話しが随分面白がられましてね、丁度クォーツが全盛時代で機械時計の修理もジリ貧だったものでそのままズルズルとこの業界へ。よって私の生業はライターとなりますかな。但しフリーです、無所属です。
それではインキピ12について業界通として独白したい事がお有りとか、懺悔ですか、それともヨタ話しですか、はたまた「仕手株時計に成り得るか」関連のヤバイ話ですか???
そんな事はどうでも宜しい。以前に座談会でどなたかが仰しゃてたように、インキピとしてもうロレックス似の時計は作成出来ないので、今度はパネライを真似たようですな。
それで今回はお茶を濁しておいて、ほとぼりが冷めたら『要望が大きいので再度ロレックスフェイクを作る』と画策してるのではないでしょうかな。その暁は、色々と法的に難しい問題もおこる可能性も大でしょう。
インキピ12ですが、これのクロノメータ規格が、『クロノメータ検定のみをパスすればいいや』程度の品質だった場合、検定時は制度は良いですが、1年もしないうちにノンクロノメータ規格の時計の精度と同等になってしまう可能性が大きいです。
つまり、時計の製作の仕方によっては文字盤に[CHRONOMETER]と書かれただけの普通の機械式時計になってしまうという事です。
なる程、それで独白とは。
インキピ12のクロノメータ時計はもう一部は生産されてる筈。私の情報では規格的には「形だけ」のクロノメータでしょうな。通常、クロノメータ用の機械はノーマルの時計より、高品質な部品を使います。テンプやヒゲゼンマイに高品質の材料を使い、工作精度も厳密になります。
これは高品質な部品を使わねば精度は保たれないからです、これって当然ですよね。でも低品質な部品を使っていても、職人が調整すれば当初はクロノメータ級の精度に保てますが1年もしないうちに精度は急落する場合が多々あります。
インキピ12のクロノメータは、かなり低価格・低品質な部品を使って、無理やりクロノメータにしていると推測しますので、精度はやはりその場限りという事になるのではないですかね。
それでも、値段だけは高額・・・。もう少し、まじめな時計を作って欲しいものです。それでも、精度は追い込んでいるので、手間はかかってますけどね、オットこれは褒め言葉ですぜ。
あの時計が3万円以下でしたら、たとえ「その場限りクロノメータ」でも、「やるじゃないかビギン」 と、思うのですが、実際は高額で品質悪いので、「虚名クロノメータ」といえますかね。
でも、あの出来の悪い機械をクロノメータレベルまで調整した職人は、やはり腕が良いですね。あっしも職人として感心してしまいましたよ。オットこれも褒め言葉ってことよ。でもこれはオフレコですぜ。どうせ架空のヨタ話しですので。